- ClaudeとCodexの利用制限を、メニューバーのアプリでグラフにして眺めるようにしました。
- すると、上限を余らせてしまうのではなく、リセットまでに配分して使い切る意識が出てきました。
- 5時間枠のグラフで使用率が急に減ったところを見ると、重いセッションや不要な指示に気づけます。そこから、コンパクトやメモの残し方、セッションの切り替えを意識するようになりました。
- トークン効率は理屈で考えるより、消費量を毎日体感するほうが有効のようです。
1. 利用制限は、配分して使い切るものになった
最近、ClaudeとCodexの使用量を、Macのメニューバーに常駐させたアプリで見ています1。
アイコンをクリックすると、週の使用率、5時間枠の使用率、それぞれのリセット時刻が出てきます2。

たとえば、9月18日のお昼に開いたClaudeの画面では、週の使用率は70%で、リセットまで「あと2日22時間」と出ていました3。
1週間は168時間なので、この時点で週の約58%が過ぎています。
時間は58%しか進んでいないのに、使用率は70%。
このペースで使い続けると、週末を待たずに尽きる計算です。
同じ時刻のCodexは、週の使用率が44%で、リセットまで「あと2日3時間」でした4。
こちらは時間が約69%過ぎているのに、半分以上残っています。
Claudeは使いすぎ気味で、Codexは余り気味。
1.1. 週の残量と、リセットまでの残り時間を比べる
中段のグラフは、6時間ごとの週の残量を棒で並べたものです。
Claudeのグラフの左端、前の週の土日は、棒が赤く、ほとんど0まで落ちています。
前の週は、リセットの直前まで使い切っていたことになります。
1.2. 「このタスクは週末まで待つ」と決められる
残量が見えていると、作業の順番を計画できます。
残りが少ない週の終わりに急ぎでないタスクが来たら、「これはリセットの後に回そう」と決めて、手持ちの残量を急ぎの作業に充てられます。
逆に、リセットの前日に残量がたっぷりあるなら、後回しにしていた重めの作業を入れます。
Claudeが苦しいときに、Codexでもできる作業をそちらへ振るのも、同じ考え方です。
ちなみに、Claudeの画面の下には「Claude Desktop・Web・Claude Codeの共有利用枠です」と出ています5。
ブラウザのチャットで雑談をしても、同じ週の枠から減っていきます。
これも、グラフで見るまであまり実感がありませんでした。
2. 急に減ったところに、重いセッションがある
週の使用率が「どれだけ使ったか」なら、5時間枠のグラフは「いつ使ったか」を教えてくれます6。
折れ線に段差があれば、その時刻に重い処理が走っていたということです。
2.1. 5時間枠のグラフに段差が出る
こちらは同じ日のCodexの画面です。

5時間枠は9時49分に始まっていて、100%だった残量が、最初の1時間足らずで50%近くまで落ちています。
その後は、ほとんど横ばいのまま12時を過ぎていました。
つまり、この日の5時間枠の半分は、朝の1つの作業でほぼ使っていたことになります。
どの作業だったかを時刻から振り返ると、不要な指示を重ねていたり、長くなりすぎたセッションのまま作業を続けていたりしていたことに気づけます7。
一方、同じ日のClaudeの5時間枠は、2時間で26%ほどのなだらかな減り方でした。
同じくらいの時間を使っていても、減り方はこれだけ違います。
2.2. コンパクト、メモ、セッションの切り替え
段差の原因の多くは、コンテキストの肥大化でした。
AIとのやり取りは、それまでの会話をまるごと抱えたまま次の返事を作るので、セッションが長くなるほど1回ごとの処理が重くなります8。
グラフで段差を見るようになってから、コンテキストの管理を意識するようになりました。
1つめは、コンパクトです。
Claude CodeやCodexには、それまでの会話を要約して詰め直す「/compact」というコマンドがあります9。
区切りのいいところで、自分から詰めるようにしました10。
2つめは、メモの残し方です。
作業の経緯や決めたことを memo/dev-log.md のようなファイルに書いておいてもらうと、次のセッションはそれを読むだけで続きから始められます11。
会話の中にだけ残っている情報は、セッションを閉じると消えますが、ファイルに書いたものは残ります12。
3つめは、セッションの切り替えです。
話題が変わったら、同じセッションで続けずに新しく始めます13。
前の話題の会話を抱えたまま次の作業をさせると、関係のない履歴のぶんまで毎回処理させることになるからです14。
どれも、知識としては前から知っていたことですが、それでも、グラフで減り方の差を見ると効果を実感できます。
3. 計る道具を作ったことが、効率の意識になった
使っているアプリは、公開されている「ai-usage-menubar」を手元で改良したものです。
もともとは、その時点の残量を表示するだけのアプリでしたが、週の残量の推移を棒グラフで並べる機能や、5時間枠の折れ線を、自分用に足しました。
改良の経緯は、以前の記事にまとめました15。
3.1. 理屈で節約するより、推移を体感する
コンテキストを小さく保つと効率がいい、という話は、理屈としては分かっていました16。
ただ、分かっていることと、毎回そうすることは違います。
使用率の推移を毎日眺めていると、「さっきの作業は重かった」「今週はまだ余っている」が体感として残ります。
気合いで節約するのではなく、グラフを見て自然と手が動く感じです。
体重計に毎日乗るようになると、食べる量が少し変わるのに近いかもしれません。
3.2. 道具を作ろうとした時点で、意識は変わり始めていた
振り返ると、効果があったのはグラフそのものだけではありませんでした。
