1. そのテレビは「スマートテレビ」か?
iPhoneの画面をテレビで大きく表示したいときには、いくつかのポイントを考える必要があります。
- テレビの対応状況(スマートテレビか)
- 接続方法(有線・無線)
- 何を表示したいか(動画配信、端末の操作画面、家族写真)
2011年頃から「スマートテレビ」という言葉が広く知られるようになりました。
最近のテレビは、インターネットへの接続機能とアプリの実行環境を内蔵しており、外部機器なしでNetflixやYouTubeを視聴できます。
スマートフォンの画面をそのまま映す「ミラーリング」や、AirPlay・Chromecast built-inといった無線連携機能を備えた機種も一般的になっています。
一方、それ以前のテレビでも、周辺機器を一つ追加するだけでスマートテレビに近い体験ができます。
2. 接続機器
主に接続に使われる機器は、いくつか種類がありますが、よく使われているのは、Fire TV StickやChromecastなどのストリーミングデバイスです。
ほかに、ケーブルでつなぐHDMIアダプタがあります。
2.1. 1. Fire TV Stick(ストリーミングデバイス)
Fire TV Stickは、テレビのHDMI端子に挿す小型端末で、独自のOSとCPUを内蔵した小さなコンピュータです。
リモコンで操作し、Wi-Fiでインターネットに接続し、アプリストアから追加インストールもできます。
このような機械を「ストリーミングデバイス」といい、よく使われるのが Amazon Fire Stick TVです。
同様の製品に、GoogleのChromeCastやAppleのApple TVなどがあります。
Amazonが製造・販売しているので、Amazon Prime Videoなどとはスムーズにつながりますが、それだけでなく、YouTubeやNetflixなどの動画配信アプリをテレビ上で直接動かせます。
スマートフォンやパソコンほど多機能ではありませんが、テレビで動画を楽しむ用途に特化した性能を持っています。
ポイントは、端末自身がWi-Fi経由でコンテンツを取得して再生する仕組みです。
iPhoneからは「キャスト」操作で表示させたい動画を指示することも可能で、YouTube・Netflix・TVerなどのアプリは標準搭載されています。
向いている使い方はこんな場面です。
- YouTubeや映画・ドラマを大画面で日常的に見たい
- テレビをつけたらすぐ動画が見られる環境にしたい
ただし、iCloudの写真をまとめて閲覧するなどには標準では対応しておらず、Fire Stickに「AirScreen」機能を追加して、iPhoneのAirPlayに待ち受けできるようにするのが一般的な使い方です。
- リモコンで操作して接続したテレビでPrime Videoを見られる
- Netflixなど他社の動画配信サービスの「アプリ」で見られる
- 「AirScreen」アプリを追加すれば、iPhoneのAirPlayにも対応できる
ストリーミングデバイスは、リモコンが入力機器、テレビを出力機器にした、インターネット接続できる簡易コンピュータなのです。
2.2. 2. HDMIアダプタ(有線)
TVを「ディスプレイ」として、iPhoneの画面を出力する方法もあります。
iPhone SEなら、Lightning端子に「Apple Lightning – Digital AVアダプタ」を挿し、HDMIケーブルでテレビとつなぎます。
テレビ側で入力切換を押すだけで、iPhoneの画面がそのまま映ります(ミラーリング)。
iPhoneの画像信号をケーブルで直接テレビへ送る仕組みなので、ネット環境は不要です。
- iCloudの写真を家族と一緒に見る
- iPhoneの画面を共有しながら説明したい場面
- Wi-Fiの設定など難しいことを一切したくない
ただし、ストリーミングデバイスと違って、iPhoneで見ている動画などを見るのには、適していません。
ひとつは、縦長画面をテレビに表示すると、小さく表示されてしまうし、iPhoneに届いたメッセージ通知などもテレビで表示されてしまうこと。
もう一つは、NetflixやAmazon Prime Videoなどの著作権保護コンテンツを再生するには純正品アダプタが必要で、サードパーティ製品では映らないことが多いことです1。
また、iPhoneを操作している間は画面が常に点灯するため、バッテリーを消費する点も覚えておいてください2。
本当に、iPhoneの画面での操作を見せたいときに使います。
2.3. 3. Apple TV 4K(無線)―iPhone・iCloudとの連携が最高
Apple TVは、ストリーミングデバイスの中でもApple製なので iPhoneやiCloudとの連携はよいです。
iPhoneを操作しなくても、テレビのリモコンだけでiCloud写真を閲覧できます。
これは、Wi-Fi経由でiCloudに直接サインインし、テレビ上にApple製のインターフェースを展開します。
- iCloud写真をテレビで日常的に見たい
- スライドショーを流しっぱなしにする
- iPhoneをつなぐ手間そのものをなくしたい
ただし、Fire TV Stickに比べると、やや高価です。
3. どれを選ぶか
| Fire TV Stick / Chromecast | HDMI有線アダプタ | Apple TV 4K | |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 端末自身がWi-Fiで動画を取得・再生 | iPhoneの画面をケーブルで直送 | テレビ側にApple環境を追加 |
| iCloud写真の閲覧 | 標準では非対応 | iPhoneを操作してミラーリング | テレビ側のアプリで直接閲覧 |
| 操作の主体 | テレビのリモコン | iPhone | テレビのリモコン |
| ネット環境 | 必要 | 不要 | 必要 |
| 初期コスト | 5,000円前後〜 | 数千円 | 2万円前後〜 |
| iPhoneとの親和性 | やや低い | 高い | 最高 |
| 普及度(推定) | ◎ 最も多い | ○ 所有者は多いが常用率は低め | △ 少ないが満足度は高い |
- 動画配信サービスを大画面で見るのがメインであれば、Fire TV StickやChromecastが適しています。
- 写真をたまに家族と見るくらいであれば、HDMIアダプタが最もシンプルな解決策です。
難しい設定がなく、ケーブルを挿せばすぐ使えます。 - テレビで iPhoneの思い出の写真のスライドショーを見たいなら、Apple TVがよいかもしません(ただし、Amazonのフォトストレージを使えば、Fire TV Stickでも同様のことは可能です)。
- HDCPはストリーミングコンテンツの不正コピーを防ぐデジタル著作権保護規格。Apple純正のLightning Digital AVアダプタはHDCP対応だが、非認証のサードパーティ製品はHDCP非対応のものが多く、Netflixなどの有料コンテンツを再生しようとすると画面が真っ黒になるかエラーが表示される。 – iPhone、iPad、iPod touch用Apple Digital AVアダプタについて – Apple サポート(日本)
- Apple純正のLightning Digital AVアダプタにはLightningポートが付属しており、映像出力中に充電ケーブルを挿してパススルー充電ができる。長時間使用する場合はこの機能を活用するとバッテリー切れを防げる。 – ライトニング用HDMI変換アダプタのおすすめ人気ランキング – マイベスト