フォルダをNotebookLMに入れる意味と
ハルシネーション
(Codexでの前処理)

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1. NotebookLMに情報を入れる

「プロジェクトフォルダをそのままNotebookLMに投げ込む」という使い方は、機能として存在しません。

1. NotebookLMに情報を入れる

NotebookLMが受け取れるのはフォルダではなく個別のソースファイルです。
ローカル資料をどう整形するかの設計が、NotebookLMの使い勝手を決めます。

1.1. NotebookLMとは

NotebookLMはGoogleが提供するAIノートブックサービスです1

1.1. NotebookLMとは

PDFや文書、WebページなどをAIに「ソース」として読み込ませ、そのソースだけをもとに質問へ回答させます。

通常のチャットAIがモデルに組み込まれた学習データをもとに応答するのに対し、NotebookLMはユーザーが用意した資料を参照先とします。
回答には引用が付き、どのソースのどの箇所から言えるかを確認できます。
「参照範囲を自分で決められる」点が、他のチャットAIとの実質的な差です。

notebooklm.google.comからブラウザで利用でき、テーマや案件ごとにノートブックを分けて管理するのが基本的な使い方です2

2. NotebookLMのソース

NotebookLMは、アップロードまたはインポートした「ソース」をもとに回答する仕組みです。

2. NotebookLMのソース

対応形式はPDF、Word、テキスト、Markdown、CSV、Google Docs、Web URLなど多岐にわたりますが、ローカルフォルダを構造ごと読む機能は持っていません。

1ノートブックあたり最大50ソース、1ソースあたり最大50万語、ローカルアップロードは最大200MBという制限があります3
Google Driveからのインポートも、元ファイルを変更しても自動追跡されず、更新のたびに手動で再同期が必要です。
ローカルアップロードやURLは静的コピーとして扱われ、変更後は再アップロードになります。

「フォルダごと入れる」という発想から「何をどのファイルとして入れるか」に切り替えるところが出発点です。

2.1. 「ハルシネーションが少ない」の正確な意味

NotebookLMのメリットとしてよく言われる「ハルシネーションが少ない」という表現は、実態より範囲が広い言い方です。

2.1. 「ハルシネーションが少ない」の正確な意味

NotebookLMも最終的には大規模言語モデルがソースの断片を読んで自然文に再構成しているため、ハルシネーションを根絶できるわけではありません。
この方式はRAG(Retrieval-Augmented Generation:外部資料を検索して回答を生成する方式)と呼ばれます4
ソース内に正しい情報があっても関連箇所をうまく拾えないことがあります。
複数の資料をつなぐとき、時系列や条件の範囲を混ぜてしまうこともあります。
ソースに書いていないことを補完しようとした瞬間に、根拠のない結論が混じります。

実際に変わるのは、回答の情報源となる範囲です。

話題領域を自分で限定できます。
ウェブ全体ではなく自分が用意したソースが参照範囲になるため、答えの方向性がずれにくくなります。

回答には引用が付き、元ソースのどの箇所から言えるかを追えます。
根拠の確認がしやすくなります。

誤りに気づきやすいことも、通常のチャットAIとの実質的な違いです。
「この回答は本当にそのソースから言えるか」を、ユーザー自身が検証できます。

NotebookLMが信頼できる理由は「正しい答えを保証するから」ではなく、「おかしいときに見抜きやすいから」です。

2.2. NotebookLMを「閉じた調査補助」として位置づける

NotebookLMは、大量投入すれば賢くなる道具ではありません。

2.2. NotebookLMを「閉じた調査補助」として位置づける

よく整えた資料セットを読ませると、その範囲に閉じた調査補助がしやすくなります。

整理した資料を入れた後にできることは、ソースに基づく質問応答、引用付きの確認、要約、論点整理、資料間の比較です5
「この仕様に未決事項はどこか」「議事録から次の作業を抽出して」「仕様と実装の説明のズレを探して」といった問いが機能するのは、ソースが絞られているからこそです。

ソースにない情報はNotebookLMは答えられません。
何をソースに入れるかの設計が、そのままノートブックの能力の設計になります。

プロジェクトフォルダとNotebookLMのあいだにCodexを挟む意味は、単なるファイル変換ではなく、「このノートブックで何を答えさせるか」という問いへの答えを先に作ることです。

