仕事の連絡でSlackを使っていると、同僚から「Slackのログイン方法を忘れたのでなんとかしてほしい」と聞かれることがあります。
ただ、このときどのメールアドレスを使うかは、本人しかわかりません。
Slackワークスペースは職場で管理していても、Slackアカウント自体は個人管理です。
この構造がややこしいので、話が噛み合わなくなります。
今回は、Slackのログインとワークスペース参加の関係を整理してみます。
1. 複数のプロジェクトに参加できる設計
まず、ポイントは、「会社でSlackを使っているのに、会社がアカウントを管理していない」という点です。
というのも、Slackは、「一人の人が、一つのSlackアカウントを持ち、複数の組織やプロジェクトに参加する」という前提で設計されているからです。
Slackアカウントは、メールアドレスを使って個人が作成します1。
パスワードの設定や認証方法の管理も、基本的には本人だけが行います。
一方で、Slackワークスペースは会社やチームが管理します。
管理者は、誰を招待するか、誰を削除するかを決められます2。
ここが少し面白いところで、業務で使うツールでありながら、会社がアカウントそのものを直接管理しません。
Slackアカウントは個人のものです。
会社が管理しているのは、ワークスペースに参加できるかどうかだけです。
Slackアカウント自体を削除したり、パスワードを変更・リセットしたりすることはできません。
Slackを使う上で混乱が生じやすい理由は、仕組みが二層構造になっている点にあると思います。
この境界線を意識していないと、「なぜ会社がログイン情報を知らないのか」という疑問が生まれます。
LINEに個人で登録してから、グループトークに参加する、というのと似ています。
2. ログインと参加は別の操作
Slackでやり取りできるようにするには、「ログイン」と「ワークスペース参加」が必要です。
最初に行うのは、Slackアカウントでのログインです。
これはSlackというサービス全体に対するログインで、個人の認証にあたります3。
次に必要なのが、ワークスペースへの参加です。
初回は、会社の管理者が、特定のメールアドレス宛に招待を送ります4。
本人がその招待を承認すると、自分のSlackアカウントにそのワークスペースが表示されるようになります。
ここでようやく「会社のSlackに入った」状態になります。
ただし、一度、ワークスペースに参加したら、Slackアカウントでログアウトしても、ログインし直せば自動的に参加中のワークスペースは表示されます。
なので、たとえば、新しいスマートフォンやパソコンで、Slackを使えるようにするには、Slackアカウントにログインするだけでよいわけです。
- ただしEnterprise Gridプランでは、SCIM(System for Cross-domain Identity Management)を使った一元管理も可能です。この場合、組織の管理者が認証基盤(IdP)を通じてアカウントのプロビジョニングやデプロビジョニングを行えます。 – Manage members with SCIM provisioning | Slack
- Slackには複数の管理者役割が存在します。Workspace Primary Owner(ワークスペースの最高責任者)、Workspace Owners、Workspace Admins、そしてEnterprise GridではOrg Primary OwnerやOrg Ownersなど、階層的な権限構造があります。 – Types of roles in Slack | Slack
- 同一のメールアドレスを使って複数のワークスペースに参加できますが、各ワークスペースごとに別々のアカウントが作成されます。つまり、一つのメールアドレスで複数のSlackアカウントを持つことになります。 – Join a Slack workspace | Slack
- Enterprise Gridでは、ワークスペースへのアクセス設定を「Open(誰でも参加可能)」「By Request(リクエスト承認制)」「Invite Only(招待制)」「Hidden(非公開)」の4段階から選択できます。 – Understanding Slack Policies and Settings for Teams