- Googleレンズのカメラは、下のタブが検索の間はイン/アウトの切替ボタンが出てきません。作成のタブに変えると、シャッターの右に現れます。
- 端末にカメラは2つ付いていますが、開くときにアプリが前面か背面かを名指ししています。切替ボタンは、その名指しを入れ替えて開き直すための操作です。
- Android版のヘルプには切替ボタンの手順が書いてあり、iPhone版の同じページには書かれていません。それでも実機には付いていました。
- 自分の顔や服をレンズで調べたいなら、標準のカメラで撮ってから読み込ませるほうが早いです。
1. タブを変えたら、シャッターの右にボタンが増えた
Googleレンズで自撮りはできるのか、と気になって開いてみました。
入口はGoogleアプリの検索窓の右、カメラのアイコンです1。

押すとカメラが立ち上がります。
上の並びは閉じるボタン、フラッシュ、履歴、三点。
下はシャッターと、その左に直近の写真、いちばん下に検索・翻訳・Live・作成の4つのタブ。
肝心のものが見当たりません。
シャッターの右が空いている。
標準のカメラアプリなら必ずそこにいる、矢印がぐるりと回っているボタンがない。

もう一度上から下まで見ても無いので、ためしに下のタブを作成に変えてみました。
同じ位置にボタンが出ました。

シャッターの中身もバナナに変わっています。
検索のときに画面の四隅にあった、対象を囲むかぎ括弧も消えました。
アプリを乗り換えたわけではなく、同じカメラ画面でタブを1つ移っただけなのに、押せる場所が増えている。
2. カメラは2つあるが、アプリが開くのは片方だけ
ボタンが出たり消えたりするのは、その日の気まぐれではありません。
カメラをどう開いているかを見ると、素直な話でした。
2.1. 切替ボタンは、指定を入れ替えて開き直している
iPhoneには前面と背面にカメラが付いていて、どちらもアプリから使えます。
ただ、アプリが撮影を始めるときには、使うカメラを1つ名指しして開きます2。
前を向いているもの、後ろを向いているもの、という位置がカメラごとの属性として並んでいて、その中から選ぶ形です。
2つの映像が同時に流れていて、それを切り替えて眺めているわけではありません。
選ばれた片方だけが動いています。
切替ボタンを押したときに起きているのは、いま開いているカメラを閉じて、反対側を指定して開き直す処理です。
そう考えると、ボタンが無い画面の意味も変わってきます。
壊れているのでも、どこかに隠れているのでもなく、背面と指定したまま開いて、入れ替える手段を置かなかった。
足りないのではなく、そう作ってある。
2.2. 検索は向ける道具で、作成は写る道具
では、どうしてタブによって作りが違うのか。
レンズの検索は、目の前のものにカメラを向けて、それが何なのかを調べる機能です。
花、看板、値札、料理。調べたいものは、たいてい自分の反対側にあります。
下に並ぶタブは4つ。
翻訳もLiveも、カメラを外へ向けて使うものです。
切替ボタンが出てくるのは、作成だけでした。
インカメラで撮れるのは自分の顔ですが、顔を撮ってGoogleに投げても、ろくな結果は返ってきません。
むしろ返ってきたら怖い。
背面に固定してあるのは、機能の性格をそのまま形にしたものだと思います。
作成のタブは事情が逆でした。
バナナのアイコンは Nano Banana(ナノバナナ)と呼ばれる画像生成の機能で、正式な名前は Gemini 2.5 Flash Image というモデルです3。
撮った写真を素材にして、服装や背景を差し替えた画像を作ります4。
素材にいちばん使われるのは、自分の写真。
だから作成では、最初からインカメラが開きます。
そのうえで、目の前のものを素材にしたい人のために切替ボタンが置いてあります。
3. ヘルプに書いていない操作が、実機には付いていた
この話、調べはじめた時点では「iPhoneでは無理らしい」で終わりかけていました。
Googleの公式ヘルプにあたると、Android版の作成の手順にはこう書いてあります。
