パソコンにWordがインストールされていない。でもレポートや資料を作成する必要がある。このような場面は意外と多く発生します。学校や職場の共用パソコン、新しく購入したパソコン、友人のパソコンを借りる場面など、様々な状況が考えられます。
従来なら、別のパソコンからUSBメモリにWordファイルをコピーして持参するか、Officeソフトを購入・インストールする必要がありました。しかし、現在はOneDriveとWord Onlineを活用することで、これらの問題を解決できます。
この記事では、実際にWordなしのパソコンで文書作成から印刷、USB保存、他の人への受け渡しまでを行う手順を詳しく解説します。特に、USBメモリに保存されたファイルの編集方法や、作業後のファイル管理についても具体的に説明します。
OneDriveとWord Onlineの基本的な仕組み
- OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスです。
クラウドストレージとは、インターネット上にファイルを保存できる仕組みのことで、いわば「ネット上のUSBメモリ」と考えると理解しやすいでしょう。
- Word Onlineは、ブラウザ上で動作するWordの簡易版です。
パソコンにWordがインストールされていなくても、インターネットに接続されていればすぐに利用できます。機能は通常のWordと比べて制限がありますが、基本的な文書作成、編集、書式設定は十分に行えます。
重要なのは、Word Onlineで作成した文書は自動的にOneDriveに保存される点です。保存操作を忘れる心配がありません。また、作業中の変更も数秒ごとに自動で保存されるため、パソコンが突然シャットダウンしてもデータを失うリスクは最小限に抑えられます。
また、OneDriveには版履歴機能があります。ファイルを右クリックして「版履歴」を選択すると、過去の編集内容を確認したり、以前の状態に戻したりできます。重要な変更を行う前に、この機能を把握しておくと安心です。
新規文書作成の実際の手順
まず、ブラウザでOneDriveにアクセスします。
Microsoftのスタートページにある「メニュー」からもOneDriveにアクセスできる
URLは「https://onedrive.live.com」です。Microsoftアカウントでサインインが必要ですが、無料アカウントでも十分に利用できます。
サインイン後、画面上部にある「新規」ボタンをクリックします。表示されるメニューから「Word文書」を選択すると、ブラウザ内でWord Onlineが起動します。この時点で、既に新しい文書がOneDrive上に作成されています。
OneDriveの「マイファイル」からWord文書を作成できる
Word Onlineでは、通常のWordの簡易版で、基本的な機能は概ね利用できます。文字入力、フォント変更、太字や斜体の設定、段落の配置変更など。ただし、高度な図形描画や複雑な表作成などの機能は制限されています。
ブラウザの中にWordが表示される
文書作成中は、画面上部に「保存中」や「保存済み」といった表示が現れます。これは自動保存が動作している証拠です。手動で保存操作を行う必要はありません。
いったんPDFにして印刷する
Word Onlineから直接印刷を行う場合、通常のWordとは少し手順が異なります。まず、「ファイル」メニューから「印刷」を選択します。すると、「印刷」ボタンが再度表示されるので、これをクリックします。
この操作により、印刷可能なPDF形式のファイルが自動生成されます。画面には「ここをクリックしてドキュメントのPDFを表示する」というリンクが表示されるので、これをクリックしてPDFを開きます。
PDFが表示されたら、ブラウザの印刷機能を使って印刷を実行します。この方法の利点は、印刷時の書式崩れを防げることです。Word文書を直接印刷する場合、プリンターの設定や用紙サイズによって予期しないレイアウト変更が発生することがありますが、PDF経由であればより安定した印刷結果を得られます。
作った文書ファイルをUSBメモリに保存する
OneDriveで作成した文書をUSBメモリに保存するには、まずパソコンにファイルをダウンロードする必要があります。Word Onlineで文書を開いた状態で、「ファイル」メニューから「コピーの作成」を選択し、続けて「コピーのダウンロード」をクリックします。