ノートPCのカバーを閉じると
Chromeリモートデスクトップが固まる?

古いWindowsノートPCをサブマシンとして使い、メインPCからリモート操作できないかと考えました。
用途は単純で、時報チャイムやBGM再生などを任せるための“置きPC”です。

ただし、これをメインPCから直接操作できると便利です。
ただし、画面やキーボードは使わないので、ノートパソコンのカバーは閉じたままにしたい。
そう思ってChrome リモート デスクトップを入れて試していたら、少し不思議な挙動にぶつかりました。

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1. Chrome リモート デスクトップが動かない?

最初は問題なく接続できます。
ところが、ノートPCのカバーを閉じたら、動かなくなってしまったのです。
でも、これはパソコンによるようで、カバーを閉じても動くものもあります。

リモート側の画面は表示されたままですが、内容が更新されません1
時計も止まり、マウス操作にも反応しない。

最初は電源設定を疑いました。
しかし、「カバーを閉じたときの動作」は「何もしない」に設定済みです。

あと、ノートPC本体ではリモート操作できないものの、YouTube Musicの音楽が鳴り続けていました。
つまり、パソコンはスリープしていない、インターネット接続も切れていない。

1.1. ディスプレイが消えている

そこで思ったのが、「ディスプレイが消えたことで、描画そのものが止まっているのではないか」
ということです。

真の原因 ディスプレイが消えた → 描画そのものが止まる 1 カバーを閉じる 物理的な動作 2 内蔵ディスプレイ電源OFF ハードウェア側で制御 3 描画先が消失 キャンバスがなくなる

ノートPCのによっては、カバーを閉じると内蔵ディスプレイの電源が自動的に切れます2
これはWindowsの設定ではなく、ハードウェア側の動作です。

音が出ているなら、画面も更新されるように思えます。
しかし、画面描画はGPU(グラフィック処理装置)とディスプレイの組み合わせが前提です。
描くキャンバスそのものが消えると、フレームを作れなくなります。

この状態を、Chrome リモート デスクトップはうまく扱えないようです。

音と画面の違い 動き続ける CPU ネットワーク 音声再生 停止する 画面描画 GPU処理 フレーム更新 Chrome リモートデスクトップの仕組み 「今ある画面」を転送する方式 → 描画先がなくなると、最後の画面が静止画に

Chrome リモート デスクトップは、「今ある画面を転送する」方式です3

そのため、描画先がなくなると、最後に取得できた画面を静止画のように表示し続けます。
つまり、時計が止まって見えたのは、そのためなのです。

2. 「カバーを閉じてもディスプレイをオンにする」設定はあるのか

結論から言うと、見つかりませんでした。

Windowsには、「カバーを閉じたときにディスプレイだけをオンに保つ」という設定項目はありません。

制御できるのは、電源状態だけで、ディスプレイの電源そのものは、BIOSや内部コントローラが物理的に切っているようです。
少なくとも、今回使った古いノートPCでは、ソフトウェアで回避する方法はありませんでした。

現実的な選択肢は次のいずれかになります。

  • カバーを少し開けたまま使う
  • 外付けディスプレイを常時接続する4
  • ダミーHDMI(仮想ディスプレイアダプタ)を挿す56

とりあえず、カバーを開けたまま使うことにしました。

3. 【補足】Windows標準のリモートデスクトップとの違い

ちなみに、これはChromeリモートデスクトップの性質で、Windows標準のリモートデスクトップでは、ディスプレイがなくても動作します。

2つのリモートデスクトップの違い Chrome RD 物理ディスプレイ に依存 カバーを閉じると 動作しない Windows RDP 仮想ディスプレイ を生成 カバーを閉じても 動作する

内部で仮想的な画面を作ってくれるためです。

  • Windows RDP:
    仮想ディスプレイを生成する7
  • Chrome リモート デスクトップ:
    物理ディスプレイに依存する
  1. この現象は多くのユーザーが報告している既知の問題です。Google Chrome コミュニティでも複数のスレッドで同様の症状が報告されています。 – Remote desktop not working when HP target laptop lid is closed – Google Chrome Community
  2. 一部のIntel Iris Xe Graphicsなど特定のGPUでは、ディスプレイドライバを無効化することでカバーを閉じた状態でもリモート接続が可能になるケースが報告されています。ただし、この方法は通常の使用時に問題を引き起こす可能性があります。 – Intel Iris Xe Graphics and Google Chrome Remote Desktop – Intel Community
  3. Chrome リモートデスクトップは物理ディスプレイの出力をキャプチャして転送する仕組みです。一方、Windows標準のRDP(リモートデスクトップ)は仮想ディスプレイを生成するため、物理ディスプレイがなくても動作します。 – Remote Access to a Headless System: 10 Things to Consider
  4. 外付けディスプレイを接続する場合、ディスプレイの電源を切っていても多くの場合は接続状態が維持されるため、リモートデスクトップは正常に動作します。ただし、一部のディスプレイでは電源オフ時にEDID情報が失われることがあります。 – Could Not Connect to Remote Access Software When Laptop Lid Closed
  5. ダミーHDMIアダプタは1,000円前後で購入でき、4K(3840×2160@60Hz)などの高解像度に対応した製品が一般的です。システムが物理ディスプレイとして認識するため、Chrome リモートデスクトップでも正常に動作します。 – 「ディスプレイを接続しているように認識させる」HDMIアダプタに安価品が登場、実売1,280円 – AKIBA PC Hotline!
  6. ダミーHDMIプラグは価格.comやAmazonなどで「HDMIダミープラグ」「仮想ディスプレイアダプタ」として検索すると多数の製品が見つかります。HDMI以外にもDisplayPort、DVI、VGA対応製品もあります。 – 「HDMIダミープラグ」の人気商品一覧 – 価格.com
  7. Windows RDP(リモートデスクトップ)はセッション0とは別の仮想セッションを作成し、物理ディスプレイがなくてもGUI環境を提供できます。これによりヘッドレス環境でも正常に動作します。 – Enable RDP on headless server with no user logged in – Microsoft Q&A