Claudeアプリの右メニューを整理する

  • Claudeデスクトップアプリのサイドバーは2枚あり、ウィンドウ左上のアイコンでチャット側とコード側が入れ替わる
  • アーティファクト、ディスパッチ、カスタマイズは両方に出る共通の項目で、予定済みはチャット側、ルーティンはコード側にしかない
  • 定時に動く機能が2つあるのは、片方が日常業務、もう片方がコードの当番として作られているから
  • ディスパッチはスマホからの指示で手元のパソコンを動かす仕組みなので、パソコンが眠ると止まる

久しぶりにClaudeのデスクトップアプリをまじまじと眺めたら、左のメニューが知らない項目で埋まっていました。
アーティファクト、ルーティン、ディスパッチ、カスタマイズ。
どれも、これまで使ってきた「新しいチャット」とは違う顔をしています。

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Claudeアプリの右メニューを整理する

しばらく行ったり来たりして、ようやく気づいたことがあります。
メニューは1枚ではなく、2枚あった。
ウィンドウ左上に吹き出しのアイコンと </> のアイコンが並んでいて、押すとサイドバーごと中身が入れ替わります。

吹き出し側はプロジェクト、アーティファクト、予定済み、ディスパッチ、カスタマイズ。
</> 側はアーティファクト、ルーティン、ディスパッチ、カスタマイズ、もっと見る。
共通しているのは3つで、片方にしかないのがプロジェクトと予定済み、それにルーティンです。

下半分のリストも一緒に入れ替わります。
吹き出し側は会話のタイトルがずらりと並び、</> 側はフォルダ名ごとにセッションがぶら下がる。
同じアプリの中に、話す場所と作業する場所が同居しているわけです。

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1. アーティファクトは、作ったものが残る棚

1. アーティファクトは、作ったものが残る棚

アーティファクトは、会話の中でClaudeが作った成果物を、会話とは別の枠に切り出したものです1
対象になるのは、コード、HTMLのページ、図、Markdownの文書あたり。
会話の中に埋もれていると探せなくなるものを、外に出しておく場所だと考えると分かりやすいです。

一覧を開いたら、別々の会話で作ったものが3つ並んでいました。
どのカードにも「12時間前に編集済み」「一昨日に編集済み」「先週に編集済み」と添えられている。
作った日ではなく、最後に触った日で並んでいることが分かります。

ここで一つ引っかかりました。
会話の中で作ったアーティファクトが、全部この一覧に出てくるわけではないのです。
一覧に載せるには、アーティファクトを開いて公開の操作をする必要があります2

3つとも、更新日の左に鍵のアイコンが付いていました。
公開といっても、まず自分だけに見える状態で棚に並ぶという意味です3
一覧の上には「すべて」「自分のもの」「共有済み」というタブがあって、他人から共有されたものも同じ棚に集まる作りになっています。

2. 定時に動く機能が、チャット側とコード側に1つずつある

サイドバーを見比べていて、いちばん納得がいかなかったのがここでした。
チャット側には「予定済み」があり、コード側には「ルーティン」がある。
説明文を読む限り、どちらも決めた時刻に決めた仕事をさせる機能です。

なぜ2つあるのか。
テンプレートの顔ぶれを並べてみたら、狙っている相手がまるで違いました。

2.1. 予定済みはクラウドで走り、一部だけパソコンを起こす

2.1. 予定済みはクラウドで走り、一部だけパソコンを起こす

予定済みの画面には、こう書かれています。
「クラウドでスケジュールされたタスクを実行します。タスクを作成して、スマートフォンまたはブラウザから確認できます。一部のタスクはコンピューターの起動が必要です。」

用意されているテンプレートは、デイリーブリーフィング、受信トレイの仕分け、ミーティング準備、週次レビュー、コンテンツのアイデア、トピックをモニタリングする、の6つ。
時刻は平日8時、金曜16時、月曜9時。
出社してメールを開く前と、週の終わりに振り返る時間に合わせてあります。

引っかかるのは「一部のタスクはコンピューターの起動が必要です」のほうです。
通常はAnthropic側のサーバーで走るので、パソコンが寝ていても閉じていても実行されます4
ただし、手元のフォルダにあるファイルを触るタスクだけは話が別で、パソコンの中で動かすしかない5

2.2. ルーティンは起動のきっかけを3つ持てる

2.2. ルーティンは起動のきっかけを3つ持てる

ルーティンの画面の説明はこうでした。
「スケジュール、API、または Webhook で起動できるテンプレート化されたルーティンを作成します。」

時計だけではないのがルーティンの特徴です。
外部のシステムから決められた宛先にリクエストを送って走らせることもできるし、GitHubで何かが起きた瞬間に走らせることもできます6
たとえば監視ツールがエラーの閾値を越えたときに呼び出す、という使い方が想定されています。

