【メモリ増設の罠】
DDR3とDDR4、切り欠き一つで
挿さらなかった

  • ノートPCのメモリを8GBに増設しようとしたら、買ったメモリが規格違いで刺さらなかった経験を書きます。
  • DDR(Double Data Rate:倍速転送)がなぜこの名前で呼ばれるのか、世代がなぜ上がってきたのかを掘り下げます。
  • DDR3とDDR4は容量が同じでも電圧やピン数が違い、物理的に互換性がありません。
  • 買ってしまったメモリは無駄にせず、別のノートPCへ転用しました。
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    <!-- メモリモジュール本体 -->
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    <!-- モジュール側のピン列(ノッチで途切れる) -->
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    <!-- ソケット側バー(ノッチの突起位置がずれている) -->
    <rect x="28" y="106" width="136" height="14" rx="3" ry="3" fill="#90A4AE"/>
    <rect x="88" y="106" width="12" height="14" fill="white"/>

    <!-- 不一致を示すブロックアイコン -->
    <g transform="translate(128,30)">
      <circle cx="18" cy="18" r="18" fill="#E53935"/>
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    </g>
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1. 買ったメモリが刺さらなかった

1. 買ったメモリが刺さらなかった

最近、古いノートPCのメモリ増設に手を出しています。 Fujitsu LIFEBOOK AH50/Xを4GBから8GBにするつもりで、Amazonで4GBのメモリを一枚買いました。 届いた箱を開けて本体のメモリスロットを見比べると、切り欠きの位置がどうも合いません。

写真を並べて確認すると、外したメモリはSamsungのDDR3L、本体側のラベルにはDDR4と書かれていました。 容量は同じ4GBなのに、規格が違う。 DDR3とDDR4は世代そのものが違うので、差し込むことすらできませんでした1

2. DDRとは何なのか

2. DDRとは何なのか

そもそもDDRとは何なのでしょうか。 それ以前のSDRAM(Synchronous DRAM:同期式DRAM)は、クロック信号の立ち上がりのタイミングだけでデータをやり取りしていました。 DDRは、立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを送ることで、同じクロック周波数でも転送量を倍にした規格です2

一回のクロックで二回分のデータを運ぶ。 名前のとおりの仕組みです。

2.1. なぜ世代が上がるのか

2.1. なぜ世代が上がるのか

DDRはDDR2、DDR3、DDR4と世代を重ねてきました。 世代が上がるたびに、動作電圧は下がり、転送速度は上がっています。 DDR3の標準電圧は1.5V、低電圧版のDDR3Lは1.35V3、DDR4になると1.2Vまで下がりました4

電圧が下がれば発熱も減り、ノートPCのバッテリー持ちにも効いてきます。 半導体の微細化が進んだ結果、同じ動作でも必要な電力が小さくて済むようになった。 世代交代の理由は、速さだけでなく省電力にもあります。

3. DDR3とDDR4は何が違うのか

今回つまずいたDDR3とDDR4に絞って比較します。 DDR3は2007年ごろに登場した規格で5、PC3-12800のような型番で呼ばれます。 ノートPC用のSO-DIMM(Small Outline Dual Inline Memory Module:小型のメモリモジュール)は204ピン、標準電圧1.5Vです6

DDR4は2014年ごろに登場し7、260ピンのSO-DIMMになりました。 電圧は1.2V、動作速度もDDR3より高くなっています8。 今回買ってしまったのはDDR3L、PC3L-12800Sという型番のメモリでした。

3.1. 切り欠き一つで判別できる

DDR3とDDR4は、モジュールの端にある切り欠き、ノッチの位置が違います。 このノッチはスロット側の突起と噛み合う仕組みで、違う規格のメモリを間違って挿し込めないようにするための設計です9。 写真を見比べたときに刺さらなかったのは、まさにこのノッチのおかげでした。

規格の違うメモリを無理やり挿してしまう事故を、設計の段階で防いでいる。 物理的な安全装置と言えます。

4. 余ったメモリをサーバー機に転用した

4. 余ったメモリをサーバー機に転用した

買ってしまったDDR3Lメモリを、そのまま余らせるのはもったいない。 手元にあった別のノートPC、Fujitsu LIFEBOOK AH45/Kに目を向けました。 この機種はDDR3世代のメモリを使っていて、規格が一致します。

AH45/Kは普段サーバーとして稼働させているサブ機です。 表舞台には出ませんが、地味に動き続けている機体。 そこに買ってしまった4GBを足すことで、無駄にせず活用できました。

5. DDR4を買い直すことにした

肝心のAH50/Xの8GB化は、まだ終わっていません。 規格の合うDDR4のSO-DIMMを、あらためて別途購入することにしました。 今度は容量だけでなく、規格の表記をしっかり確認してからの注文です。

メモリを一枚買うだけのつもりが、DDRの成り立ちまで調べることになりました。 規格の違いにつまずくと、思わぬところまで潜れるものです。

  1. SO-DIMMは200ピン以上のモジュールでDDRの世代ごとに切り欠きの位置が異なり、物理的に刺さらないよう設計されている。 – SO-DIMM – Wikipedia
  2. DDR SDRAMは、クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方を使うことで、片エッジのみ使用するSDRAMの倍速でデータを転送する規格である。 – DDR SDRAM – Wikipedia
  3. 動作電源電圧は、DDR SDRAMの2.5V/2.6V、DDR2 SDRAMの1.8Vに対し、DDR3 SDRAMは1.5V、DDR3L SDRAMは1.35V動作となっている。 – DDR3 SDRAM – Wikipedia
  4. DDR4は1.2Vで動作する。 – DDR4 SDRAM – Wikipedia
  5. DDR3 SDRAMは2005年に策定され、2007年から市場に出回り始めた。 – DDR3 SDRAM – Wikipedia
  6. SO-DIMMには72ピン、100ピン、144ピン、200ピン、204ピン、260ピンのモジュールが用意されており、ノートパソコンや省スペースパソコンで主に使用される。 – SO-DIMM – Wikipedia
  7. DDR4 SDRAMは、パソコンやサーバーでは2014年から使われている。 – DDR4 SDRAM – Wikipedia
  8. DDR4はバンクグループを用いることで、DDR3の2倍の転送速度を実現している。 – DDR4 SDRAM – Wikipedia
  9. 200ピン以上のSO-DIMMは、DDRの各世代を区別するために切り欠きの位置が異なっており、世代間に互換性がないため誤使用を防ぐ目的でこの差異がつけられている。 – SO-DIMM – Wikipedia