- ドコモ留守電アプリで「Wi-Fiをオフにしてください」と出るのは、モバイル回線を通ってきた通信そのものが契約者の身分証になっているからです。
- スマートフォンの留守番電話は二種類あります。端末の中に録音する伝言メモと、ネットワークのセンターが預かる留守番電話サービス。
- 4桁のネットワーク暗証番号は、回線で特定した端末の上に「使っているのは契約者本人か」を重ねる確認です。
- 留守電が届かない原因には、認証以外にAndroidのアプリ制限もあります。
1. 「本人確認が必要です」と出たら、Wi-Fiを一度切る
「留守番電話が聞けない」という相談がありました。 アプリを開くと、緑の画面に「ドコモ留守電アプリをご利用いただくには、本人確認が必要です」と出て、そこから先に進めない状態。

よく読むと、Wi-Fiをオフにしてから「OK」を押してください、と書いてあります。相談を受けたのはAQUOSのAndroidスマートフォンでした。 家の中では、Wi-Fiにつながっていました。

そこで、画面の指示どおり、いったんWi-Fiをオフにしてから「OK」をタップしました1。
すると、ネットワーク暗証番号の入力画面が出ます。 契約したときに決めた4桁の数字です。 これを入れると、ログインする携帯電話番号の確認画面に進み、そのまま留守番電話が聞けるようになりました。
Wi-Fiは、認証が終わったら戻して構いません。 アプリの画面にも、一度ログインしたあとはWi-Fiオンでも使えて、一定期間は再ログインが不要になると書かれています。 つまり、Wi-Fiを切る必要があるのは最初の一瞬だけ。
2. 留守番電話は、端末の中とネットワークの上に二つある
そもそも、スマートフォンで「留守電」と呼ばれているものは一つではありません。 録音する場所が違う二つの機能が、同じ名前で並んでいます。

2.1. 伝言メモは電源が入っているときだけ働く
AQUOSには、簡易留守録や伝言メモと呼ばれる機能があります。 シャープが自社のアプリとして載せているもので、機種によって「簡易留守録」「通話音声・伝言メモ」など名前が変わります2。 Google PixelやiPhoneには、これに相当する機能がありません。
伝言メモは、電話に出られないときに端末自身が応答して、本体に録音します。 録音データは手元にあるので、あとから何度でも聞けますし、保存期間の制限もありません。 その代わり、電源が切れていたり圏外だったりすると、端末が応答できないので録音もされない3。
マナーモードのときだけ動かす設定もあります。 会議中や診察中に自動で切り替わるので、この使い方は便利です。
2.2. 留守番電話サービスはセンターが預かる
もう一つが、ドコモの留守番電話サービスです。 こちらは端末ではなく、ネットワーク側の留守番電話サービスセンターがメッセージを預かります。 申込みが必要な有料オプションで、月額330円。
預かれるのは1件あたり最長3分、最大20件で、保存期間は72時間です4。 端末の電源が入っていなくても、圏外にいても録音されるのは、応答しているのがセンターだから。 昔ながらの聞き方は、1417に発信して音声ガイダンスに従う方法でした。
今回のドコモ留守電アプリは、この留守番電話サービスを聞くための手段です。 センターに届いたメッセージを自動で端末にダウンロードして、一覧から好きな順番で再生できます。 テキストに変換して読める「みえる留守電」も、このアプリの機能です。
iPhoneでは、アプリではなく電話アプリの中の「留守番電話」タブが同じ役割を持っています。 ビジュアルボイスメールという名前で、契約している留守番電話サービスのメッセージが自動で降りてくる仕組み5。 入口の見た目が違うだけで、預かっているのは同じセンターです。
3. Wi-Fiを切ると本人確認できる理由(回線認証)
では、本人確認をするのに、なぜネットワークの種類が関係するのでしょうか。

3.1. 回線そのものが身分証になっている
ドコモのスマートフォンがモバイル通信をするとき、通信はspモードなどのインターネット接続サービスを経由してドコモの網を通ります6。 このとき、どのSIMの、どの契約回線から出た通信なのかを、網の側は知っています。 電話番号を名乗らせなくても、通ってきた経路そのものが「この人はこの契約者です」と示している状態です。
Wi-Fiにつないでいると、この前提が崩れます。 通信は自宅の光回線からインターネットへ出ていくので、ドコモから見れば「どこかの家庭回線から来たアクセス」でしかない。 スマートフォンの中にドコモのSIMが入っていても、その情報は通信経路に乗ってこないわけです。
これは留守電アプリに限った話ではありません。 d払いアプリやdアカウント設定アプリでも、同じように「Wi-Fiをオフにしてモバイル回線に切り替えてください」と案内されます7。 ドコモの一連のサービスが共通して使っている、回線認証という仕組みです。
3.2. 4桁の暗証番号は「人」を確かめる
では、回線で契約者が分かるなら、暗証番号はなぜ要るのか。 回線が示しているのは、あくまで「この端末はこの契約の回線を使っている」ということだけだからです。 端末を誰が触っているかまでは分かりません。
ネットワーク暗証番号は、ドコモを契約したときに本人が決めた4桁の数字です。 ドコモショップやオンライン手続きで契約者本人を確認するときや、オプションサービスの設定を変えるときに使われます8。 留守電の中身は他人に聞かれたくない情報なので、ここで一枚挟むわけです。
回線で端末を特定して、暗証番号で人を確認する。 二つを重ねているので、片方だけでは通りません。
厄介なのは、この4桁を覚えていない人が少なくないことです。 連続して間違えるとロックがかかりますが、原則として翌日の0時になれば自動で解除されます9。 番号自体を忘れてしまった場合は、本人確認書類を持ってドコモショップで再設定するか、インフォメーションセンターに電話して郵送で知らせてもらう流れになります。 郵送は数日かかるので、急ぐなら店舗のほうが早い。
4. 留守電が届かなくなるもうひとつの原因
認証を通したあとも、留守電の通知が来なくなることがあります。 原因のひとつが、Androidのアプリ制限です。 Android 12以降では、使用頻度の低いアプリにOSが自動で制限をかけるため、留守電アプリがバックグラウンドで動けなくなる。