前面カメラで写真を撮影するか、切り替えボタンをタップして背面カメラに切り替えます、と5。
ところが同じページをiPhone版に切り替えると、その一文が消えます。
ヘルプは記事の番号が同じまま、プラットフォームのタブだけが切り替わる作りです。
アドレスの末尾に付くAndroidかiOSかの指定が入れ替わり、中の手順は別々に書いてある。
残るのは、右下の作成アイコンをタップします、写真を撮影します、の2行だけ6。
自撮りをするとシャッターの上に候補が出る、というヒントまで載っているのに、切替ボタンの説明がありません。
書いていないのだから無いのだろう、と一度は納得しました。
実機を開いたら、付いていた。
ヘルプはプラットフォームごとに文章が分かれていて、片方に足された手順が、もう片方に反映されないまま残ることがあります。
機能の差ではなく、文書の更新の差。
公式に書いていないことは「できない」ではなく「確かめられていない」と読むほうが近いのだと思います。
ちなみに、通常のレンズ検索のほうは、ヘルプにも切り替えの案内がもともとありません。
被写体にカメラを向けてシャッターを押す、としか書かれていない7。
こちらは実機にもボタンが無いので、書かれていないことと実物が合っています。
4. 自撮りを調べたいなら、一度写真にしてから
どうしても自分の顔や、着ている服をレンズで調べたいときはどうするか。
遠回りに見えて確実なのは、標準のカメラアプリで自撮りしてから、その写真をレンズに読み込ませる方法です。
レンズのシャッターの左に、直近の写真が小さく丸く出ています。
そこから選べば、その場で撮ったのと同じように検索にかかります8。
撮る場所と調べる場所を分けてしまえば、切替ボタンの有無は関係なくなる。
作成のタブでインカメラを開き、切替ボタンで背面に回す、という手もあります。
ただ、そのまま撮ると画像生成のほうへ話が進みます。
調べたいだけなら、これも遠回り。
ボタンが1つあるかないかで、その画面が何を撮る前提で作られたのかが見えてきます。
無いものを探して画面をなぞるのは、たいてい徒労です。
今回は探したおかげで、タブごとに性格が違うことに気づけました。
- iPhoneでは、Googleアプリの検索バーからレンズを開き、「カメラで検索」の検索アイコンを選ぶ流れが案内されている。 – レンズでの領域の選択
- iOSではカメラの位置が front と back という値で表され、アプリはその位置を指定して撮影に使う装置を選ぶ。front は画面を見ている側、back は被写体の側にあたる。 – AVCaptureDevice.Position
- Googleの開発者向けドキュメントにも、Gemini 2.5 Flash Image は Nano Banana としても知られる、と書かれている。 – Gemini 2.5 Flash image (Nano Banana)
- 日本向けの発表では、AndroidまたはiOSのGoogleアプリでレンズを開き、写真を撮って編集したい内容を入力すると画像を作れると案内されている。Geminiアプリでは50億枚以上が生成されたという。 – Nano Banana 1 が Google 検索、NotebookLM に登場
- Android版のヘルプにある「作成」の手順。前面カメラで撮るか、切り替えボタンをタップして背面カメラに切り替える、と書かれている。 – Google 検索で画像を作成、編集する(Android)
- iPhoneとiPad版の同じ記事。レンズを開いて右下の作成アイコンを押し、写真を撮影するとだけ書かれていて、カメラの切り替えには触れていない。 – Google 検索で画像を作成、編集する(iPhone と iPad)
- 通常のレンズ検索の手順は、カメラを被写体に向けてシャッターアイコンをタップする、という案内で終わっている。 – レンズでの領域の選択
- Googleフォトからも、保存済みの写真を選んでその他アイコンからレンズに渡せる。撮る操作と調べる操作は分けられる。 – 写真や周囲のものに関する情報を表示する