macOSの画面収録はシステムオーディオを
録音できない
(iOSとの違い)

macOSで画面収録をしようとしたとき、ふと疑問に思ったことがあります。
「スピーカーから出ている音を録音しつつ、マイクの音は入れない」
という設定はできるのだろうか、と。

動画編集のチュートリアルを作るときなど、アプリの操作音やBGMは入れたいけれど、自分の声は後から別撮りしたい、なんてシーンは意外とあります。

iPhoneの画面収録では、内部音声だけを録音できるので、てっきりmacOSでもできると思っていました。

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1. macOSの画面収録で録音できるのは「マイク音声のみ」

そこで、macOSの標準機能である「スクリーンショットアプリ」(Cmd + Shift + 5で起動するあれです)を確認してみました。

調べてみると、実はmacOSの標準画面収録機能では、システムオーディオ(スピーカーから出る音)は録音できないことがわかりました。

1. macOSの画面収録で録音できるのは「マイク音声のみ」

オプションメニューで選択できるのは「マイク」の項目だけ。
つまり、録音できるのはマイクから入力される音声だけなんです。

1.1. iOSの画面収録機能ではシステムオーディオを録音できる

一方、iOSの画面収録機能を確認してみると、macOSとは全く逆の仕様になっていたんです。

iOSでは、コントロールセンターの画面収録ボタンを長押しすると、「マイクオーディオ」のオン/オフを切り替えられます。
重要なのは、マイクをオフにしてもシステムオーディオ(アプリの音声)は自動的に録音されるという点です。

つまり、iOSなら「アプリの音は入れるけど、マイクの音は入れない」という設定が、標準機能だけで簡単にできるんです。

1.2. システムオーディオを録音するには追加ツールが必要

「え、でも画面収録するときって、アプリの音も一緒に録りたいよね?」

標準機能だけでは「スピーカー出力は入れて、マイクは入れない」という設定は実現できない、以下のような方法もあります。

システムオーディオを録音するには追加ツールが必要 方法1 仮想オーディオ デバイス BlackHole(無料) + QuickTime Player 組み合わせて使用 方法2 専用アプリ OBS Studio(無料) または ScreenFlow(有料) 標準で対応
  • BlackHoleなどの仮想オーディオデバイスを追加する
  • OBS Studioなどのサードパーティの画面収録アプリを使う

一つは、BlackHoleという無料の仮想オーディオデバイスをインストールして、QuickTime Playerと組み合わせて使う方法があります。

あるいは、OBS Studio(無料)やScreenFlow(有料)といった専門的な画面収録アプリなら、最初からシステムオーディオの録音に対応しています。

2. なぜmacOSとiOSで違うのか?

同じAppleの製品なのに、なぜこんなに扱いが違うのでしょう。
公式には理由は明言されていませんが、考察してみるといくつかのポイントが見えてきます。

2.1. デスクトップ環境の複雑さ

最も大きな違いは、複数のアプリが同時に起動する環境であることです。

デスクトップ環境の複雑さ iOS:シンプル 1つのアプリが フォアグラウンド macOS:複雑 Zoom Slack Music Mail 複数アプリが同時に 音声を出力 意図しない音声が録音されるリスク 会議音声・通知音・個人情報の漏洩防止
  • iOSは基本的に1つのアプリがフォアグラウンドで動作します。
    画面収録中も、録りたいアプリの音声が主体になる。複数の音声ソースが同時に鳴る状況は、デスクトップ環境ほど多くありません。iOSは閉じたエコシステムで、Appleがオーディオルーティングを完全に制御できます。だから「このアプリの音を録りたい」という意図が明確で、システムオーディオをデフォルトで録音しても問題が起きにくいわけです。
  • 一方、macOSのようなデスクトップ環境では、複数のアプリが同時に音声を出力する可能性が非常に高いんです。
    具体的に考えてみましょう。Zoomで会議をしながら、Slackの通知音が鳴り、バックグラウンドでSpotifyが音楽を流していて、さらにメールの着信音が鳴る。こんな状況、日常的ですよね。もしmacOSで自動的にシステムオーディオを録音する仕様だったら、どうなるでしょう?画面共有のデモ動画を録っているつもりが、会議の音声や個人的な通知音まで全部入ってしまう。これはプライバシー的にもかなり危険です。

macOSは汎用OS的な設計です。システムオーディオのキャプチャには、仮想オーディオデバイスのような追加の仕組みが必要になる技術的な背景もあるでしょう。

2.2. 使用シーンの違い

用途の違いも、デフォルトの動作に反映されているのかもしれません。

  • iOSでは、ゲームプレイ動画、アプリの使い方動画、SNSへの投稿など、「アプリ内の音声を含めた画面収録」が主な用途です。
    スマホの画面を録るなら、そのアプリの音も一緒に録りたいですよね。
  • 一方macOSでは、プレゼンテーションのデモ、操作説明、教育コンテンツなど、「解説音声(マイク)を入れた画面収録」が主な使われ方です。

3. まとめ

最初は「なんでmacOSでできないの?」と不便に感じていましたが、調べてみると各プラットフォームの使われ方を反映しているようです。モバイルとデスクトップ、それぞれの環境で機能設計も変わります。

もちろん、macOSでシステムオーディオを録音したい場合は、BlackHoleやOBS Studioといったツールを使えば実現できます。ちょっと手間はかかりますが。