組織はどんな形があるの?
組織を作るとき、どんな形にすればいいのか考えたことはありますか?
私たちの周りには様々な組織があります。
学校のクラス、スポーツチーム、会社など、どれも人が集まってできています。
階層型組織:上下関係がはっきりしている形
1つ目は「階層型組織」です。
これは軍隊のような組織で、上から下への命令系統がはっきりしています。
トップのリーダーの意見は絶対で、その命令は下の人たちへと伝わっていきます。
この形の良い点は、決めることがすぐにできて行動も早いことです。
でも気をつけたいのは、下の人たちの自由な発想や主体性が制限されることがあるということです。
組織論では「官僚制組織」や「機械的組織」という専門用語で呼ばれ、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーが研究した形です。
学校の先生と生徒の関係や、大きな会社の仕組みもこれに似ています。
フラット型組織:みんなが平等な形
2つ目は「フラット型組織」です。
これは民主的な組織で、みんなが平等に意見を言えます。
上下関係は少なく、全員が同じ立場で話し合います。
小さな会社やボランティア団体によく見られます。
組織論では「水平的組織」や「平等型組織」と呼ばれています。
ただし、全員がバラバラにならないように、方向性を合わせる調整役が不可欠。
みんなで決めるので、時間はかかりますが、色々な意見が反映されるのが特徴です。
アンサンブル型組織:専門性を活かし合う形
3つ目は「アンサンブル型組織」です。
この組織では、メンバーそれぞれが専門性を持ち、対等に貢献します。
それぞれの得意なことを活かし、苦手なところを助け合い、共通の目標に向かって協力します。
状況に応じてリーダーが変わることもあります。
組織論では「有機的組織」や「アドホクラシー」という言葉で表現されます。
これは状況に応じて柔軟に形を変える組織のことです。
これは音楽のアンサンブルをモデルにしています。
例えば弦楽四重奏では、4人それぞれが専門の楽器を演奏し、一つの美しい音楽を作り上げます。
曲によって第一バイオリンが全体をリードすることが多いですが、常に支配するわけではありません。
ジャズバンドも良い例で、ソロを取る人が一時的にリードしますが、すぐに別のメンバーにバトンが渡ります。
環境に合わせた組織づくり
どの形が一番良いのかは、その組織が置かれている環境によって変わります。
安定した環境では階層型が向いていますが、変化が激しい環境ではアンサンブル型の方が適しています。
今の社会は変化が速いので、多くの組織が柔軟なアンサンブル型を取り入れようとしています。