ドコモも、これはアプリの不具合ではなくOSの動作です10。 端末を再起動したうえで、設定アプリから「使用されていないアプリ」に関する制限を解除しておく必要があります。 留守電のように、月に数回しか開かないアプリはこの制限に引っかかりやすいのが困ったところです。
ダウンロードに失敗しても、伝言が録音されたこと自体はSMSで通知が届きます。 ただ、センター側のメッセージは録音完了から72時間で順に消えていきます11。 アプリに降りてこないまま3日放置すると、聞けないまま消える。
もう一点、FOMA向けの留守番電話サービスは2026年3月31日で終了しました12。 古いケータイを使い続けている家族がいる場合、留守番電話は4Gや5Gの端末に変えないと使えません。
留守番電話が聞けないという相談は、たいてい「アプリが壊れた」という形で持ち込まれます。 実際には、家でWi-Fiを使っているという当たり前の状態が、たまたま認証の邪魔をしていただけでした。 通信経路が身分証を兼ねているという設計を知っていると、この手の画面に驚かなくなります。
- ドコモの公式手順でも、利用開始の第5手順として「本人確認が必要になりますので、Wi-Fiをオフにしてから「OK」ボタンをクリックしてください」と案内され、次の手順でネットワーク暗証番号を入力する流れになっています。 – 操作・設定方法 | ドコモ留守電アプリ(ドコモ スマートフォン)
- 同じアプリがインストールされた機種に応じて「簡易留守録」「通話音声・伝言メモ」「伝言アシスタント」「電話アシスタント」のいずれかの名前になると説明されています。近年の機種では、録音内容を文字に書き起こす機能も追加されています。 – 無料で使えるシャープの留守番電話録音アプリ – Google Play
- シャープのサポートも、簡易留守録は携帯電話機本体でメッセージを預かる機能なので電源が入っていない場合や圏外では利用できず、留守番電話サービスはセンターで預かる点が違うと説明しています。 – 【AQUOS sense9】電話に出られないとき、相手の用件を録音できますか?
- 留守番電話サービスは申込みが必要な月額330円のオプションで、伝言は1件あたり最長3分、最大20件、72時間保存されます。 – 留守番電話サービス | サービス | NTTドコモ
- ビジュアルボイスメールの利用には、留守番電話サービスに加えてspモードなどのインターネット接続サービスの契約が必要です。一度ダウンロードした伝言は何度でも再生でき、再生に通話料はかかりません。 – ビジュアルボイスメール(iPhone) | 留守番電話サービス
- spモードは2010年に始まったドコモのスマートフォン向け接続サービスで、@docomo.ne.jpのメールやコンテンツ決済もこの接続を前提にしています。留守電アプリのメッセージダウンロード機能の開始と停止も、Wi-Fiではなくこの接続が必要です。 – spモード | サービス | NTTドコモ
- dアカウント設定アプリの手順にも、Wi-Fiで利用中の場合は5Gや4Gなどのモバイル回線接続に切り替える必要があると書かれています。d払いのヘルプも同じ趣旨の案内です。 – ご利用中のdアカウントをアプリに設定(ログイン) | dアカウント
- ネットワーク暗証番号は契約時に契約者自身が設定した4桁の数字で、本人確認や各種設定変更の場面で必要になります。spモードパスワードやdアカウントのパスワードとは別のものです。 – ネットワーク暗証番号 | お客さまサポート | NTTドコモ
- ロックは原則として翌日0時に手続きなしで解除されます。本人確認書類を持ってドコモショップに行けばその場で確認や再設定ができ、インフォメーションセンターに電話した場合は郵送での連絡になります。 – ドコモが「オンライン手続き」のログイン方法を変更
- ドコモの注意事項には、Android 12の機種でドコモ留守電アプリの使用頻度が低い場合にOSから制限がかかること、端末を再起動したうえで設定アプリから通信制限を解除するよう記載されています。 – ご注意事項 | ドコモ留守電アプリ(ドコモ スマートフォン)
- 圏外などでアプリに音声ファイルをダウンロードできなかった場合でも、センターの伝言は録音完了から72時間で順次消去されます。アプリ側で伝言を削除しても、センター側は消えません。 – ご注意事項 | ドコモ留守電アプリ(ドコモ スマートフォン)
- FOMA向けの留守番電話サービス終了にともない、センターに預けられていた伝言メッセージも再生や保存、消去ができなくなりました。継続して使うには4Gや5G対応のプランと端末への変更が必要です。 – 留守番電話サービス | サービス | NTTドコモ