はじめに
SNSで広告や告知を行う際、最初に目に入るのはアイキャッチ画像です。しかし、各SNSによって推奨サイズやアスペクト比が異なるため、一つの画像をそのまま使うと、大切な情報が見切れてしまうことがあります。この記事では、主要SNSに対応したアイキャッチ画像の作り方と、効率的な制作フローについてまとめました。

おおまかに言うと、
- PC用はYouTubeのサムネイルと同じ16:9(1920×1080)で用意するとよいと思います。
- モバイル用は、ストーリーズのサイズ9:16(1080×1920)を基本にして、上下 15%ずつ切れる想定で作るとちょうどよいと思います。この部分は、リールなどでもキャプションが重なりますし、フィード投稿サイズ(4:5、1080×1350)にするときにも切り抜くことになります(上下、285pxずつ)。

あとは、横長4:3や正方形1:1が必要な場面があります。
ただし、これは上記のトリミングではバランスがちょっと悪くなりますが、毎回必要でもないので、多少のアンバランスは、多めに見て、必要なときだけそれように画像レイアウトを再構成するとよいと思います。
主要SNSの推奨サイズとアスペクト比
| プラットフォーム | 投稿タイプ | 推奨サイズ(px) | アスペクト比 | セーフエリア・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| YouTube | サムネイル | 1280×720 | 16:9 | 右下は動画の長さ表示が被るため避ける 高解像度で作成し縮小すると画質向上 |
| フィード投稿 | 1080×1350 | 4:5 | 中心に重要情報を配置 | |
| グリッド表示 | 1080×1080 | 1:1 | プロフィール一覧では正方形表示 | |
| ストーリーズ | 1080×1920 | 9:16 | 上下250px(10%)はUIに隠れる可能性あり | |
| 通常投稿 | 1200×630 | 1.91:1 | 端がトリミングされる可能性あり OGP画像も同サイズ | |
| 正方形投稿 | 1080×1080 | 1:1 | 中央に重要情報を配置 | |
| X(旧Twitter) | 横長投稿 | 1200×675 | 16:9 | フィード内での視認性向上 |
| X(旧Twitter) | 縦長投稿 | 960×1280 | 3:4 | 正方形投稿も可能 |
YouTube
YouTubeのサムネイル画像は視聴者の目を引く重要な要素です。
- 推奨サイズ: 1280×720ピクセル
- アスペクト比: 16:9(横長)
- セーフエリア: 右下は動画の長さ表示が被るため、重要な情報は避ける
高画質なサムネイルを作るコツは、まず高解像度(例:3840×2160ピクセル)で作成し、最終的に推奨サイズに縮小することです。これによって鮮明な画像になります。
Instagramは複数の表示方法があり、それぞれに最適なサイズが異なります。
- フィード投稿: 1080×1350ピクセル(4:5)
- グリッド表示: 1080×1080ピクセル(1:1)
- ストーリーズ: 1080×1920ピクセル(9:16)
2025年現在、Instagramでは縦長の画像(4:5)が主流となっています。ただし、プロフィール画面ではすべての投稿が正方形のグリッドで表示されるため、中心に重要な情報を配置するのがベストです。
Facebookは横長の画像形式が基本です。
- 通常投稿: 1200×630ピクセル(1.91:1)
- 正方形投稿: 1080×1080ピクセル(1:1)
Facebookで特に注意したいのは、OGP画像(リンクを貼ったときに表示される画像)も同じサイズであることと、端がトリミングされる可能性があることです。
X(旧Twitter)
Xは複数のアスペクト比に対応しています。
- 横長投稿: 1200×675ピクセル(16:9)
- 縦長投稿: 960×1280ピクセル(3:4)
Xでは横長画像が基本ですが、正方形や縦長もサポートしています。フィード内での視認性を考えると、横長画像が効果的です。
セーフエリアを意識したデザイン
「セーフエリア」とは、画像がトリミングされたり、UIに隠れたりしても大丈夫な安全な領域のことです。カメラのファインダーで被写体を中央に配置するイメージに近いでしょう。
各SNS共通のセーフエリアの基本ルールは、「上下左右に10%程度の余白を確保する」ことです。この余白があれば、各プラットフォームでトリミングされても重要な情報が切れる心配が少なくなります。
特に注意すべきポイントは以下の通りです:
- Instagram ストーリーズ: 上下250ピクセル程度はUIに隠れる可能性があるため避ける
- YouTube: スマホ表示時に右下に動画の長さが表示されるため、その部分に重要な情報を置かない
- Facebook/X: 端が自動的にトリミングされる場合があるため、中央寄せでデザイン
効率的な制作フロー
複数のSNSに対応した画像を効率よく作るには、以下のステップがおすすめです:
- まず最も大きなサイズで元画像を作成する
- 重要な要素(テキストやロゴ)はセーフエリア内に配置する
- 各SNS用に必要なサイズにトリミング・リサイズする
具体的には、以下の2つのアプローチが考えられます:
縦長ベースのアプローチ
縦長のInstagramフィード(4:5)を基準に作成し、他のSNSにトリミングする方法です。この場合:
- 元画像:1080×1350ピクセル(4:5)
- 横長SNS用には中央部分をトリミング
横長ベースのアプローチ
YouTubeサムネイル(16:9)を基準に作成し、他のSNSにトリミングする方法です。この場合:
- 元画像:1280×720ピクセル以上(16:9)
- 縦長SNS用には両サイドを切り落とすか、余白を追加
どちらのアプローチでも、重要な情報はすべてのSNSで見える中央部分に配置することがポイントです。テレビ番組のテロップが画面中央に配置されるのと同じ理由です。
実践的なデザインのコツ
効果的なアイキャッチ画像を作るためのコツをいくつか紹介します:
- トリミングガイドを作っておく 制作段階でさまざまなアスペクト比(1:1、16:9、4:5など)のガイドラインを設定しておくと、各SNSでどう見えるかが確認できます。
- テキストは読みやすく、かつ少なく 小さなサムネイルでも読める大きさのフォントを使い、伝えたい内容は簡潔にします。
- コントラストを意識する 背景と文字の色には強いコントラストをつけると、スマホの小さな画面でも視認性が高まります。
- 高解像度で作成する 元の画像は推奨サイズよりも大きな解像度で作成し、最終的に縮小することで画質の劣化を防ぎます。
まとめ
異なるSNSプラットフォーム間で一貫したビジュアルを維持するには、セーフエリアを意識した画像設計が不可欠です。YouTubeなら16:9、Instagramなら4:5と、各SNSに最適なアスペクト比はありますが、重要な要素を中央10%程度のエリアに配置することで、どのプラットフォームでも見切れのない効果的なアイキャッチ画像を作成できます。
最終的には、目的と主要なプラットフォームを優先順位付けし、それに合わせた制作フローを確立することが、効率的なSNSマーケティングの鍵となるでしょう。