- Kyash Card Liteが終了しても、「Kyash Card バーチャル」として、アプリから
影響を受けるのはKyash Card Liteユーザー
Kyashから以下のようなメールが届きました1。

株式会社Kyashは2025年9月30日付でデジタルウォレットアプリ「Kyash」の利用規約を一部改定します。
本改定は、すでにご案内しておりますとおり、9月30日(火)18時をもちましてKyash Card Liteのサービスを終了させていただくことに伴うものです。
今回のサービス終了で影響を受けるのは、「Kyash Card Lite」という実物のプラスチックカードを使っている方です2。


Kyashの3つのカードタイプ
Kyashには現在、3種類のカードがあります。それぞれの特徴を理解すると、今回の変更がより明確になります。
- 最初に「Kyash Card Virtual」があります。
これはバーチャルカード、つまり実物のないデジタルカードです。メールアドレスと電話番号だけで無料で発行でき、ネットショッピングやApple Pay・Google Payでの支払いに使えます。ポイント還元率は最大0.5%です。 - 次に、今回終了する「Kyash Card Lite」です。
発行手数料300円で作れる実物のカードで、本人確認が不要という手軽さが特徴でした3。国内の実店舗とネットショッピングで使えますが、海外の実店舗では使えません。ポイント還元率は最大0.5%です。 - そして「Kyash Card」があります。
発行手数料は900円で、本人確認が必要です4。ICチップが搭載されているため、国内外の実店舗やネットショッピング、どこでも使えます。ポイント還元率は最大1%と、3種類の中で最も高い還元率です。
なぜKyash Card Liteは終了するのか(ICカード)
サービス終了の背景には、決済業界全体のセキュリティ強化があります。
従来の磁気ストライプ式のクレジットカードは、情報が読み取られやすく、偽造のリスクも高いという問題があります。そこで、Visaなどの国際ブランドは、セキュリティ対策の一環として、ICカードの発行を義務付けました5。ICチップ式のカードは、暗号化された情報をやり取りするため、セキュリティが格段に向上します。
しかし、Kyash Card Liteは、ICチップが搭載されていない磁気ストライプ式のカードです6。
- 「磁気ストライプ」とは、カードの裏面にある黒い帯状の部分のことです。
クレジットカードなどでよく見かけるあの部分ですね。この磁気ストライプをレジの端末でスライドさせて決済を行います。 - 「ICチップ」は、カード表面にある小さな金色の四角いチップのことです。
端末に差し込んで暗証番号を入力したり、タッチするだけで決済できたりします。
また、店舗側でもIC決済端末を導入するようになり、結果として、磁気ストライプのみのカードが使えない店舗が増えてきたのです。
Kyash Card Lite終了で何ができなくなるの?
このサービス終了により、特に影響を受けるのは以下のような使い方をしている方です。
- 本人確認なしで手軽にカードを作って使っていた
- 実店舗でカード払いをよく利用している
Kyash Card Liteは本人確認不要で発行できたため、身分証明書の提出に抵抗がある方や、とりあえず試してみたいという方に選ばれていました。Kyashアプリによるバーチャルカードでは、実店舗でカード本体を使った決済はできなくなります(カード本体ではなく、iPhoneを使ったタッチ決済などは可能です)。
また、発行手数料を抑えたかった方や海外では使わず国内だけで十分という方にも影響があります。Kyash Card Liteは国内専用でしたが、300円という手頃な価格が魅力でした。ICチップ搭載のKyash Cardに切り替えると900円かかります。
終了スケジュールと対応策
サービス終了は段階的に進みます。
2025年4月10日18時には新規受付が終了しました。
2025年7月31日18時には再発行・有効期限更新の受付も終了します。
そして2025年9月30日18時、完全に利用できなくなります7。
対応策は2つあります。
- 1つ目はKyash Card Virtualへの切り替えです。
無料で切り替えられますが、ネットショッピングとApple Pay・Google Payでしか使えません。
実店舗でカード本体を使った決済はできなくなります。 - 2つ目はKyash Cardへの切り替えです。
発行手数料900円が必要ですが、切り替えキャンペーンで最大900円分のポイントが還元されます8。
実店舗でもネットでも使え、ポイント還元率も1%に上がります。ただし本人確認が必須です。
残高やポイントは、どちらに切り替えても引き継がれます9。カード番号は変更されるため、定期購入サービスなどに登録している場合は、新しいカード情報への更新が必要です10。
【補足】バーチャルカードからKyash Card Liteを有効化していた場合は?
あれっ?Kyash Card Virtualへの切り替えって必要なの?
もともとKyashアプリだけで使っていて、後でKyash Card Liteを発行したんだから、Kyashアプリでは、そのまま使えないのかな?
Kyash Card VirtualとKyash Card Liteの仕組みは、少しややこしいです。
- Kyashアプリに登録すると、最初に「Kyash Card Virtual」というバーチャルカードを発行できます11。
- その後、Kyash Card Liteを申し込んで届いたカードを「有効化」することでKyash Card Liteが発行されます。
このとき、実は、元のバーチャルカードの情報はリアルカードの情報に上書きされます12。つまり、Kyashアプリで表示されているカード情報は、有効化後はKyash Card Liteのものに変わっていたのです13。カード番号も変わり、元のバーチャルカードは使えなくなります。
サービス終了に伴い「Kyash Card Virtualへの切り替え」では、改めてKyash Card Virtualを発行し直すことになります14。大事なことは、カード番号も新しく変わることです15。そのため、ネットショッピングなどにカード情報を登録している場合は、新しいカード番号への変更手続きが必要です。
【追記】Kyash Card Liteがなくなると「バーチャルカードを発行」ボタンが表示された
2025年10月9日に、Kyashアプリを開いてみると、これまでのカード番号は表示されなくなっていました。