3. 何を入れるかが品質を決める

50ソースという数字は技術的な上限であり、回答品質にとっての適切な量とは別の話です。

3. 何を入れるかが品質を決める

似た内容のドキュメントが複数あると、モデルはどれを主根拠にすべきか誤りやすくなります。
古い仕様と新しい仕様が混在すれば優先すべきものが曖昧になり、未確定の検討メモが大量にあると確定済みの仕様との区別がつかなくなります。
大量投入はむしろ精度を下げます。

入れるものの基準は「あとから質問したい判断材料」に絞ることです。
コードそのものを大量に入れるより、設計書、仕様、議事録、要件定義、エラー調査ログ、重要な設定の説明を優先した方が、実際に機能するノートブックになります6

3.1. Codexを前処理エージェントとして使う

ローカルのプロジェクトフォルダを整理する役割にはCodexが向いています。

3.1. Codexを前処理エージェントとして使う

CodexはAIがプロジェクトフォルダ内のファイルを読み、変更し、コマンドを実行できる仕組みで、「NotebookLM投入用のファイルセットを作る」というタスクを自然言語で指示できます7

まず除外すべきものを決めます。
.envやAPIキー、キャッシュ、ビルド成果物、巨大ログ、個人情報を含むファイルは外します。
残すのはREADME、仕様書、議事録、Markdown、PDF、CSVなどテキストとして読める資料です。

取り掛かりとして、Codexにmanifest.csvを作らせる方法があります。
プロジェクトフォルダのファイル一覧、用途、重要度、NotebookLMへの投入可否、除外理由を列挙させます。
それを見ながら投入すべき資料を絞り込み、テーマ別にまとめたMarkdownに仕上げてNotebookLMに入れる流れです。

Google Drive経由の連携も選択肢に入ります。
Drive MCPというAIエージェントがDrive内のファイルを検索・取得・作成できる仕組みが公開されていますが、現時点ではDeveloper Previewの扱いで、CodexとのMCP連携は認証まわりの検証が必要です8

  1. 2023年7月に実験的サービスとして発表され、2024年6月に200以上の国・地域で一般公開された。GoogleのGeminiを搭載している – Google、「NotebookLM」の有料プラン追加 「音声概要」での会話機能も
  2. 個人向け無料版のほか、有料の「NotebookLM in Pro」がある。無料版はソース50個・チャット1日50回という制限があり、有料版はソース300個・チャット1日500回まで拡張される – NotebookLMは無料でどこまで使える?2026年最新の制限と有料プランが必要なケースを解説
  3. Googleの公式ヘルプページに明記された数値 – ノートブックの新しいソースを追加または検索する – NotebookLM ヘルプ
  4. RAGの概念は2020年にFacebook AI(現Meta AI)の研究者が提案したもの。大規模言語モデルと外部知識データベースを組み合わせることで、質問応答の精度が向上することを示した – RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは?最新情報と活用事例を解説
  5. 質疑応答のほか「Studio」機能を使うと、読み込んだ資料をもとに音声概要(ポッドキャスト形式)、動画概要、スライド、マインドマップなども生成できる – 【NotebookLM 活用ガイド】情報整理から資料作成までこれ1つで効率化
  6. NotebookLMへの入力データはGeminiの基盤モデルのトレーニングには使用されないとGoogleは明示している(個人ユーザーがフィードバックを共有した場合を除く) – Google NotebookLM | AIリサーチツール&思考パートナー
  7. Codexは2025年4月にOpenAIがリリースした自律型コーディングエージェント。CLI・デスクトップアプリ・ChatGPTウェブの3形態で利用できる。2023年3月に廃止されたGPT-3ベースの旧Codex APIとは別のツール – Codex が登場 | OpenAI
  8. Drive MCPはGoogle Workspace Developer Preview Programの一環として提供されている。Gmail・Calendar・ChatなどほかのWorkspaceサービス向けのMCPサーバーも同様にDeveloper Preview中 – Configure the Drive MCP server | Google for Developers