- 2025年8月、plalaメールでOutlook2019を使用している環境で、突然メール送信ができなくなる問題が発生しました。受信は正常に動作するものの、SMTP接続エラーによって送信だけが失敗する状況でした。
- 設定の確認や再設定を試みても改善せず、最終的にMicrosoft Officeのアップデートによって問題が解決されました。
送信エラーの内容(0x80042109)
OutlookでplalaメールのIMAP/SMTP設定を使用していたら、次のエラーが表示されました。

メール受信は正常に動作し、新着メールも問題なく取得できます。しかし、メール送信時に「送信(SMTP)メールサーバーに接続できません」というエラーが表示され、送信が完全に失敗していました。
タスク ‘〜@〜.plala.or.jp – 送信中’ でエラー (0x80042109) が報告されました: 送信 (SMTP) メールサーバーに接続できません。このメッセージを引き続き受信する場合は、サーバー管理者かインターネット サービス プロバイダー (ISP) に問い合わせてください。
このエラーコード0x80042109は、SMTP サーバーへの接続が確立できない場合に表示される典型的なエラーです。
設定確認と調査結果
メール設定(IMAP/SMTP)とセキュリティの強化
plalaのメールサーバーでは、2025年5月にセキュリティが強化され、SSL/TLSによる暗号通信が必須になりました。
plalaメールに限らずこのようなセキュリティ強化があり、メール再設定が必要で戸惑うケースは多いです。
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ただし、このパソコンの場合は、既に2024年6月にメール設定のセキュリティ対応が済んでいて、最近(2025年8月26日)まで送受信ともに正常に動作していました。メール設定を確認すると、plalaの推奨設定に完全に準拠していたのです。
- IMAP受信設定では、サーバー名にimap.plala.or.jpを使用し、ポート番号993でSSL/TLS暗号化を有効にしていました。
- SMTP送信設定では、サーバー名にsecure.plala.or.jpを指定し、ポート番号587で暗号化を使用し、SMTP認証も正しく有効化されていました。
- ユーザー名には、メールアドレス全体(@以降も含む)を正しく入力していました。
パスワードロックと再設定の影響?
ところが、2025年8月26日からメールがつながらない状態になっていました。
実は、このメールアドレスについては、NTTドコモから郵送(8月25日)でパスワードの流出懸念などに関するお知らせがあり、予防的措置としてメールパスワードがロックされていたのです。



今回(2025年9月2日)は、plalaマイページからパスワードをリセットし、新しいパスワードでメール設定を更新しました。
ちなみに、plalaのメールパスワードは、初期設定のランダムなものでした。他のアカウントには影響なく、フィッシングサイトなどで入力している様子はありませんでした。不審な送信履歴もなかったので、ウェブメールでのログインなどが誤検知されたのかもしれません。
認証情報に問題がないのにOutlookから送信できない?
パスワード変更後、ウェブメールやスマートフォンでのOutlookアプリからは送受信ができるようになりました。
PCのOutlook 2019でアカウント設定を更新したところ、パスワードで受信テストを実行すると、メールは正常に受信できました。これにより、基本的な認証情報とサーバー設定に問題がないことが確認できます。
しかし、送信テストでは依然としてSMTP接続エラーが発生していました。設定の再確認、ファイアウォールの確認、一時的なセキュリティソフトの無効化なども試しましたが、状況は変わりませんでした。
Microsoft Officeのアップデート
当初は設定の問題と思われましたが、実際は異なっていたようです。メール設定は2024年6月から変更されておらず、plalaの推奨設定に完全に準拠していました。新しいパスワードも正しく設定されており、受信が正常に動作することで認証情報の正確性も確認できていました。
問題の本質は、Outlook自体のSMTP処理能力にあったようです。
解決の転機は、Microsoft Officeの手動アップデート。


- Outlookの「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」の順に操作します。
- すると、更新プログラムのインストール案内が表示されたのです。
- 「まもなく再起動する時間です(推定:4分)」という更新があり、パソコンを再起動すると、送信テストが正常に完了しました。
SMTP接続エラーは完全に解消され、メールの送受信ともに正常に動作するようになりました。
アップデート前後のバージョン(2507→2508)
Outlookのバージョン情報を確認すると、変化がありました。
アップデート前はバージョン2507(ビルド19029.20208)でした。
アップデート後はバージョン2508(ビルド19127.20154)に更新されていました。

今回の問題解決から推測すると、このアップデートによって、SMTP認証処理、特にパスワード変更後のSMTP再認証プロセスに関する修正や、SSL/TLS接続における証明書検証の強化、認証キャッシュの適切なクリア処理などが改善された、と考えられます。
もしかすると、パスワードリセット後、OutlookのSMTP認証で古い認証情報のキャッシュや認証プロセスに不整合が生じていたのかもしれません。
まとめ
今回の事例では、正しい設定にもかかわらずSMTP接続エラーが発生し、Microsoft Officeのアップデートによって解決されました。問題の原因は、パスワード変更後のOutlookのSMTP認証処理の不具合でした。
設定の問題と思われるメール送信エラーでも、実際はソフトウェア側の問題である場合があります。plalaメールでSMTP接続エラーが発生した際は、設定確認に加えてOutlookのアップデートも有効な解決策として検討する価値があります。