- Claudeに新しいモデル Fable 5.1 が出ました。ただしProプランでは、月額の中で使えるモデルではありません。
- 登場の告知にある「試す」を押すと、モデルではなく利用クレジットの購入画面が開きます。50ドルから1,000ドルまで。
- Fableだけがプランの外に置かれているのは、単価がOpus 5の2倍だからです。Maxプランなら週の上限の半分まで含まれます。
- 日本で買ったクレジットには、2026年9月10日から6か月の期限が付きました。
1. 「Fable 5.1を試す」を押したら、金額が並んだ
朝、Claudeのデスクトップアプリを開いたら、真ん中にダイアログが出ていました。
NEWのラベルと、Claude Fable 5.1 が登場しました、の見出し1。
右半分には枝にとまった鳥の写真。

見出しのすぐ下に、本文より小さい字でこう書いてあります。
Fable モデルは Pro プランで使用クレジットが必要です。Fable 5.1 は Opus 5 よりも使用量の消費が速くなります。
その但し書きを読み飛ばして、「Fable 5.1 を試す」を押しました。
出てきたのは、Fableの使用を継続するには、利用クレジットを購入してください、という画面です。



50ドル、100ドル、250ドル、1,000ドル。
まとめて買うほど割引が増えて、1,000ドルなら30%お得と書いてある。
使用クレジットはプランとは別に請求されます、とも2。
新しいモデルの紹介だと思って押したボタンが、そのまま決済の入口でした。
月額を払っているのに、押した先でまた金額を選んでいる3。
1.1. 日本では6か月で消える
金額の並びの下に、案内の行が挟まっています。
利用クレジットは6ヶ月間有効です。
これは日本にいるから出てくる行です。
Anthropicのヘルプでは、使用クレジットは原則として失効しないとしたうえで、日本など一部の地域では2026年9月10日から購入後6か月で失効する、と書き分けられています4。
前払いで預かったお金が期限なしに残ると、日本では前払式支払手段として、未使用の残高に応じた供託の義務がかかります。
有効期間が6か月と明記されていれば、法の適用対象から外れる5。
Anthropicがそう説明しているわけではありませんが、この線引きに揃えたのだと思います。
100ドルぶんを買って、半年で使い切れるかどうか。
月額とは別に、そういう見積もりが要るようになりました。
2. Fableだけがプランの外にいる
モデル選択のメニューを開くと、並びのいちばん上にFable 5.1があります。
名前の横には「使用クレジットが必要です」の札。
その下のOpus 5、Sonnet 5、Haiku 4.5には、札が付いていません。
メニューの末尾にも一行あります。
Fable 5.1 は Max プランに含まれており、Pro では使用クレジットでご利用いただけます。
スマホのアプリを開いても、同じ並びと同じ一行が出ます6。
2.1. 7月に、Proの手が届かないところへ移った
この分け方になったのは9月ではありません。
先代のFable 5がClaudeの各プランに組み込まれた2026年7月20日から、すでにこの形です7。
MaxとTeam、Enterpriseの上位席では、Fableはプランに含まれています。
週の使用量上限の50%まではFableに使ってよい、という決め方8。
残りの半分は他のモデルのために取ってある、と読めます。
ProとTeamの標準席では、Fableはプラン内の上限を減らしません。
その代わり、最初から使用クレジット、つまり開発者向けのAPIと同じ従量課金になります。
移行のとき、対象のProには一度きりで100ドルぶんのクレジットが配られました9。
2.2. 「使用量の消費が速くなります」の中身
告知にあった一文は、単価の話です。
料金はトークン(token:語や文字を細かく切ったかたまり)という単位で数えます。
日本語なら1文字が1つか2つ、といったところ。
Fable 5.1は入力が100万トークンあたり10ドル、出力が50ドル10。
Opus 5は入力5ドル、出力25ドルです。
ちょうど倍。
同じ長さの会話をしても、目減りする速さが倍になります。
Sonnet 5は入力2ドル、出力10ドル。Haiku 4.5はさらに下11。
名前が上に行くほど高いという、素直な並びになっています。
メニューにはエフォートという段階も並んでいて、こちらは同じモデルにどれだけ考えさせるかのつまみです。
深く考えさせるほど内部で書く量が増えるので、消費も増える。
Fable 5.1は低いエフォートでも先代と同等以上、というのがAnthropicの説明です12。
3. 5.1が持ち込んだ値下げは、キャッシュのほうだった
Fable 5.1の入力と出力の単価は、先代のFable 5と変わっていません。
下がったのはキャッシュの読み取りで、100万トークンあたり1ドルから0.25ドルへ13。
キャッシュは、同じ前置きを何度も送るときのための仕組みです。
長い指示書や資料をつけたまま会話を続けると、毎回そのぶんを読み直すことになる。
一度預けておいて、2回目からは安く読み出す。
他のモデルではキャッシュの読み取りが入力単価の10%ですが、Fable 5.1は2.5%です14。
ふつうの使い方でおよそ25%、道具を何度も呼び出すような仕事なら最大45%安くなる、とAnthropicは書いています15。
長く回すほど効く値下げなので、一往復で終わるチャットにはほとんど関係がない。
Fableが誰に向けたモデルなのかが、値付けにそのまま出ています。
3.1. 告知に並んでいた3行
ダイアログには、性能の説明が3つ並んでいました。
依頼内容に忠実に従い、不明な点は確認します。
完成したスプレッドシートを作成し、各数値を確認しながら進めます。
出典を明示し、確実な情報と推定を区別します。
ベンチマークの数字ではなく、こういう書き方で並べてくるのが面白いところです。
同じモデルについて、開発者向けの文書には別の一覧が載っています。
先代から変わった点として挙がっているのは、エフォートが低いと検索せずに記憶から答えることがある、資料を要約すると原文をそのまま写して引用の印を付けないことがある、頼んでいない修正やテストまで書き足すことがある16。
売り文句と注意書きは、同じ癖を裏表から見たものだと思います。
出典に厳しくなったモデルが、要約では原文を引き写す。
