? AmazonギフトカードがKindle電子書籍の支払いに使えなかった問題

最近、興味深い問題に遭遇しました。Amazonギフトカードを購入したのに、Kindleで電子書籍を購入する際に残高が使えなかったのです。

電子書籍をギフトカードだけで購入できるの?

Kindle電子書籍の購入時、ギフトカード残高だけで支払いたい場合でも、必ず何らかの支払い方法(クレジットカードや携帯決済など)を「登録」しておかないと、決済自体が進みません

  • Kindle本の購入には、ギフトカード残高だけで足りる場合でも、クレジットカードや携帯決済などの「支払い方法」をアカウントに登録しておく必要があります。
  • 支払い方法が未登録の場合、「支払い方法を追加してください」と表示され、購入手続きが完了しません。

つまり、Amazonギフトカード残高が十分にあっても、支払い方法の登録が必須

また、購入前に「支払い方法の設定」でギフトカード残高が優先されるように設定しておいても、携帯決済や後払いサービス(Paidyなど)が支払い方法として設定されていると、それらが優先適用されてしまい、ギフトカード残高が使われない仕様になっています。

エラーの発生と解決への道のり(ワンクリック購入)

まず、問題解決のために、アカウント設定の「コンテンツとデバイスの管理」から支払い方法を変更しようとしましたが、エラーが発生して設定できませんでした。調査を進めると、Kindleの場合はまず「ワンクリック購入」を有効にする必要があることがわかりました。

解決のカギは以下の手順にありました:

  1. まず「ワンクリック購入」を有効にする
  2. その後、Kindleの支払い方法を設定する

ただし、ここで新たな問題が発生しました。この設定を行っても、Amazonギフトカードは支払い方法選択の選択肢にはありません。オプション扱いで、PaydyやPayPayなどの支払い方法を選択する必要があったのです。結果として、Kindle本を購入すると、ギフトカード残高があるにもかかわらず、Paidyからの支払いが優先されました。後払いサービスのPaidyなどが優先される仕様は、PaidyなどではAmazonギフトカードによる「割引」適用できないからのようです。

Kindleの購入システムは一般商品と異なる(即時決済)

Kindleでの電子書籍購入は、Amazonの通常商品とは大きく異なる仕組みになっています。

Kindle電子書籍と通常商品の購入システムの違い 通常商品の購入 商品をカートに入れる チェックアウト 特徴:物理商品の販売 VS Kindle本の購入 ワンクリック購入 即時決済・ダウンロード 特徴:コンテンツ利用ライセンスの販売 この違いにより、購入プロセスや支払い方法の設定も異なります

通常の商品ではカートに入れて購入するのに対し、Kindle本は「ワンクリック購入」と呼ばれる即時決済のシステムを採用しています。

このシステムの違いは、デジタルコンテンツと物理商品の取り扱いの違いから生じています。電子書籍は実際には「書籍を販売する」のではなく、「コンテンツの利用を認めるライセンス」を販売する形態なのです。これにより購入プロセスや支払い方法の設定も異なってきます。

この特殊な状況は、アプリストアのポリシーとも関連しています。AppleやGoogleのアプリストアではデジタルコンテンツの販売に30%もの手数料を課しています。この手数料を避けるため、AmazonはKindleアプリ内での直接購入機能を削除し、ブラウザ経由での購入に切り替えました。

支払い方法の優先順位問題(後払い決済)

Kindleには支払い方法の優先順位があります。通常は以下の順番で適用されるはずです:

  1. Amazonクーポン
  2. Amazonポイント
  3. Amazonギフトカード
  4. クレジットカードなどの他の支払い方法

しかし、実際の購入では、PaydyやPayPayなどの後払いサービスが設定されていると、Amazonギフトカード残高などが適用されず、これらの後払いサービスでそのまま決済されてしまいます。公式の情報によると、「携帯決済やPaidy翌月払いが指定されている場合、ギフト券やポイントの残高があっても、携帯決済やPaidy翌月払いが優先して適用される」とされています1

つまり、ギフトカード残高があるのに使われないのは、システム上の仕様だったのです。

なぜこのような仕様になっているのか

Amazonギフトカードは前払式支払手段

Amazonギフトカードは「割引」ではなく、「チャージ(前払式支払手段)」としての性質を持ちます。資金決済法における「前払式支払手段」に該当し、あらかじめ金額をAmazonアカウントに登録しておき、その残高の範囲内でAmazon.co.jpやAmazon Pay対応店舗で商品やサービスの購入に利用できるものです。

Amazonギフトカード残高が支払い方法にない

しかし、Kindleの電子書籍購入画面では、Amazonギフトカードの残高は「支払い方法」としてではなく、Amazonポイントやクーポンと同じく「割引」や「値引き」と同様の扱いで自動的に適用されるように処理されています。購入時、商品ページや注文確定画面に「あなたは、¥〇〇〇持っています。Kindle本クレジット」などと表示され、ギフトカード残高が利用可能な場合は自動的に差し引かれる仕組みです。

このため、前払い式の支払い手段として機能するはずが、見た目上はポイント割引のように表示されます。

不正利用の防止のため?

この理由としては、

  • 不正利用防止や本人確認のため
  • システム上の安全策

クレジットカード等の支払い方法を登録させることで、不正利用や未成年者の無断購入などを防止する目的があります。また、万が一ギフトカード残高が不足した場合にも、決済が途中で止まらないようにするためです。

  • Kindle電子書籍の購入時、「ギフトカード残高のみで支払う」こと自体はシステム上可能。
  • しかし、支払い方法(クレジットカード等)の登録が必須で、これがないと決済ができません。
  • ギフトカード残高が優先して使われますが、支払い方法の登録自体は避けられません。

多くの人が混乱するポイントですが、これは「システムの不備」ではなく、Amazonが意図的に設計した仕様なのです。クレジットカードを持っていない人にとっては不便かもしれませんが、セキュリティやシステムの安定性を考慮した結果だと考えられます。

この問題を解決するためには、ギフトカード以外の電子書籍購入方法を検討するしかありません。

まとめ

Kindleの電子書籍購入とAmazonギフトカードの関係性は一見シンプルに思えますが、実際には複雑な仕組みと優先順位の問題があります。Paidyなどの後払いサービスが優先される仕様になっているため、ギフトカード残高があっても使われないという現象が発生します。

ワンクリック購入の設定と支払い方法の適切な管理が、この問題を解決するカギとなります。デジタルコンテンツとしての電子書籍の特性を理解し、適切な設定を行うことで、よりスムーズな購入体験を実現できるでしょう。

  1. コンテンツと端末の管理の「Kindleの支払い設定」で、携帯決済またはPaidy翌月払いが指定されている場合、ギフト券やポイントの残高があっても、携帯決済またはPaidy翌月払いが優先して適用されますため、お手数ですがご確認いただけますでしょうか。SK – Amazon Helpさん: / X