- Google Filesは、スマホの中のファイルを見るためのアプリです。名前にGoogleが付いていても、開いているのはこの端末の中で、どこかへ同期されているわけではありません。
- Googleフォトが自動で預かるのは、初期状態ではカメラのフォルダだけです。LINEで受け取った写真やスクリーンショットは別のフォルダに入るので、対象から外れています。
- 預けたい写真は、Filesで選んで共有から「フォトにアップロード」を選びます。写真として並べたいならフォト、ファイルとして置いておきたいならドライブ。
- 上げたのに見つからないのは、消えたからではありません。Googleフォトは撮られた日の順に並べるので、最新の位置ではなく撮影日の位置に入ります。
1. Google Filesはファイルマネージャで、Googleに預ける場所ではない
「スマートフォンの中にある写真が、なぜかGoogleフォトにない」という相談がありました。
どこを見てそう思ったのか聞いてみると、Google Filesには入っている、とのこと。

「Files by Google(ファイルズ バイ グーグル)」は、端末の中のファイルを見て、動かしたり消したりするためのアプリです1。
パソコンでいうエクスプローラーやFinderにあたるもので、こういうアプリをファイルマネージャと呼びます。
開くとダウンロード、画像、動画、音声、ドキュメント、アプリといったカテゴリが並び、その下の「すべてのストレージ」から内部ストレージをたどると、DCIMやDownloadやPicturesといったフォルダが出てきます。


ここに並んでいるものは、全部この端末の中の話。
Googleのサーバーに預けてある写真は、一枚も出てきません。
では、なぜ預けてあるものだと思ってしまうのか。
名前です。
GoogleフォトもGoogleドライブもGoogleに預ける場所なので、Google Filesも同じように、預けた自分のファイルを見せているのだと読めてしまいます。
紛らわしさを増しているのが、Filesの下の方にある「その他のストレージ」という欄で、ここには「クラウド ストレージ」と書いてあります。
クラウド側をのぞく入口も、一応ある。
ただ、アプリが最初に見せているのは、あくまで手元の端末です。
2. バックアップの対象になるのは、カメラのデバイスフォルダだけ

2.1. 写真の置き場はDCIMとPicturesに分かれている
「写真」とひとまとめに呼んでいても、Androidの中では置き場所が分かれています。

カメラで撮った写真はDCIM(Digital Camera Images:デジタルカメラの画像)の中のCameraに入ります2。
画面を撮ったスクリーンショットはScreenshots、LINEで受け取って保存した写真はPicturesの中のLINE、LINEのカメラ機能で撮ったものはDCIMの中のLINECameraです3。
Picturesを開くと、Canva、Instagram、LINE、Screenshots、Slack、Twitterとアプリの名前がずらりと並びます。
アプリが自分の引き出しを勝手に作っていくので、入れたアプリが増えるほど棚は細かくなる。
カメラで撮った写真と、送ってもらった写真は、スマホの中の時点ですでに別の引き出しに入っています。
Filesで見ると全部「画像」のカテゴリにまとまって出てくるので、この分かれ方には気づきにくいです。
2.2. Googleフォトの「このデバイス上」に、バックアップの対象かどうかが出る
Googleフォトは、こうした端末側のフォルダをデバイスフォルダと呼びます。
バックアップは、そのすべてを上げているわけではありません。

Googleフォトを開いて、下の「コレクション」から「このデバイス上」を選ぶと、デバイスフォルダが一覧で出てきます4。
出ているのはフォルダの名前と、その下の一行。
カメラには「5個のファイル」と預けてある枚数が書かれ、ScreenshotsやMoviesやDownloadには「バックアップ オフ」と書かれています。
上の方には「デバイスのすべてのフォルダをバックアップ」というスイッチもあって、初期状態ではオフになっています5。
オンにすれば全部のデバイスフォルダが対象になりますが、アプリが作った引き出しも丸ごと上がるので、見返すつもりのない画像まで預けることになります。
LINEでもらった写真がGoogleフォトにないのは、不具合ではありません。
バックアップの対象に入っていないフォルダに置かれている、というだけの話です。
3. 共有シートの「フォトにアップロード」で預ける

対象外のフォルダにある写真をGoogleフォトへ入れたいときは、自分で渡します。
Filesでその写真を長押しして選び、上に出てくる共有ボタンを押す。
すると、送り先のアプリが並んだ画面がせり上がってきます。
Androidが用意している共有シート(Sharesheet:シェアシート)という仕組みで、アプリからアプリへデータを渡すときの共通の入口です6。


一覧の中に「フォト」があって、アイコンの下に「フォトにアップロード」と小さく書かれています。
これを選ぶと、どのアカウントに入れるかを確かめる画面になり、アップロードを押せば送られます。
何枚もあるなら、一枚目を長押ししてから残りをタップして選び、まとめて共有すれば一度で済みます。
同じ写真をGoogleドライブに入れることもできて、Filesのメニューには「Googleドライブにバックアップ」という項目が別に用意されています。
写真として日付順に並べて見たいならフォト、ファイルとして名前で探したいならドライブ。
どちらもGoogleに預ける先ですが、預けたあとの見え方が違います7。
4. 並ぶ位置を決めているのは、Exifの撮影日時