細かく指示されなくても最後までやり切るモデルが、頼んでいないところまでやる。
数字のほうも上がってはいます。
ターミナル上の作業をやらせて測るTerminal-Bench 4.0で55.8%、先代は42.0%。
科学分野の同じ試験では52.6%で、先代の24.7%から倍以上。
ただ標準誤差が3.5から4.5ポイントあると但し書きが付いているので、小数点以下を読む種類の数字ではありません17。
4. いちばん強いモデルを、いつも選ばなくていい
Anthropic自身が、開発者向けの案内で、まずはOpus 5から始めてくださいと書いています18。
Fable 5.1を勧めているのは、要求の重い推論と、何時間も続くような自動作業。
あるいはOpus 5をいちばん深く考えさせても届かなかったとき。
モデル選択のメニューにある一行説明も、同じことを短く言っています。
Fable 5.1は最も困難な課題に、Opus 5は複雑なタスク向け、Sonnet 5は日常のタスクに最も効率的。
高いものが常に良いなら、選ぶメニューは要りません。
その日の仕事に対して重すぎる道具を選ぶと、待たされて、クレジットが減るだけです。
告知のダイアログは閉じました。
半年で消えるクレジットを買うかどうかは、Fableでないと届かない仕事が自分にあるかどうかで決まる。
いまのところ、思い当たりません。
- AnthropicがClaude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1を発表したのは2026年9月1日です。Mythos 5.1は同じ性能ですが、審査を通った顧客だけが使えます。 – Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1
- 使用クレジットは、プランに含まれる利用量を使い切ったあとも従量課金で使い続けるための前払いです。Pro、Max 5x、Max 20xが対象で、単価はAPIと同じ。1日に引き落とせる上限は2,000ドルです。 – Manage usage credits for paid Claude plans
- モバイルアプリから契約している場合、クレジットの購入はウェブ版からしかできません。 – Manage usage credits for paid Claude plans
- ヘルプの原文は、クレジットは通常は失効しないとしたうえで、日本のような一部の法域では2026年9月10日から購入後6か月で失効する、と地域を分けて書いています。 – Manage usage credits for paid Claude plans
- 日本資金決済業協会のQ&Aは、有効期間6月が明記されていれば法の適用対象外になるとしています。ただし期限が切れても実質的に使えるものや、期限が形骸化しているものは対象に戻ります。 – 前払式支払手段についてよくあるご質問
- Fable 5.1はウェブ、モバイルアプリ、デスクトップアプリ、Cowork、Code、Design、Microsoft 365連携のいずれからも選べます。 – Claude Fable 5 on your plan
- 太平洋時間の2026年7月20日から。Fable 5は期間限定の提供を何度か延長したのち、この分け方で恒久的な提供に移りました。 – Claude Fable 5が結局サブスク入り、ただしProは除く
- Maxと、TeamやEnterpriseのプレミアム席では、Fable 5とFable 5.1がプランに含まれ、週の使用量上限の50%までを追加費用なしでFableに使えます。使い切ったあとは使用クレジットに切り替えるか、他のモデルを選ぶことになります。 – Claude Fable 5 on your plan
- 2026年7月にFable 5が従量課金へ移ったとき、条件を満たすProの席へ一度きりのプロモーションクレジットが付与されました。 – Claude Fable 5 on your plan
- 先代のFable 5と同額です。まとめて非同期に処理するバッチ用の窓口を使えば、どちらも半額の5ドルと25ドルになります。 – Pricing
- Haiku 4.5は入力1ドル、出力5ドルです。Sonnet 5の2ドルと10ドルは当初8月31日までの導入価格とされていましたが、値上げは行われず、そのまま標準価格になりました。 – Pricing
- エフォートは低・中・高・特高・最大の5段階です。低や中でもFable 5と同等以上の結果を、はるかに低いコストで出せるとしています。既定値は用途で違い、Claude Codeでは高、Coworkでは中です。 – Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1
- 価格表では、Fable 5のキャッシュ読み取りが100万トークンあたり1ドル、Fable 5.1が0.25ドルです。 – Pricing
- 他のモデルは入力単価の0.1倍、Fable 5.1とMythos 5.1だけが0.025倍です。預けるとき側の単価と、512トークンという最小の長さは変わっていません。 – What’s new in Claude Fable 5.1
- 同じ前置きを何度も読み直す長い作業ほど効きます。値下げはキャッシュの読み取りだけで、入力と出力の単価は据え置きです。 – Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1
- 開発者向けの案内は、ほかにも、ツールをまとめて呼ばずに1手ずつ進めることがある、途中経過を書かなくなった、小さな修正でもファイル全体を書き直しがち、といった変化を挙げ、それぞれに書き方での対処を添えています。 – Prompting Claude Fable 5.1
- Terminal-Bench 4.0とTerminal-Bench-Science 0.1のスコアには、いずれも±3.5〜4.5ポイントの標準誤差が示されています。 – Anthropic、Claude Fable 5.1とMythos 5.1を発表
- 同じ文書によれば、Fable 5.1が一度に読める長さは100万トークン、書ける長さは最大12万8千トークン。入出力を30日間保持する条件が付いていて、保持しない契約では使えません。 – What’s new in Claude Fable 5.1