視点の違いが物の見え方を変える(ピラミッドの認知的相対主義)

同じものが違って見える不思議

「これは四角形だ」と主張する人と「いや、三角形だ」と反論する人がいたとします。

しかし、どちらも間違いではありません。
これは不思議なことではありませんか?

人が地上からピラミッドを見上げると、三角形の姿が目に映ります。

視点の違いによる認識の変化:ピラミッドの例 人の視点 横から見ると 「三角形」に見える 鳥の視点 上から見ると 「四角形」に見える 「これが正しい」と言い争うのではなく、 相手の視点を理解し、適切なコミュニケーションを取ることが大切。 同じものでも視点が変われば見え方が変わる

一方、鳥のように上空から見下ろすと、四角形の頂上部分が見えます。

このように、同じピラミッドなのに、立つ位置や角度によって、まったく違う形に見えることがあるのです。

大切なのは、自分の視点だけが正しいと言い張ることではありません。
相手がどこから見ているのかを理解し、その視点に立って考えることです。

日常のコミュニケーションへの応用(パースペクティブ・テイキング)

この「ピラミッドの教え」は、日常の人間関係にも当てはまります。
意見が対立したとき、相手がどんな立場や経験から物事を見ているのかを考えてみましょう。
そうすると、「なぜそう考えるのか」が理解できるようになります。

他者の視点から物事を見る能力や、他者がどのように状況を認識・解釈しているかを理解しようとする心理プロセスのことを、社会心理学や発達心理学で「パースペクティブ・テイキング(視点取得)」といいます。

相手の視点に合わせて説明すると、コミュニケーションがスムーズになります。
一つの物事に対して違う見方があることを認め、お互いの視点を尊重することで、より豊かな理解が生まれるのです。