4.1. タイムラインは、入れた順ではなく撮られた順
ここからが、この相談のいちばん厄介なところです。
アップロードしたはずなのに、Googleフォトを開いても先頭に出てきません。
Googleフォトの一覧は、追加した順ではなく、撮影された日時の順に並びます8。
今日撮ったスクリーンショットを上げれば、撮ったのが今日なので先頭に出ます。
ところが7月に撮った写真を上げると、7月の位置まで下がる。
一覧の見た目としては、何も増えていないように見えます。
上げた直後に確かめて「やっぱり入っていない」と判断してしまうのは、この並び方のせいです。
入っていないのではなく、探している場所と入った場所が違う。
4.2. 受け取った日ではなく、撮影日時の位置に入る
送ってもらった写真だと、ずれ方はもっと大きくなります。
たとえば、8月にLINEで送られてきた写真を保存して、9月にGoogleフォトへ上げたとします。
その写真が6月に撮られたものなら、並ぶのは6月の位置です。
受け取った日でも、保存した日でも、上げた日でもありません。
写真のファイルには、撮ったときの日時やカメラの機種が中に書き込まれています。
Exif(Exchangeable image file format:交換可能な画像ファイル形式)と呼ばれる決まりで入っている情報です9。
Googleフォトはこれを読んで置き場所を決めるので、自分がその写真と出会った日とは関係なく並ぶわけです10。
Exifの日時が入っていないファイルだと、ファイルの日付など別の手がかりで判定されるため、さらに読みにくい位置に落ちることもあります。
探すのが目的なら、上げたあとにアルバムへ入れてしまうのが確実です。
アルバムは日付と関係なく、自分でまとめた束として残ります11。
コレクションのアルバムから開けば、何月に撮られた一枚だったかを気にせず引ける。
スマホの中を見せているのか、預かったものを見せているのか。
アプリの名前からは、そこがいちばん読み取れません。
写真が消えたと思ったときは、どのアプリがどこを見ているのかを先に確かめる。
そこさえ分かれば、あとは移すだけの話になります。
- 公式ヘルプは、このアプリでデバイスの空き容量を増やしたり、ファイルを閲覧、共有したりできると説明しています。デバイス上のファイルやフォルダを確認、検索、名前変更する機能もここに含まれます。 – Files by Google の使い方
- DCIMという名前は、デジタルカメラのファイルの並べ方を決めたDCF規格に由来します。ルート直下のDCIMをDCF画像ルートディレクトリと定めたもので、1998年にJEITAの前身であるJEIDAが最初の版を出しました。 – Design rule for Camera File system
- Androidの開発者向けドキュメントでも、写真やスクリーンショットはDCIMとPicturesのディレクトリに置かれ、システムがそれらをMediaStoreの画像のテーブルに登録すると説明されています。 – Access media files from shared storage
- 公式ヘルプでも、画面下部のコレクションからこのデバイスをタップするとデバイスのフォルダを確認できると案内されています。 – 他のアプリやデバイスからファイルを探す
- バックアップをオンにすると、カメラだけでなく選択したデバイスのフォルダも自動的にバックアップされます。デバイスのすべてのフォルダをバックアップがオンになっていれば、新しく増えたフォルダの写真も自動的に対象になります。 – 他のアプリやデバイスからファイルを探す
- 共有シートは、ACTION_SENDというインテントを渡してIntent.createChooserを呼ぶと表示される、Android側が用意した選択画面です。アプリの外や別の利用者へ内容を送るための共通の導線として設計されています。 – Send simple data to other apps
- 以前はこの二つが自動で同期していましたが、混乱を招くという声を受けて2019年7月10日に停止されました。今はドライブに上げた写真はドライブだけに、フォトに上げた写真はフォトだけに表示されます。 – 2019 年 7 月 10 日より Google フォトと Google ドライブ間の同期を停止
- 日付が実際と違うと感じるときは、写真の詳細情報から日時を編集して並ぶ位置を変えられます。編集できるのはバックアップ済みの写真です。 – 写真を編集する
- Exifはデジタルスチルカメラ用の画像ファイルフォーマット規格で、CIPAとJEITAが共同で定めています。撮影日時のほか、カメラの機種や露出の設定などがファイルの中に書き込まれます。 – デジタルスチルカメラ用 画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.32
- Googleフォト側で日時を変えても、ファイルに書き込まれた元の日時は残ります。公式ヘルプは、他のアプリと共有したりダウンロードしたりすると、カメラが保存した元の日時が表示される場合があると注意しています。 – 写真を編集する
- アルバムには最大2万個の写真や動画を入れられます。アルバムから写真を削除しても、フォトの一覧から消さないかぎりライブラリには残ります。 – フォトアルバムを作成、編集する