macOSでストレージ容量不足を解決:キャッシュ削除で11.6GB確保した

容量不足でソフトウェアアップデートができない状況

macOSを使用していると、いつの間にかストレージ容量が不足する状況に遭遇します。特に困るのがソフトウェアアップデートの際です。システム環境設定でアップデートを実行しようとしても、容量不足のエラーが表示されて進められません。

メッセージでは、「10.94GBの容量が必要」と書かれています。

今回の状況では、121.02GBの総容量に対して115.38GBが使用されており、空き容量は5.6GB程度でした。

ソフトウェアアップデートには通常5-6GB程度の空き容量が必要なため、ギリギリの状態です。

ストレージ使用量の内訳を把握する

まず現状を正確に把握するため、システム環境設定のストレージ画面で各カテゴリの使用量を確認しました。主な項目は以下の通りです。

システムデータが44.21GBと最も大きな割合を占めていました。書類が27.91GB、アプリケーションが21.18GB、macOS本体が19.9GBと続きます。システムデータには、アプリケーションが作成するキャッシュファイルや一時ファイルが含まれており、削除しても問題ないデータが多く存在します。

段階的なクリーンアップ作戦

容量削除は安全性を最優先に、効果の高いものから順番に実行していきました。

基本的な削除(ダウンロードフォルダとゴミ箱)

最初に実行したのは、不要なデータの削除です。

ダウンロードフォルダ内の不要なファイルを整理し、ゴミ箱を完全に空にしました。これらは基本の作業ですが、ふだんから整理していれば容量削減効果は限定的です。

ブラウザキャッシュの削除

次に取り組んだのがブラウザのキャッシュ削除です。

日常的にウェブサイトを閲覧していると、画像やファイルがキャッシュとして蓄積されます。キャッシュは本来、同じサイトを再訪問した際の読み込み速度を向上させるためのものですが、長期間蓄積されると数百MBから数GBに達することがあります。

Chromeの場合

設定メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択し、「閲覧履歴データの削除」を開きます。

期間を「全期間」に設定し、「キャッシュされた画像とファイル」のみにチェックを入れて削除を実行します。ただし、Chromeでは複数のプロファイルを使用している場合、それぞれにキャッシュが保存されます。

5つのプロファイルを使用していたため、残りの各プロファイルでも実行しました。

各プロファイルのキャッシュ容量は50MB〜700MB程度でした。

Safariの場合

Safariでは開発メニューからキャッシュを削除できます。

設定の詳細タブで「メニューバーに開発メニューを表示」を有効にし、
メニューバーの「開発」から「すべてのプロファイルのキャッシュを空にする」を選択します。

システムキャッシュファイルの削除

最も効果的だったのがシステムキャッシュファイルの削除です。

  1. Finderで「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選択し、「~/Library/Caches」と入力してキャッシュフォルダにアクセスします。
  2. キャッシュフォルダには多数のアプリケーション名のフォルダが存在します。
    容量の大きなフォルダから優先的に削除していきました。

キャッシュ削除では、com.apple.で始まるシステム関連のフォルダは慎重に扱う必要があります。
今回は主にサードパーティアプリケーションのキャッシュを中心に削除しました。

特に効果的だったのは以下のフォルダです。us.zoom.xosフォルダが486.2MB、com.tinyspeck.slackmacgap.ShipItフォルダが303.3MBありました。
これらはZoomSlackのキャッシュファイルです。アプリケーションが現在起動していなければ、安全に削除できます。

その他にもHomebrew(199.3MB)、com.oracle.java.JavaAppletPlugin(90.8MB)、node-gyp(51MB)などのキャッシュも削除しました。

削除結果とソフトウェアアップデートの実行

ブラウザキャッシュの削除で約1.5GB、システムキャッシュの削除で約800MBを確保しました。
システムデータの項目は44.21GBから41.19GBへと約3GB削減されました。

まだ、空き容量は 8.9GB。「10.94GBの空き容量」には達していなかったのですが、ソフトウェアアップデートを実行できるようになりました。

193.8MBのアップデートが問題なく完了し、約20分ほどの再起動でシステムがSonoma 14.7.6から14.7.8になりました。

アップデート後には、空き容量は5.6GBから17.2GBへと大幅に改善されています。

macOSが19.9GBから14.95GBに減っているのは、ソフトウェアアップデートのための一時データも不要になったからです。

作業の技術的ポイント

今回の作業で重要だったのは、削除対象の適切な選定です。キャッシュファイルは基本的に一時的なデータであり、削除してもアプリケーションの動作に支障はありません。必要に応じて再作成されるためです。

一方で、設定ファイルやユーザーデータは慎重に扱う必要があります。Library/Cachesフォルダ内のファイルは比較的安全ですが、他のLibraryサブフォルダには重要なデータが含まれている可能性があります。

ブラウザのキャッシュ削除では、閲覧履歴やブックマーク、保存されたパスワードなどのユーザーデータは保持されます。削除されるのは画像やスクリプトなどの一時ファイルのみです。

まとめ

キャッシュファイルの削除により、安全かつ効果的にストレージ容量を確保できました。ブラウザキャッシュとシステムキャッシュの削除で合計11.6GBを確保し、ソフトウェアアップデートの実行が可能になりました。定期的なキャッシュ削除は、macOSの容量管理において有効な手段といえます。