テンプレートは8つ並んでいました。
Briefing、Email triage、System health check、Issue triage、PR review digest、Dependency update check、Release notes drafter、Flaky test tracker。
連携先としてPagerDuty、Datadog、Sentry、Linearの名前が出てくるあたりで、これは開発現場の当番表だなと分かります。

面白いのは、8つのうちRelease notes drafterだけ時刻が書かれていないことです。
そこには「pull request closedによってトリガーされ…」と入っていました。
時計ではなく出来事で動くタイプが、テンプレートの中にちゃんと混ざっている。

実行される時刻も予定済みとはずいぶん違います。
平日の21:30 JST、火曜から土曜までの0:00 JST、毎週火曜日の1:00 JST。
日本時間で見ると深夜ばかりですが、これは向こうの朝に合わせた時刻を機械的に変換した結果でしょう。

なおルーティンは、ノートパソコンを閉じても走り続けるようにAnthropicのクラウド側で実行されます7
最短の間隔は1時間。
1分おきに見張らせる、という使い方はできません。

3. ディスパッチは、スマホと手元のパソコンをつなぐ回線

ディスパッチには「ベータ」のバッジが付いています。
最初に開いた画面には、スマホとノートパソコンが赤い曲線で結ばれたイラストと、「どこからでも、ひとつの会話」という見出しが出ていました。
「スマートフォンを連携する」を押すとQRコードが表示され、スマホのClaudeアプリで読み取ってペアリングが完了します。

3.1. スマホから「何ができるの」と聞いてみた

ペアリングが済むと、スマホ側にDispatchのタブが増えて、オンラインの表示が出ます。
そこで「スマホでは何ができるの?」と送ってみました。

返ってきた答えの冒頭がこれです。
「スマホからは、私に指示を出して、あなたのMacの中で作業を進めさせられます。手元にパソコンがなくても、外出先から『ダウンロードフォルダを整理して』『あの記事の続きを書いて』と送れば、Mac側で私が動きます。」

続けて、できることの例が並びました。
フォルダの中身を調べる、ファイルを作る、記事や資料を書く、ブラウザでサイトを見て情報をまとめる、コードを直してテストを走らせる。
できあがったファイルは、スマホ側にダウンロードカードとして届くそうです。

つまりディスパッチは、AIそのものではなく、スマホと自宅のパソコンをつなぐ回線のほうです。
働いているのは向こうにいる自分のMacで、スマホはそれを呼び出す受話器にあたる8

3.2. 許可が5つに分かれている

セットアップの画面には「指示の準備」という見出しで、スイッチが5つ並んでいました。
ファイルへのアクセス、このコンピュータをスリープさせない、Claude in Chromeへのサインイン、このコンピューター上のアプリを使用できるようにする、コネクタ。
私の環境では、ファイルアクセスとコネクタだけがオンでした。

この並びを見ると、ディスパッチが何をする気なのかがそのまま読めます。
ファイルを読み書きし、ブラウザを開いてサイトを見て9、必要ならアプリをクリックして操作する。
外部サービスへの接続はコネクタが担当します10

「このコンピュータをスリープさせない」が権限として並んでいるのが、いちばん正直なところです。
説明には「Dispatch実行中のスリープを防止します」と書いてあります。
クラウドで走っているならスリープなど関係ないわけで、これが手元のMacで動いている何よりの証拠。

ペアリング画面の下には、小さな文字で警告も添えられていました。
「Claudeは、スマートフォンから送信されたタスクを完了するために、デスクトップ(ファイル、アプリ、ブラウザ)にアクセスします。これにはセキュリティリスクが伴う可能性があります。所有し信頼できるデバイスのみをペアリングしてください。」
出先から一言送るだけで自宅のパソコンが開くというのは、便利さと危うさが同じ場所にあるということです11

4. カスタマイズは、自分の型をClaudeに覚えさせる場所

4. カスタマイズは、自分の型をClaudeに覚えさせる場所

カスタマイズには、スキル、コネクタ、プラグインの3つのタブがあります。
このうちスキルは、特定の仕事のやり方を書いた説明書をフォルダにまとめて、Claudeに読ませておくものです12
毎回同じ注文を書かなくて済むようにするための置き場、と言ってもいいです。

私の一覧には7つ並んでいました。
Anthropicが用意したものが3つと、自分で作ったものが4つ。
自作のほうは、作業ログから日報の下書きを作るもの、記事の文体を決めるもの、講座の構成を組み立てるもの、といった具合です。

一覧の右端に「無効」というラベルが付いたものが1つありました。
そのスキルは今オフになっていて、Claudeの候補から外れています13
似た役割のスキルが2つあると混ざるので、片方を寝かせてある状態です。

