はじめに
大阪・関西万博のオンラインサイトで年間パスの予約をしようとしたとき、顔登録がうまくいかないケースがありました。原因はシンプルでしたが、気づきにくい設定の問題でした。この経験を共有します。
問題の原因:ブラウザのカメラ権限
顔登録ができなかった主な原因は、ブラウザ内での「カメラアクセス権限」の設定にありました。セキュリティ対策として初期設定ではWebサイトによるカメラへのアクセスを「許可しない」に設定されていることも多いです。
万博サイトでの顔登録は、別のアプリに切り替えるのではなく、ブラウザ上でカメラ機能を起動する仕組みになっています。このため、カメラへのアクセスが許可されていないと、顔登録機能が正常に動作せず、黒い画面のままになっています。
解決方法:ブラウザ設定の変更
この問題は簡単に解決できます。具体的な手順は次の通りです:
- 万博サイトにアクセスした状態で、ブラウザのアドレスバーを確認する
- アドレスバー付近にある「サイト設定」をタップ
- カメラのアクセス権限を「許可しない」から「許可」に変更する
- ページを再読み込みする(必要に応じて)
- 再度顔登録の手続きを開始する
この設定変更をすると、すぐにカメラが起動し、顔登録を進めることができるようになります。
Webカメラ機能とアプリ連携の違い
最近のWeb技術の進化により、ウェブサイトでもHTMLの中にカメラ機能を直接組み込めるようになりました。これには主に二つの方法があります:
- Web API直接アクセス方式:HTML5の「MediaDevices API」や「getUserMedia API」を使用して、ブラウザから直接カメラにアクセスする方法です。万博サイトの顔登録はこの方式を採用しています。
- ファイルアップロード方式:スマホのカメラアプリで撮影した後、その画像をサイトにアップロードする従来の方法です。
この二つの方式には重要な違いがあります:
- リアルタイム性:Web API方式では、その場で撮影した映像をリアルタイムで処理できます。一方、アップロード方式では事前に撮影された画像のみが使用されます。
- 改ざん防止:Web API方式は、既存の画像を使用することを防ぎ、その場で顔を撮影することを強制できます。これにより、なりすまし防止という重要なセキュリティ機能が実現されます。
- ユーザー体験:Web API方式はアプリ切り替えが不要でスムーズですが、ブラウザの権限設定に依存します。一方、アップロード方式は多くのユーザーが慣れた操作ですが、アプリの切り替えが必要です。
万博サイトが直接カメラアクセスを採用しているのは、おそらく顔認証の信頼性を高めるためでしょう。事前に保存された画像ではなく、その場で撮影された生の映像を使うことで、なりすましを防止し、セキュリティを高めています。
なぜ気づきにくいのか?
この問題が気づきにくい理由はいくつかあります:
- 普段のスマホ操作では、カメラを使う際は専用アプリが起動することが多い
- Webサイト上でカメラを使う体験は比較的新しく、慣れていない人も多い
- ブラウザの権限設定は画面の目立たない位置にあることが多い
- エラーメッセージが具体的な解決策を示していないことがある
特に、今回は「カメラへのアクセスが拒否されました」といったメッセージも表示されず、カメラ画面が黒いままだったので、「設定を変更すれば解決する」と理解するのは難しかったようです。
まとめ
万博オンラインサイトでの顔登録ができない場合、ブラウザのカメラアクセス権限を確認してみましょう。「許可しない」から「許可」に変更するだけで問題が解決することがあります。サイト上でカメラを直接使う方式は、なりすまし防止やリアルタイム処理という利点がありますが、慣れないと戸惑うこともあります。この小さな設定変更で、スムーズに手続きを完了させることができます。