WordPress用の掲示板プラグイン「bbPress」を使って、日本語の掲示板サイトを作った経験を共有します。日本語の資料が少ない中で苦労した点やカスタマイズのコツを中心に説明します。
bbPressとは何か
bbPressは、WordPressサイトに掲示板機能を追加できるプラグインです。単なるコメント機能より高機能で、トピック(話題)やフォーラム(掲示板)を作成でき、ユーザー同士が自由に情報交換できる場を提供できます。WordPress公式のフォーラムもこのbbPressで作られており、信頼性の高いプラグインといえます。
管理画面のサイドバーに「Forums」「Topics」「Replies」という項目が追加されれば、インストール完了です。また、「設定」の中にも「Forums」という項目が追加されます。
日本語化する方法
bbPressは初期状態では英語表示ですが、日本語化は比較的簡単です。日本語化ファイル「bbpress-ja.mo」を/wp-content/plugins/bbpress/languages/ にアップロードします。「bbpress-ja.mo」は、bbPressの使い方を解説したブログやマニュアルページで配布されているものを探します。


- 日本語化ファイル(
bbpress-ja.mo)をダウンロードします - ダウンロードしたファイルを、WordPressの
/wp-content/plugins/bbpress/languages/ディレクトリにアップロードします - 管理画面をリロードして日本語化の確認をします
- WordPressのフォーラムプラグイン bbPress 2.5.4 を日本語化してみた | Monaural Sound(平成26年8月13日)
- https://ka2.org/assets/files/bbpress-ja.po
- https://ka2.org/assets/files/bbpress-ja.mo
WordPressやbbPressの日本語化に使われる.moファイルの仕組み
.moファイルと.poファイル
WordPressやbbPressなどのプラグインの日本語化には、.mo(Machine Object)ファイルが使われます。これは翻訳データを格納した専用のバイナリファイルで、元の英語テキストと対応する日本語テキストのペアが保存されています。システムは表示時に.moファイルを参照し、画面上の文字を自動的に置き換えます。
つまり、moファイル(Machine Objectファイル)は、WordPressやbbPressなどの多言語対応プラグインやテーマで使われる、翻訳データを格納するバイナリ形式のファイルです。
- 元となる.poファイル(Portable Objectファイル)には、英語の原文と日本語訳などのペアがテキスト形式で記述されています。
- この.poファイルをPoeditなどのツールで編集・保存すると、機械が高速に読み込めるバイナリ形式の.moファイルが自動生成されます。
- .moファイルには「英語テキスト」と「日本語テキスト」のペアが効率的に格納されています。
例えば、bbPressの「Forum」という英語テキストがあった場合、.moファイルには「フォーラム」という対訳が登録されています。そのため管理画面を開くと「Forum」ではなく「フォーラム」と表示されるのです。
WordPressによる.moファイルの利用手順
.moファイルはサーバーの/wp-content/languages/plugins/やプラグイン内のlanguagesフォルダなど、WordPressが参照する場所に設置します。
- WordPressやbbPressは、ユーザーの言語設定(例:日本語)をもとに、対応する.moファイルを自動で読み込みます。
- プラグインやテーマ内の各テキストは、
__()や_e()などの関数で呼び出されます。 - これらの関数は、表示時に.moファイルを参照し、英語の原文に対応する日本語訳があれば、その日本語テキストに自動的に置き換えます。
- 変換された日本語テキストが画面上に表示されるため、ユーザーは日本語化されたUIを利用できます。
Poeditとは
翻訳作業は.poファイルで行い、.moファイルにコンパイルします。Poedit(ポエディット)は、こうした翻訳ファイルを編集するための無料ツールです。Windows・Macの両方で使え、プラグインやテーマの翻訳作業を簡単にしてくれます。
Poeditの基本的な使い方
一からすべての文言を翻訳するのは大変な作業です。bbPressの場合、有志が作成・公開している日本語化ファイル「bbpress-ja.mo」と「bbpress-ja.po」を利用するのが効率的です。しかし、既存の日本語訳が気に入らない場合や、より適切な訳に修正したい場合は、Poeditを使って「bbpress-ja.po」ファイルを開き、翻訳内容を編集できます。
例えば、bbPressの「Topic」という単語が「トピック」と訳されていますが、あなたのサイトでは「議題」という言葉の方が適切だと感じるなら、Poeditで該当箇所を探して「議題」に変更できます。
- Poeditのインストール: 公式サイトからダウンロードしてインストールします。
- POTファイルを開く: bbPressの場合は
bbPress.potファイルを開きます。これは翻訳用のテンプレートファイルです。 - 翻訳作業: 画面に英語の原文が表示されるので、対応する日本語訳を入力していきます。
- 保存: 保存すると自動的に
.poファイル(テキスト形式の翻訳ファイル)と.moファイル(バイナリ形式の翻訳ファイル)が生成されます。
編集後に保存すると新しい.moファイルが生成されるので、これをサーバーにアップロードすれば反映されます。
翻訳が適用されない場合のトラブルシューティング
翻訳ファイルをアップロードしても日本語化されない場合、以下の点を確認しましょう。
- WordPressの言語設定が「日本語」になっているか
- ファイル名が正確に「bbpress-ja.mo」になっているか
- アップロード先のパスが正しいか(
/wp-content/plugins/bbpress/languages/) - ファイルのパーミッション(アクセス権限)が適切か
これらの設定を確認することで、ほとんどの日本語化の問題は解決します。
まとめ
bbPressは、WordPressサイトに掲示板機能を追加する優れたプラグインです。日本語化は比較的簡単で、基本設定だけでも十分実用的な掲示板が作れます。さらにカスタマイズすることで、より使いやすく魅力的な掲示板サイトを構築できます。