呼び出し方が独特で、こちらが指名しなくても構いません。
それぞれのスキルには「どういうときに使うか」の説明文が付いていて、Claudeが会話の内容と照らして自分で選びます14
だから説明文の書き方が、そのままスキルの当たり外れになる。
実際この記事も、「記事を書いて」と頼んだ時点で自作の文体スキルが勝手に選ばれて、そのルールに沿って書かれています。

こうして4つ並べてみると、どれも会話の外側に何かを置くための場所でした。
アーティファクトには成果物を、予定済みとルーティンには時間を、ディスパッチには場所を、カスタマイズには自分のやり方を。
チャット欄だけを見ていたときには、そもそもこういう置き場があること自体が視界に入っていませんでした。

スマホのメニューには、すでに「Cowork」が新規として並んでいます。
たぶん来月にはまた項目が増えていて、同じことをやる羽目になるのでしょう。
それでも、一度自分で並べ直してみると、次に増えたものがどこに属するかは見当がつくようになります。

  1. Anthropicは、アーティファクトを「会話とは別の専用ウィンドウで、まとまった自己完結した内容を共有する場所」と説明しています。おおむね15行を超える、それ単体で意味を持つ内容が対象になります。 – What are artifacts and how do I use them?
  2. 会話中に生成されたアーティファクトは自動ではアーティファクトのセクションに追加されず、開いてPublishを押して初めて一覧に載ります。永続的な保存はPro、Max、Team、Enterpriseの各プランで利用できます。 – What are artifacts and how do I use them?
  3. 新しいアーティファクトは最初あなただけに表示され、共有するにはブラウザで開いてページヘッダーのShareコントロールを使います。Team・Enterpriseプランでは公開共有が既定でオフになっています。 – Publish and share artifacts
  4. 公式ヘルプは「スケジュールされたタスクはリモートで実行されるため、コンピューターがスリープしていてもClaudeデスクトップアプリが閉じていても、決めた間隔で実行されます」と説明しています。 – Schedule recurring tasks in Claude Cowork
  5. スケジュールされたタスクが扱えるのはコネクタとClaudeアカウントに保存されたファイルで、パソコン上のフォルダには結び付けられません。ローカルのファイルやアプリが必要なタスクは、リモートではなくローカルでのみ実行されます。 – Schedule recurring tasks in Claude Cowork
  6. 公式ドキュメントは、ルーティンのトリガーを3種類挙げています。定期実行のスケジュール、ベアラートークン付きのHTTP POSTで任意のタイミングに起動するAPI、そしてプルリクエストやリリースといったリポジトリのイベントに反応するGitHub。1つのルーティンに複数のトリガーを組み合わせられます。 – Automate work with routines
  7. ルーティンはAnthropicが管理するクラウドインフラ、または組織のセルフホスト環境で実行されるため、ノートパソコンを閉じても動き続けます。定期実行の最短間隔は1時間で、それより短い間隔の指定は拒否されます。 – Automate work with routines
  8. Anthropicは、Dispatchの利用にPro/Maxプランと、デスクトップアプリとモバイルアプリの両方を要求しています。「Dispatchはデスクトップ上のローカルファイルとアプリを扱うため、Claudeが作業している間、コンピューターは起きていてアプリが開いている必要があります」と明記されています。 – Assign tasks from anywhere in Claude Cowork
  9. Claude in Chromeは、Claudeがページを読み、クリックし、サイトの中を移動できるようにするブラウザ拡張機能です。ChromeとMicrosoft Edgeに対応し、有料プラン全般で使えます。 – Get started with Claude in Chrome
  10. コネクタはMCP(Model Context Protocol:モデルコンテキストプロトコル)という共通規格の上に載っていて、SlackやGoogle Driveのような外部サービスをClaudeから読み書きできるようにします。MCP自体は2024年にAnthropicがオープンな標準として公開したものです。 – Introducing the Model Context Protocol
  11. Anthropicは、Claudeにパソコンを操作させる機能について、機微なデータを扱うアプリケーションと並行して使わないよう勧めています。Dispatchは2026年3月17日にリサーチプレビューとして公開されました。 – Anthropic Update Lets You Control Claude Cowork With Your Phone
  12. Agent Skills(エージェントスキル)は、SKILL.mdというファイルを含むフォルダで、手順・スクリプト・参考資料をまとめたものです。エージェントが必要に応じて動的に読み込み、特定の作業でより良く振る舞えるようにします。 – Equipping agents for the real world with Agent Skills
  13. スキルはカスタマイズ画面のスキルタブで個別にオンオフでき、無効にしたスキルはClaudeから使えなくなります。Team・Enterpriseでは組織設定から全員に配布することもできます。 – Use skills in Claude
  14. 公式ヘルプは「Claudeは関連するときに自動的にこれらを使います。明示的に呼び出す必要はなく、リクエストに応じてどのスキルが必要かをClaudeが判断します」と説明しています。確実に発動させたい場合は、説明文に発動条件をはっきり書くよう勧められています。 – Use skills in Claude