「使用率の推移を見たい」と思ってアプリを改良した時点で、自分の使い方を計ろうという発想に切り替わっていたのだと思います。
何を表示するかを決めるには、何を知りたいのかを考えないといけません。
週の残量なのか、5時間枠なのか、リセットまでの時間なのか。
それを考える過程で、自分がどういうときに制限に当たっていたのかを、あらためて整理することになりました。
計測は、数字を取ることより、何を見るかを決めることのほうに効き目がある気がしています。
AIの使い方に限らず、「なんとなく足りない」と感じているものがあれば、まず推移を見える形にしてみるのがいいと思います。
- 元になったのは、GitHubで公開されている「ai-usage-menubar」です。CodexとClaude Codeの利用制限をmacOSのメニューバーに表示するアプリで、MITライセンスで配布されています。 – akh1r0ck/ai-usage-menubar|GitHub
- Claudeの場合は、公式の画面でも「設定」の「使用量」から、5時間のセッションと週の制限をどれだけ使ったかを進み具合のバーで確かめられます。アプリのほうは、それを推移として残すところが違います。 – Usage limit best practices|Claude Help Center
- Claudeの有料プランには、5時間ごとにリセットされるセッションの制限と、すべてのモデルにまたがる週の制限があります。週の制限は、アカウントごとに決まった曜日と時刻にリセットされます。 – What is the Pro plan?|Claude Help Center
- ChatGPT PlusでのCodexにも、5時間の枠と週の枠があります。5時間の枠は一時的に外されていましたが、2026年8月25日から元に戻りました。どちらかの上限に達すると、リセットを待つか追加のクレジットを買うことになります。 – OpenAI restores 5-hour Codex and Work limits for ChatGPT Plus users|9to5Mac
- ProとMaxのプランでは、ClaudeとClaude Codeの利用制限が共通で、どちらで使ってもすべて同じ枠から数えられると説明されています。 – Use Claude Code with your Pro or Max plan|Claude Help Center
- Claude Code自身も、「/usage」コマンドで直近の使用量の内訳を出せます。長いコンテキストやキャッシュの取りこぼしのように、使用量の10%以上を占めた振る舞いがあると、印を付けて知らせてくれます。 – Manage costs effectively|Claude Code Docs
- Claude Codeの説明では、「このコードベースを改善して」のような漠然とした依頼は広い範囲の読み込みを招き、関数やファイルを名指しした具体的な依頼のほうが少ない読み込みで済むとしています。 – Manage costs effectively|Claude Code Docs
- Claude Codeは、リクエストのたびに会話の全体を送ります。そのため、一日中開いていたセッションでは、1行の質問でも会話全体のぶんの使用量がかかります。 – Manage costs effectively|Claude Code Docs
- Codex CLIの「/compact」は、表示中の会話を要約してトークンを空けるコマンドです。長い作業のあとに使うと、要点を残したままコンテキストの上限にぶつからずに済むと説明されています。 – Developer commands|ChatGPT Learn
- ただし、「/compact」は要約する会話を読み込むので、大きなコンテキストを詰めること自体が大きなリクエストになります。続きが要らないときは、新しく始める「/clear」のほうが使用量はかかりません。 – Manage costs effectively|Claude Code Docs
- Anthropicは、エージェントがコンテキストの外にメモを書き残し、あとで読み戻すやり方を「構造化されたメモ取り(structured note-taking)」と呼んでいます。 – Effective context engineering for AI agents|Anthropic
- Claude Codeのセッションは、毎回まっさらなコンテキストから始まります。セッションをまたいで引き継がれるのは、CLAUDE.md や AGENTS.md のような指示のファイルと、Claudeが自分で書く自動メモリです。 – How Claude remembers your project|Claude Code Docs
- Codex CLIでは「/new」で、CLIを終了せずに新しい会話を始められます。Claude Codeでは「/clear」が同じ役割です。 – Developer commands|ChatGPT Learn
- Claude Codeの説明でも、関係のない作業に移るときは「/clear」で新しく始めるよう勧めています。古いコンテキストは、そのあとのメッセージのたびにトークンを無駄にするためです。 – Manage costs effectively|Claude Code Docs
- 週の残量の推移を記録して、棒グラフで表示するようにした経緯です。 – 【ai-usage-menubar】メニューバーの残量を計測するツールのフォーク|ちいラボ
- コンテキストのトークンが増えるほど、モデルがその中の情報を正確に思い出す力は落ちていきます。Anthropicは、コンテキストを限りのある資源として扱うよう勧めています。 – Effective context engineering for AI agents|Anthropic