アプリのインストールとAppleアカウントのパスワード

App Storeでアプリをインストールしようとしたら、Appleアカウントのパスワード入力を求められました。
このパスワードを設定するタイミングはいつですか?

いまはパスワードが確認できないのですが、Face IDを登録すれば顔認証でアプリのインストールはできますか?

また、Appleサイトで「(Apple以外の)アプリをインストールする際、このパスワードでなく、アプリパスワードなるものを作成して、それを利用するのが安全」みたいに書いてありました。この方法がどうでしょう?

Appleアカウントのパスワードは、購入して初期設定時に設定することがほとんどです。以前は、「Apple IDのパスワード」と言いました。

確かに、iPhoneでFace IDを登録すればその後、App Storeでのアプリのインストールではそれを使えるようになります。ただし、初めてApp StoreでFace IDを使うときはAppleアカウントのパスワード認証があるので、確認しておく必要はあります。

「Appleアカウントのアプリパスワード」は、ちょっと別物。App Storeで他社製アプリのインストールするときには、直接関係ありません。アプリパスワードを使うタイミングは、他社製アプリでiCloudなどと連携するときです。これは、いわば「Appleアカウントの合鍵」の役割をします。

Appleアカウントパスワードの基本

Appleアカウントのパスワードは、以前は「Apple IDのパスワード」と呼ばれていました。このパスワードは主に新しいiPhoneを購入して初期設定を行う際に設定するケースが一般的です。また、パスワードを忘れてリセットした場合や、Appleアカウントを新規作成した際にも設定することになります。

このパスワードは単なる暗証番号ではなく、Apple製品やサービス全体へのアクセス権を管理する重要な鍵のようなものです。アプリのインストールだけでなく、iCloudへのデータ保存や、Apple Musicなどの有料サービスの利用においても使用されます。

パスワードを忘れた場合の対処法

Appleアカウントのパスワードを忘れてしまった場合は、以下の方法でリセットできます。

  1. iPhoneの「設定」アプリから、画面上部に表示されている自分の名前をタップ
  2. 「パスワードとセキュリティ」を選択
  3. 「パスワードを変更」をタップ

もしくは、別のデバイスやパソコンからappleid.apple.comにアクセスして「パスワードを忘れた場合」を選択します。その後、登録済みのメールアドレスにリセット用のリンクが送られてきます。

パスワードをリセットしたら、新しいパスワードでApp Storeにサインインし、前述のFace ID設定を行うと、以降はスムーズにアプリのインストールができるようになります。

App Storeでパスワードを求められるタイミング

App Storeでアプリをダウンロードしようとして、パスワードを求められるケースは主に次のようなときです。

  1. 一定期間(通常は90日程度)パスワード認証を行っていない場合
  2. デバイスで初めてApp Storeを利用する場合
  3. 支払い情報に関連する変更を行う場合
  4. 有料アプリを購入する場合

システムの安全性を保つために、定期的な本人確認としてパスワードの入力が求められるのです。これはクレジットカードの不正利用や、意図しない購入を防ぐためのセキュリティ対策の一環と言えます。

Face IDによる認証への移行

パスワードを思い出せない状況でも、Face IDがあれば将来的に便利になります。Face IDを設定すると、アプリのインストール時にパスワード入力の代わりに顔認証で簡単に認証できるようになります。

ただし注意点があります。Face IDをApp Storeで初めて使用する際には、一度だけAppleアカウントのパスワード入力が必要です。これは、本人確認と顔認証の紐付けを行うためのセキュリティ対策です。つまり、完全にパスワードなしで設定できるわけではありません。

スマートフォンのロック解除と違い、お金に関わる部分では最初の一回は強固な認証を求められるのです。これは、財布の鍵を初めて作る際には本物の鍵が必要なことに似ています。

Face ID設定と利用の具体的な手順

Face IDを設定するには、まず「設定」アプリから「Face ID とパスコード」を選択します。パスコード(端末のロック解除に使う暗証番号)を入力した後、「Face ID を設定」をタップして画面の指示に従い顔のスキャンを行います。

Face IDをApp Storeでの購入認証に使用するには、「設定」>「Face IDとパスコード」で「iTunes StoreとApp Store」をオンにする必要があります。

この設定により、iPhoneのiTunes StoreやApp Storeでのアプリ購入時には、「サイドボタン」をダブルクリックしてFace ID認証を行います。顔をスキャンするだけで認証が完了します。顔認証に失敗した場合は、代替手段としてパスコードの入力も可能です。

セキュリティとユーザビリティのバランス

Appleのこうした認証システムは、セキュリティとユーザビリティ(使いやすさ)のバランスを取るための工夫と言えます。パスワードだけに頼ると覚えにくく入力も面倒ですが、生体認証だけでは安全性に不安が残ります。

Optic ID、Face ID、およびTouch IDは、ユーザのパスコードまたはパスワードに取って代わるものではありません。代わりに、適度な使用範囲と時間の制約の中でデバイスへの簡単なアクセス方法を提供します

Face IDという生体認証を導入しつつも、重要な局面では従来のパスワード認証も併用するという多要素認証の考え方を取り入れることで、利便性と安全性を両立させているのです。

アプリパスワードとの混同に注意

Appleの公式サイトには「アプリパスワード」という別の概念も紹介されています。これはApp Storeでのアプリインストール時の認証とは別物です。アプリパスワードは「Apple以外のデベロッパが開発したアプリ(例えばMicrosoft Outlookのようなサードパーティのメールアプリ)でiCloudなどのデータにアクセスする」ために使うもので、Apple AccountにサインインするためのApple Accountにサインインできる

アプリパスワードは「Appleアカウントの合鍵」のような役割を果たします。本来のパスワードよりも限定された権限を持ち、必要に応じて作成・削除できるため安全性が高いのです。家の玄関の鍵をすべて渡すのではなく、特定の部屋だけ開けられる鍵を作るようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、この仕組みはApp Storeでアプリをインストールする際の認証問題を解決するものではありません。

まとめ

App Storeでアプリをインストールする際のAppleアカウント認証は、Face IDを活用することで便利になります。ただし、初回設定時には従来のパスワードが必要です。アプリパスワードはApp Storeの認証とは異なる目的で使用される別の仕組みであることも理解しておくことが重要です。パスワードを忘れた場合は公式の手順でリセットし、その後Face IDを設定することで、セキュリティを保ちながら快適なアプリインストール体験が実現できます。