- パソコンが「No Bootable Device」で起動しなくなった。 原因を調べたら、BCDファイル(起動設定データ)が完全に消失してました。回復ドライブからbcdbootコマンドで再作成したものの、UEFIファームウェア側の認識問題が残ってて一筋縄じゃいかず…
はじめに
パソコンを起動しようとしたところ、「No Bootable Device」というエラーが表示され、Windowsが全く起動しなくなるトラブルが発生しました。回復ドライブを使った修復作業を通じて、この問題の根本原因を特定するまでの過程を記録します。
単純な起動トラブルと思われた問題が、実は複数の深刻な問題が重なった複雑なケースであることが判明しました。同様の問題に直面した方の参考になれば幸いです。
初期症状と環境
発生した症状
パソコンの電源を入れると、青い画面に「No Bootable Device」と表示され、その後は何も操作できない状態になりました。前日まで正常に動作していたため、突然の症状でした。
使用環境
- 機種: Gateway(Acer)製ノートパソコン
- ストレージ: 931GB SSD(TS128SSD220E)
- ブートモード: UEFI
- OS: Windows(詳細バージョンは起動不可のため不明)
回復ドライブからの診断開始
ディスク構成の確認
まず、回復ドライブからコマンドプロンプトを起動し、ディスクの状態を確認しました。diskpartコマンドを使用して調査した結果は以下の通りです。
diskpart
list disk
Code language: PHP (php)
この結果、2つのディスクが認識されました。
- ディスク0: 931GB(メインのSSD)
- ディスク1: 28GB(回復ドライブのUSBメモリ)
メインディスクは正常に認識されているため、物理的な故障ではないことが確認できました。
パーティション構成の詳細調査
次に、メインディスクのパーティション構成を確認しました。
select disk 0
list partition
Code language: PHP (php)
パーティション構成は以下のようになっていました。
- Partition 1: プライマリ、50MB(EFIシステムパーティション)
- Partition 2: プライマリ、980GB(メインのWindowsパーティション)
- Partition 3: 回復、589MB(回復パーティション)
パーティション自体は正常に存在していることが確認できました。しかし、EFIシステムパーティションの詳細を調査したところ、重要な発見がありました。
重要な発見:BCDファイルの欠損
EFIシステムパーティションの調査
EFIシステムパーティション(起動に必要な重要なファイルが保存される領域)を詳しく調査するため、一時的にSドライブとして割り当てました。
select partition 1
assign letter=S
この領域の内容を確認すると、EFIフォルダやMicrosoftフォルダは存在していましたが、最も重要なBCDファイル(Boot Configuration Data)が見つかりませんでした。
BCDファイルとは、Windowsの起動設定を管理する重要なデータベースファイルです。家に例えると、玄関の鍵のような役割を果たします。このファイルがないと、どんなにWindowsのファイルが正常でも起動できません。
起動修復コマンドの実行結果
標準的な起動修復コマンドを順次実行しました。
bootrec /fixmbr
このコマンドは正常に完了しました。
bootrec /fixboot
このコマンドでは「アクセスが拒否されました」というエラーが発生しました。
bootrec /rebuildbcd
このコマンドでは「要求されたシステムデバイスが見つかりません」というエラーが発生しました。
これらの結果から、通常の自動修復では解決できない深刻な問題があることが明らかになりました。
BCDファイルの手動再作成