従来の残高はそのまま残っていて、「バーチャルカードを発行」というボタンがありました。
まとめ
Kyash Card Liteのサービス終了は、決済業界全体のセキュリティ強化に伴う変更です。
ICチップ非搭載の磁気カードから、よりセキュアなICチップ搭載カードへの移行が背景にあります。影響を受けるのは、本人確認不要で手軽に作れる実物カードを実店舗で使っていたユーザーです。2025年9月30日18時の完全終了までに、バーチャルカードまたはICチップ搭載のKyash Cardへの切り替えが必要となります。
- Kyash Card Liteは2025年9月30日(火) 18時に利用終了します。 – Kyash Card Liteサービス終了のお知らせ
- どうでもよいですが、プラスチックカードって、期限切れでもなんか廃棄するのがもったいない気がしますよね。
- Kyash Card Liteの発行手数料は300円です。 – リアルカード(Kyash Card/Kyash Card Lite)とは
- Kyash Cardの発行手数料は900円です。 – リアルカード(Kyash Card/Kyash Card Lite)とは
- 国際ブランドのセキュリティ対策の一環としてICカードの発行が義務付けられており、それに伴いIC決済端末も大幅に普及した結果、磁気カードのご利用が一部の店舗で拒否される事象が散見されております。 – Kyash Card Liteサービス終了のお知らせ
- Kyash Card LiteはICチップ非搭載の磁気カードです。 – Kyash Card Liteサービス終了のお知らせ
- サービス終了スケジュールは、2025年4月10日(木) 18時:新規受付終了、2025年7月31日(木) 18時:再発行・有効期限更新受付終了、2025年9月30日(火) 18時:利用終了となっています。 – Kyash Card Liteサービス終了のお知らせ
- 2025年6月12日(木)~7月31日(木)の期間中、Kyash Card Liteからの切り替えで最大900円分のKyashポイントがもらえるキャンペーンが実施されました(Kyash Card発行・有効化で600円分、本人確認完了で300円分)。 – Kyash Card Liteユーザーさま向け!Kyash Card切替で最大900円分のKyashポイントプレゼントキャンペーン
- Kyash Card Liteから切り替えた場合、残高やポイントは切り替え後の新しいKyash Cardに引き継がれます。 – Kyash Cardに関するご質問について
- Kyash Card Liteから切り替えた場合、カード番号・有効期限・セキュリティコードが変更されます。 – Kyash Cardに関するご質問について
- Kyashアプリに登録後、「バーチャルカード発行」をタップすることでKyash Card Virtualが発行されます。メールアドレスと電話番号の登録だけで無料ですぐに発行できます。 – バーチャルカード(Kyash Card Virtual)とは
- リアルカードの有効化を行うと、バーチャルカードの情報がリアルカードに上書きされ、リアルカードが使用できる状態になります。この時点でバーチャルカードの番号は使用できなくなります。 – Kyashのメリットとは。種類や使い方について解説
- 有効化することで、バーチャルカードの情報がリアルカードに上書きされます。 – Kyash リアルカード有効化でカード番号が変わるので注意
- QUICPay+対応のKyash Card LiteからVisaのタッチ決済対応のKyash Card Virtualへ変更する際、カード番号も変更されます。 – 新しいKyash Card Virtualへの切り替えでVisaのタッチ決済が使えるようになりました
- 有効化後、カード番号・有効期限・セキュリティコードが変更されます。残高やポイント、アカウント情報は引き継がれますが、ネットショッピングにカード情報を登録している場合は新しいカード情報への変更が必要です。 – リアルカード(Kyash Card/Kyash Card Lite)の有効化方法