- 縦書きメーカー ことのはっと
〜「ハッ」とする言の葉が頭の上にひらめいたら、縦書きイメージで留めよう!
はじめに
前回の記事で紹介した縦書きWebアプリ「ことのはっと」の開発記録に続き、今回はネーミングとロゴデザインの制作過程を詳しく記録します。

アプリケーションの名前とビジュアルアイデンティティは、ユーザーとの最初の接点となる重要な要素です。技術的な機能がどれほど優れていても、名前やデザインがユーザーに響かなければ、アプリを使ってもらうことは難しくなります。
ネーミングの出発点:機能重視からの脱却
開発当初、アプリの名前は「わたしの名言ジェネレーター」でした。この名前は機能を正確に表現していましたが、親しみやすさに欠けていました。「ジェネレーター」という横文字が日本語の縦書きという和風な機能と調和していなかったのです。また、長い名前は覚えにくく、口に出して言いにくいという問題もありました。
そこで、機能を説明するだけの名前ではなく、使う人が愛情を感じられる名前が必要だったのです。日本語の美しさを表現するアプリにふさわしい、日本語らしい響きを持った名前を考えてみることにしました。
言葉の組み合わせから生まれた名前
新しい名前を考える過程で、いくつかの候補が挙がりました。その中で最も魅力的だったのが「ことのはっと」でした。
この名前は二つの要素から構成されています。「言の葉(ことのは)」は日本語で「言葉」を意味する美しい表現です。「はっと」は驚きや発見を表す擬音語で、新しい発見や感動の瞬間を表現しています。
名前に込められた意味と音の響き
「ことのはっと」という名前には、複数の意味が重ねられています。美しい言葉に出会ったときの「はっと」する瞬間。文字を入力して縦書きの美しさに気づく驚き。そして、日本語の持つ繊細な美しさを再発見する喜び。ひらがなで表記することで、親しみやすさと日本的な柔らかさを表現しました。
「ことのはっと」は音の響きも良く考えられています。「こ・と・の・は・っ・と」という6音のリズムは、日本語として自然で覚えやすいものです。最後の「っと」が軽やかな印象を与え、堅苦しさを和らげています。この響きは、アプリを使う楽しさや軽快さを表現しています。難しい操作を必要とせず、気軽に美しい縦書きを作れるというアプリの特徴とも合致しています。
ロゴデザインのコンセプト設計
和風デザインの方向性と帽子というアイデア
「ことのはっと」という名前が決まると、次はロゴデザインの検討が始まりました。アプリの機能が日本語の縦書きということもあり、ロゴも和風のデザインにしました。
ロゴのモチーフとして「帽子風」というアイデアが提案されました。帽子は頭を覆うものであり、知性や学習、文化的な活動を象徴するアイテムです。最初に3つの異なる帽子のデザイン案を作成しました。烏帽子風、笠帽子風、学者帽風の3種類です。特に日本の伝統的な帽子である烏帽子(えぼし)は、平安時代から続く高貴で知的な印象を持つアイテムです。
筆の配置とバランス調整
ただし、帽子だけでは文字を書くという機能が伝わりにくいため、筆を追加することにしました。烏帽子と筆を組み合わせることで、「知的な文字文化」というコンセプトを視覚的に表現できます。アプリの持つ「美しい日本語を書く」という機能を的確に伝えています。
烏帽子に筆を追加する際は、バランスが重要でした。筆を右下に斜めに配置することで、動きと安定感を両立させました。筆先からの小さな墨だれで「書く」という行為を表現しています。
色彩設計の工夫
アイコンの背景色は、アプリで使用される「紙の色」と同じグラデーションを使用しました。これにより、アイコンとアプリ内のデザインに一貫性が生まれます。烏帽子と筆の色は落ち着いた黒系統で統一し、上品で読みやすい印象を保ちました。装飾線には薄い色を使用し、細部の美しさを表現しています。
ブランディングの統合効果と一貫したユーザー体験
名前とロゴが決まることで、アプリ全体のブランドアイデンティティが確立されました。「ことのはっと」という親しみやすい名前と、上品な和風ロゴが組み合わさることで、ユーザーに一貫した印象を与えます。
アプリを開く前からユーザーは、このアプリが日本語の美しさを大切にするツールであることを理解できます。期待値の設定と実際の体験が一致することで、満足度が向上します。
また、愛着のある名前とロゴは、開発する側のモチベーションも向上させます。機能的な名前だった時期と比べて、アプリに対する感情的な愛着が生まれました。
まとめ
「ことのはっと」のネーミングとロゴデザインは、機能中心の思考から感情重視の発想への転換点でした。「言の葉」と「はっと」を組み合わせた名前は、日本語の美しさと発見の喜びを表現し、烏帽子と筆を組み合わせたロゴは伝統と現代性の融合を視覚化しました。
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