1. はじめに
Windowsの標準バックアップ機能を使って定期的にデータを保存している際、突然「一部のファイルがスキップされました」という警告が表示されることがあります。この警告の背景には、OneDriveの同期設定が関わっていることが多く、適切に対処すれば問題を解決できます。
今回は、実際にこの問題に直面した体験をもとに、原因の特定から解決までの過程を詳しく解説します。
2. 問題の発症状況
バックアップ作業中に表示されたエラーメッセージは「STATUS_WAIT_2 (0x80070002)」でした。このエラーコードは、システムが指定されたファイルを見つけられない状態を示しています。
具体的には、OneDriveフォルダ内のMusicディレクトリにあるファイルをバックアップしようとした際に問題が発生しました。バックアップ自体は完了するものの、一部のファイルが処理されずにスキップされてしまいます。
3. 原因の分析
3.1. OneDriveの同期状態とファイル実体の関係
OneDriveには「オンデマンドファイル」という仕組みがあります。これは、クラウド上にファイルが保存されている状態で、ローカル(パソコン内)には実際のファイルデータではなく、ファイルへのリンク情報だけが保存される機能です。



この機能により、パソコンの容量を節約しながら、必要な時にファイルをダウンロードして使用できます。しかし、OneDriveの同期設定が無効になると問題が生じます。
3.2. 実体のないファイルが引き起こす問題
OneDriveの同期が切れた状態では、ローカルフォルダに残っているのは実際のファイルデータではありません。見た目はファイルが存在しているように見えますが、実際にはクラウド上のファイルを指すリンク情報だけが残っている状態です。
バックアップソフトウェアがこれらのリンクファイルにアクセスしようとすると、実際のデータが存在しないため処理に失敗します。これが「ファイルがスキップされる」現象の正体です。
4. 問題の特定方法
4.1. バックアップログの確認
まず、Windowsバックアップの詳細ログを確認します。エラーが発生したファイルのパスを特定することで、問題の範囲を把握できます。
今回のケースでは、OneDriveフォルダ内の特定のディレクトリでエラーが集中していることが判明しました。
4.2. OneDrive同期状態の確認
システムトレイのOneDriveアイコンを確認し、同期状態をチェックします。「サインインしていません」や「同期が一時停止中」などの表示がある場合、OneDriveが正常に動作していない可能性があります。
また、OneDriveフォルダ内のファイルアイコンを確認することも重要です。雲のマークが表示されているファイルは、ローカルに実体がない状態を示しています。
5. 解決手順
5.1. OneDriveフォルダの状態確認とフォルダ削除
問題のあるOneDriveフォルダにアクセスし、実際のファイル状況を確認します。同期が切れている場合、多くのファイルが「オンライン専用」状態になっており、実際のデータはローカルに存在しません。
OneDriveの再設定が困難な場合や、該当フォルダのデータが不要な場合は、OneDriveフォルダ自体を削除することで問題を根本的に解決できます。
【注意】 削除前には、重要なデータがないことを十分に確認する必要があります。OneDriveのウェブ版にアクセスし、必要なファイルがクラウド上に保存されていることを確認してから作業を進めます。
5.2. バックアップの再実行とライブラリ
OneDriveフォルダを削除した後、Windowsバックアップを再実行します。ただし、これだけではエラーはそのままでした。
実は、「ライブラリ」のドキュメントやミュージックに、ローカルとOneDriveのフォルダの両方が登録されていたのが原因でした。バックアップでは、「ライブラリ」に登録されている場所(パス)を参照していたのです。
変更するには、まずエクスプローラーの「表示」ー「オプション」から、「ライブラリを表示」を有効化します。そして、ライブラリを選択した状態で、「ライブラリの管理」から、不要な場所を削除しました。
これで問題のあったファイルパスが存在しなくなるため、スキップエラーは発生しなくなります。
6. 予防策と注意点
6.1. OneDrive設定の管理
OneDriveを継続して使用する場合は、同期設定を適切に管理することが重要です。定期的に同期状態を確認し、問題があれば早期に対処します。
6.2. バックアップ対象の見直し
クラウドストレージを使用している場合は、バックアップ対象から除外することも検討できます。クラウド上に既にデータが保存されているため、ローカルバックアップの必要性が低い場合があります。
6.3. 定期的な動作確認
バックアップの実行結果を定期的に確認し、エラーやスキップが発生していないかチェックします。問題の早期発見により、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。
7. まとめ
WindowsバックアップでOneDriveファイルがスキップされる問題は、OneDriveの同期状態とオンデマンドファイル機能の相互作用により発生します。同期が無効になった状態では、ローカルに実体のないリンクファイルが残存し、バックアップ処理時にエラーを引き起こします。
根本的な解決方法として、OneDriveフォルダの削除により問題を解消できることが確認できました。この対処により、STATUS_WAIT_2エラーは解消され、バックアップは正常に完了するようになります。