- 通常は、Officeのライセンスは、Microsoftアカウントの管理画面「サブスクリプション」にあるはずです。
- しかし、ない場合もあり、その場合は「setup.office.com」やメーカーサポートページにアクセスするとうまくいくことがあります。
1. Microsoft 365との重複で起こるライセンス問題
Microsoft Officeを使っていると、意外に複雑なのがライセンス管理です。特にOEM版(パソコンに最初から入っているOffice)を使っている場合、Microsoft 365のサブスクリプションと重複してしまう問題が発生することがあります。
この現象は家庭や職場でよく見られます。元々Office 2021などのOEM版を使っていたのに、何らかの理由でMicrosoft 365を契約し、その後サブスクリプションを解約すると、元のOfficeが使えなくなってしまうのです。
1.1. 実践的な3つの解決アプローチ
問題が発生した場合の解決手順は段階的に進めるのが効率的です。
- まず、Microsoftアカウントでサインインして、過去に登録したOfficeがないか確認します。複数のアカウントを持っている場合は、それぞれで確認が必要です。
- うまくいかない場合は、setup.office.comにアクセスして、手元にあるプロダクトキーまたはPC内から確認したキーを入力してみます。これで解決する場合が最も多いです。
- それでも解決しない場合は、パソコンメーカーのサポートサイトでOfficeのダウンロードオプションを探すか、Microsoft公式サポートに直接問い合わせることになります。
2. OEM版のMicrosoftアカウント紐付けの仕組み
現在のOffice(2019年以降)では、PC同梱のOfice(OEM版)であっても、Microsoftアカウントへの紐付けが必須となっています1。初回セットアップ時にアカウントでサインインして、ライセンスを登録する必要があります。
古いバージョン(Office 2016以前)では、アカウントなしでも使える場合がありましたが、現在はライセンス管理は一元化され、ほぼ例外なくMicrosoftアカウントが必要です。
2.1. ライセンス重複問題の発生メカニズム
一度登録されたライセンスは、そのMicrosoftアカウントで管理されます。しかし、ここに落とし穴があります。
- まず、OEM版のOfficeを使っていて、Microsoftアカウントに登録済みの状態があります。
- 次に、Microsoft 365のサブスクリプションを同じアカウントで契約します。
すると、同じMicrosoftアカウントに両方のライセンスが登録されることになります。この時点では問題は表面化しません。両方のライセンスが共存しているからです。
しかし、Microsoft 365を解約すると、システムがOEM版のライセンスを正しく認識しなくなる場合があります。これが「元のライセンスに戻らない現象」です。
3. Office 2021の再インストール時の3つの方法
この場合、Officeを再インストールして、ライセンス認証をやり直す必要があります。
通常は、Microsoftアカウント管理画面に表示されるライセンス情報から、インストール用のプログラムをダウンロードできます。
しかし、Office 2021を再インストールする際、通常のMicrosoftアカウント管理画面には表示されないこともよくあります。特に、パソコンを購入時にセットになっているOEM版の管理は、通常のサブスクリプション版とは異なるシステムで行われているためです。
そのときには、専用のダウンロードページである「setup.office.com」を使います2。ここでプロダクトキー(25文字の英数字)を入力して、Microsoftアカウントに関連付けると、インストーラーをダウンロードできます。
あるいは、パソコンメーカーによっては一般的なOffice.comとは完全に別の仕組みで、メーカーのサポートサイトからダウンロードする場合もあります。
3.1. プロダクトキーの確認方法(slmgr /dli)
Microsoft Officeのプロダクトキーは、PC内に記録されている情報から確認できる場合があります。
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、
- 「slmgr /dli」または
- 「wmic path softwarelicensingservice get OA3xOriginalProductKey」
を実行すると、ライセンス情報が表示されることがあります3。
また、PowerShellでは
「(Get-WmiObject -query ‘select * from SoftwareLicensingService’).OA3xOriginalProductKey」
コマンドも使用できます。
ただし、OEM版の場合、プロダクトキーがBIOSに埋め込まれていて、通常の方法では確認できない場合もあります4。この場合は、専用ツールの使用やメーカーサポートへの問い合わせが必要になります。
4. まとめ
Microsoft Office OEM版のライセンス管理は、Microsoftアカウントとの紐付けが必須でありながら、通常のサブスクリプション版とは異なる管理システムを使用しています。Microsoft 365との重複契約時には、解約後にOEM版ライセンスが正しく認識されない問題が発生する可能性があります。再インストール時は、setup.office.comを使用し、プロダクトキーはコマンドラインツールで確認できる場合があります。
- Office 2019より前のバージョンでは、プロダクトキーのみでのライセンス認証も可能でしたが、現在はセキュリティ強化とライセンス管理の一元化のため、Microsoftアカウントとの紐付けが標準仕様となりました。 – Office のライセンス認証を行う
- setup.office.comは、Microsoft Office製品の初回セットアップおよび再インストール専用のポータルサイトです。通常のMicrosoft 365管理ページとは異なるシステムで運用されています。 – Office をダウンロードしてインストールまたは再インストールする
- slmgrはSoftware Licensing Manager(ソフトウェアライセンシングマネージャー)の略で、Windowsのライセンス管理を行うコマンドラインツールです。wmicはWindows Management Instrumentation Command-lineの略で、システム情報を取得するためのコマンドです。 – slmgr.vbs オプション
- UEFI/BIOSに埋め込まれたライセンス情報は、OA3.0(OEM Activation 3.0)という仕組みで管理されており、ハードウェア固有の情報として保存されています。この場合、通常のコマンドでは取得できないことがあります。 – OEM ライセンス認証 3.0