みんなが使っているInstagramに、新しい機能として「地図」が追加されたのを知っていますか? この地図機能を使うと、友だちがどこにいるのか、どんな場所に行ったのかがわかるようになるみたいです。でも、なぜInstagramは今、地図機能を加えたのでしょうか? そして、これは私たちにどんな影響があるのでしょうか?
1. 地図機能はSnap Mapの真似?
今回の地図機能は、特にSnapchatの「Snap Map(スナップマップ)」という機能によく似ています。

Snap Mapでは、友だちがどこにいるかを地図上で見ることができ、友だちが行った場所を知ることができたりします。Instagramがこの地図機能を加えたのは、Snap Mapを使っている人たちにもInstagramを使ってもらいたいという思いがあるのかもしれません。
1.1. 「ノート」とSnapchat
実は、少し前にもSnapchatを連想する機能を追加しています。それは、プロフィールに短いメッセージを書ける「ノート」という機能。同じように短いメッセージをやり取りできる人気のSNS、Snapchatを使っている人たちにInstagramも使ってほしいと考えたからかもしれません。
Snapchatは、写真や動画を友だちと手軽に共有できる人気のスマホアプリです。送った写真や動画は、一定時間で消えるのが大きな特徴で、気軽にコミュニケーションを楽しめます。若い世代を中心に世界中でたくさんの人が使っています。
そして、Snap MapはSnapchatの中にある地図機能のことです。これを使うと、許可した友だちが今どこにいるかを地図上で見ることができます。待ち合わせの時に便利だったり、友だちがどんな場所に遊びに行っているのかを知るきっかけになったりします。
1.2. 人気の機能を次々と取り入れるInstagram
Instagramが新しい機能を追加するのは、今回が初めてではありません。TikTokという短い動画で人気のSNSに対抗するために「リール」という短い動画機能を始めたり、X(旧Twitter)のように短い文章を投稿できる「Threads(スレッズ)」というアプリを作ったりもしました。Instagramは、たくさんの人に使ってもらうために、他のSNSの特徴をどんどん取り入れているんですね。
2. 常に位置を知りたい・知らないといけない
地図機能は、新たなコミュニケーション手段の提供のためとも考えられます。たまたま近くに来たから一緒に会食をする、というようなコミュニケーションが生まれるかもしれません。ただ、このような利用方法を、そこまでユーザー側が求めていたようにも見えません。位置情報の利用にはプライバシーの懸念もあるからです。
Instagramが地図機能を追加した本当の理由は、もっと別のところにあるかもしれません。それはユーザーエンゲージメントの向上でアプリ利用時間が増え、より「広告」を目立たせることです。友だちがどこにいるかを知りたいユーザーに地図を頻繁に見てもらうことで、最終的にはお店の情報や広告を見てもらうことを考えているのではないでしょうか。
2.1. 「地図」に広告を載せる意味と若者の検索の変化
これまで、何かを知りたいと思ったとき、私たちはGoogleなどの検索エンジンを使っていました。そして、お店の情報などを探すときには、Googleマップがよく使われていました。Googleマップでは、「MEO」と呼ばれる、地図上で自分の店を上位に表示させるための対策が重要になっています。
でも最近、若い人たちの間で、何かを探すときにGoogleではなく、InstagramなどのSNSを使う人が増えています。例えば、「渋谷のおすすめカフェ」と検索する代わりに、Instagramでハッシュタグ検索をする、という具合です。
Instagramが地図機能を提供するのは、このような若者の検索方法の変化に対応するためでしょう。Googleマップが得意としていたMEOや、地図に基づいた広告の分野に、Instagramも力を入れようとしていると考えられるのです。
3. デフォルトでオンになっている
今回のInstagramの地図機能は、初期設定で位置情報の共有がオンになっていることが多いようです。これは、あまり設定を気にしない人たちにもそのまま使ってもらい、利用者を増やすための少し強引な方法と言えるかもしれません。プライバシー保護や安全のためにとくに重要な位置情報の取り扱いが、なしくずし的に拡大するのは望ましいとは言えません。
それぞれのアプリは、ユーザーの時間や注目を捉えて離さないように競い合っています。これを「アテンション・エコノミー」といい、Instagramも同じです。とりわけSNSは、友だちの最新の動向を知れることが魅力の源泉です。ちょっとネガティブな言い方になってしまいますが、私たち、SNSを使うユーザーであると同時に、他の人をアプリにつなぎとめるために、互いに「見世物」になっているような側面もあります。SNSの本当のお客さんは、広告を出したい企業なのかもしれません。
企業にとっては、地域の人々に対して自分のお店の存在感を高めることは広告のメインです。地図上に表示すれば来店に結びつきやすく、広告効果が高いです。常に友だちの居場所を知りたいという気持ちを利用して、Instagramの地図を見てもらう習慣が生まれれば、地域の広告が効果的に集まるようになるのです。
3.1. まとめ
Instagramが地図機能を追加したのは、人気のSnap Mapを参考にしつつ、若者の間で増えているSNSでの検索ニーズに応え、地図を使った広告市場に参入しようという狙いがあると考えられます。