Discord無料版の制約をLINEグループと比べてみて

グループチャットツールを選ぶとき、無料版の制約がどこまで実用に影響するかは重要な判断材料です。特にDiscordの無料版について、ChatWorkやSlackのような「過去のメッセージが見られなくなる」制約があるのか気になる方も多いでしょう。

実際にDiscord無料版の制約を調査し、普段使いのLINEグループと比較してみました。

Discord無料版の制約内容

Discord無料版には以下の制約があります。

  • ファイルアップロード制限は1つのファイルあたり25MBまでです。
    ただし、これは個別ファイルの制限であり、複数のファイルを同時に送信することは可能です。例えば10MBの画像を3枚同時に送っても問題ありません。
  • 画面共有の画質制限は720p(HD画質)までとなっており、有料版の1080p(フルHD)より劣ります。

サーバーブースト機能カスタム絵文字の制限もありますが、基本的なコミュニケーションには影響しません。

無料版でもメッセージ履歴は残る

最も重要な点として、Discord無料版では過去のメッセージが見られなくなることはありません

  • ChatWorkの無料プランでは過去14日分のメッセージしか閲覧できません1
  • Slackの無料プランでも過去90日間の制限があります2

これに対してDiscordは、アカウントを作成してから送受信したすべてのメッセージを永続的に保存します。この違いは実用性に大きく影響します。重要な情報や資料のやり取りが後から確認できなくなる心配がないためです。

ファイル共有も実用上はほとんど困らない

25MBの制限は、一般的な用途では問題になりません。

スマートフォンで撮影した写真は通常2〜8MB程度3、スクリーンショットは1〜3MB程度。普通の画像ファイルはほとんどが25MB以下に収まるからです。

制限に引っかかるのは、一眼レフカメラで撮影した超高画質写真や非圧縮の画像ファイル、長時間のGIFアニメーションなど、特殊なケースに限られます。大容量ファイルが必要な場合は、Google DriveやDropboxなどの外部サービスにアップロードしてリンクを共有する方法もあります4

LINEグループと比べてもあまり遜色ない

LINEグループと比較した場合の不便な点を検討してみます。

  • 既読機能の有無が最も大きな違いです。LINEには既読表示がありますが、Discordにはありません。メッセージを読んだかどうかの確認ができないため、重要な連絡の場合は注意が必要です。
  • スマートフォンでの操作性は、LINEの方が優れています。Discordはパソコン向けに設計されているため、スマートフォンでは若干操作しづらさを感じる場合があります。
  • 通知の分かりやすさも、LINEが上回ります。LINEは未読件数が一目で分かりますが、Discordは通知設定が複雑で慣れが必要です。

ただし、既読機能がないことで「既読無視」のプレッシャーがなく、気軽にメッセージを確認できるメリットもあります。

実用性の結論

Discord無料版の制約は、日常的なグループチャットの用途において実質的な支障をもたらしません。

ファイルサイズ制限は一般的な画像共有では問題にならず、最も重要なメッセージ履歴は永続的に保存されます。LINEとの比較では既読機能の有無が主な違いとなりますが、これも使い方次第では利点となり得ます。

長期間にわたって情報を蓄積し、後から参照する用途では、むしろDiscordの方が適しているといえるでしょう。

  1. ChatWorkの無料プランでは、過去14日間のメッセージ履歴のみ閲覧可能で、それ以前のメッセージは削除される – ChatWork料金プラン比較
  2. Slackの無料プランでは、過去90日間のメッセージ履歴のみ閲覧可能で、それ以前のメッセージは検索・閲覧できなくなる – Slack料金プラン
  3. 現代のスマートフォンカメラの解像度向上により、1枚あたり2〜8MB程度が一般的。機種や設定により異なる
  4. Discord Nitroの有料プランでは、ファイルアップロード制限が100MBまで拡張される – Discord Nitro機能比較