速く打つより大事なこと(手元を見たくなるけれど)
タッチタイピングをマスターするための最も重要なルールがあります。
それは「決してキーボードを見ないこと」です。
キーの位置がわからなくなっても下を向かず、手探りでキーを見つけます。速さを求めてやみくもに練習するよりも、この原則を守るかどうかで、上達のスピードは大きく変わります。
タイピングの3つの基本動作
タイピングは、3つの動作の組み合わせです。
- まず、いつも一定の位置に指を置いて構えます。
- 次に、指を伸ばして目的のキーを打ちます。
- そして、打った指を元の位置に戻し、再び一定の位置で構えるのです。
この3つの動作を繰り返すだけで、手元を見ずにキーを打てるようになります。
各指のホームポジション

この指が戻る位置のことを「ホームポジション」といいます。これがタッチタイピングの土台です。
左手は小指をA、薬指をS、中指をD、人差し指をFに置きます。
右手は人差し指をJ、中指をK、薬指をL、小指をセミコロン(;)に置きます。
スペースキーには左右どちらかの親指を軽く乗せてください。
キーボードのFとJには小さな突起やへこみがついています。手元を見ずに戻るには、この突起を指先で触って確認することです。暗くても家の中なら歩き回れるように、指の感覚で位置を把握するのです。
指は軽く乗せる程度にとどめ、肩の力を抜いてリラックスして構えます。ノートパソコンには、タッチパッドの左右は手のひらを乗せられるようになっていて、この部分を「パームレスト(手のひら置き場)」といいます。長時間の作業に備えて、キーボードの手前に手首や腕を置けるスペースを確保することは大切です。外付けキーボードの場合は、専用の「リストレスト(手首置き場)」を購入するのも1つですが、実は、ハンドタオルなどを巻くだけでも、リストレストになります。
それぞれの指には担当するキーが決まっています。A〜F、J〜セミコロンのキーに指が乗るようにするには、指先を少し曲げ、手のひらを奥にスライドさせるのがコツです。

キーを打つときは、軽くトンと押す感じで十分です。力を入れすぎると疲れの原因になります。普段使い慣れていない小指や薬指は、最初は動かしにくく感じるものですが、練習すると必ず慣れて動くようになります。
実は、戻す練習が最も大切
多くの人が見落としがちなのが「戻す練習」の重要性です。
キーを打つ反射的なスピードは練習した分だけスムーズになります。しかし、打った後にホームポジションに戻すことは、意識的しなければ上達しにくいです。打ったら戻す、打ったら戻すという、この動作を体に覚え込ませることが上達の鍵なのです。
ホームポジションに戻る「手がかり」
指の運びにはコツがあります。
上下のキーを打つときには、目的の指だけを動かそうとすると、指が釣りそうになったり肩が凝ったりします。手のひらをスライド移動させても大丈夫です。キーを打つときに、小指か人差し指のどちらかをホームポジションに残しておくと、打った後にこの残した指を起点にして、楽にホームポジションに戻れます。
キーボードのキーは、左上から右下に斜めに傾いて配列されています。ホームポジションで右手の傾きはキーボードとほぼ同じですが、左手は逆の傾きになります。この特徴を意識すると、より自然な指の動きができるようになります。
まとめ
タッチタイピングはパソコンを使うための基本動作です。難しい専門技術ではなく、特別な才能がなくても、誰でも身につけられます。
重要なのは「キーボードを見ない」「ホームポジションを維持する」「打ったら必ず戻す」の3点を徹底することです。これを意識して練習するのが、短期間にマスターするポイントです。手元を見ずに文字を入力できるようになると、爽快です。ぜひ取り組んでみください。