生態系が崩壊しないための種の多様性と安定性の数理

生態系の持続性を決める要素 エネルギー 制約 複数の 負フィード バック 適切な 構造 制約の 持続性 = 種数 × エネルギー × 構造 × 制約の質

はじめに:素朴な疑問から

生態系について考えると、不思議なことに気づきます。ライオンのような強い捕食者がいるのに、なぜ獲物を食べ尽くして自滅しないのでしょうか。種の数が少ないと、ちょっとしたバランスの崩れで絶滅が連鎖しそうです。

一方で、種が多すぎても複雑になりすぎて不安定になりそうに思えます。実際、1972年に生態学者ロバート・メイは、種が増えるほど生態系は不安定になるという理論を発表しました。

しかし、現実の熱帯雨林は何百種もの生物が共存しながら、何千年も安定しています。この矛盾はどう説明できるのでしょうか。

数学的に掘り下げてみると、生態系の安定性には明確な原理があることがわかります。

エネルギーの流れ:すべての出発点

太陽エネルギーから始まる制約

生態系を理解する第一歩は、エネルギーの流れを追うことです。すべては太陽光から始まります。

エネルギーの流れ:10%則 太陽光 100% 1% 植物 1% 10% 草食 動物 0.1% 10% 肉食 動物 0.01% 各段階で約10%のみ次へ → 頂点捕食者は必然的に希少 → 食物連鎖は通常4段階まで

植物が光合成で太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する効率は、わずか1%程度です1。降り注ぐ光の多くは、波長が合わなかったり、反射されたり、呼吸で消費されたりして失われます。

次に、草食動物が植物を食べます。ここでも効率は約10%です2食べた植物のエネルギーのうち、体の組織になるのは1割だけ。残りの9割は、消化できずに排出されるか、体温維持や活動のために消費されます。

この10%という数字は「10%則」と呼ばれ、生態系の基本法則です。肉食動物が草食動物を食べる段階でも、頂点捕食者がその上に立つ段階でも、同じように約10%しか次の段階に伝わりません

頂点捕食者が希少な理由

数式で表すと、n段階目の生物が利用できるエネルギーは次のようになります。

E_n = E_0 × 0.01 × 0.1^n

ここでE_0は太陽エネルギー、0.01は光合成効率、0.1^nは各段階での変換効率です。

具体的に計算してみましょう。アフリカのサバンナで、年間に降り注ぐ太陽エネルギーは1平方メートルあたり約7500メガジュールです。

植物が利用できるのは75メガジュール(1%)。草食動物が利用できるのは7.5メガジュール(さらに10%)。肉食動物は0.75メガジュール。頂点捕食者になると、わずか0.075メガジュールしか残りません。

これを生物量(バイオマス)に換算すると、1ヘクタールあたり植物が37,500kg、草食動物が3,750kg、肉食動物が375kgとなります。実際の観測値とほぼ一致します3

  • セレンゲティ国立公園の草食動物密度:約4,000 kg/ha ✓
  • 肉食動物密度:約350 kg/ha ✓

ライオンのような頂点捕食者の個体数が少ないのは、エネルギーの流れという物理法則による必然なのです。もし5段階目の捕食者がいたとすると、1ヘクタールに400gしか存在できません。これでは個体を維持できないため、食物連鎖は通常4段階までです。

単純な制約では足りない:負のフィードバックの数学

では、エネルギー制約だけで生態系は安定するのでしょうか。答えは「否」です。

負のフィードバックが安定の鍵 捕食者 被食者 増える 減る ①餌依存 ②飽和効果 ③密度依存 ④空間制約 複数の制約が必須

餌だけに依存する危うさ

最も基本的な数理モデルとして、ロトカ・ヴォルテラ方程式があります。被食者(獲物)の個体数をH、捕食者の個体数をPとすると、次のように表せます。

dH/dt = rH(1 - H/K) - aPH
dP/dt = baPH - mP

最初の式は、被食者が自然に増える一方で、捕食者に食べられて減ることを表します。
2番目の式は、捕食者が被食者を食べて増える一方で、自然に死んでいくことを示します。

このモデルの平衡点を計算すると、理論上は安定した個体数が存在します。しかし、数学的に詳しく調べると問題が見つかります。

この系の固有値(安定性を決める数値)は純虚数になります。つまり、実部がゼロです。
これは「中立安定」と呼ばれる状態で、振動が永遠に続きます4。ウサギが増えればキツネが増え、キツネが増えればウサギが減り、ウサギが減ればキツネが減り、そしてまたウサギが増える。この循環が止まらないのです。

さらに問題なのは、外部からの乱れに対して脆弱なことです。ちょっとした環境変化で振幅が変わり、最悪の場合、個体数がゼロになって絶滅します。

複数の制約が必要な理由

現実の生態系が安定しているのは、餌の量だけでなく、ほかにも複数の負のフィードバック(増えすぎを抑える仕組み)が働いているからです。

まず、捕食の飽和効果があります。捕食者は満腹になれば、獲物がいくらいても食べる量に上限があります。これを数式で表すと次のようになります。

捕食率 = (aPH)/(1 + ahH)

分母の(1 + ahH)が飽和を表します。Hが大きくなると、捕食率は上限a/hに近づきます。

次に、密度依存的な死亡があります。捕食者が増えすぎると、縄張り争いで傷つき、ストレスで病気になり、死亡率が上がります。これを-cP²という項で表現します。個体数の2乗に比例して死亡率が増えるのです。

さらに、空間的な制約があります。縄張りを持つ動物は、一定面積に入れる個体数に物理的な上限があります。

これらすべてを組み込んだモデルは次のようになります。

dP/dt = (baPH)/(1 + ahH) - mP - cP²

この場合、固有値の実部は負になり、系は真に安定します。外部からの乱れがあっても、時間とともに平衡点に戻ります。

重要なのは、単一の制約では不十分で、複数の制約が組み合わさって初めて安定が実現することです。

種の多様性の混沌と秩序

熱帯雨林には数百種の生物がいますが、非常に安定しています。生物種が多いほど豊かな生態系と言えますが、これは混沌として制御不能に見えます。この問題を考えたのが、ロバート・メイでした。

種の数と安定性のパラドックス メイの理論 種↑→不安定化 (1972年) vs 現実 多様性→安定 (熱帯雨林など) 構造が決定的 階層性・弱結合・モジュール・冗長性

メイの不安定性理論

1972年、ロバート・メイはこの系の安定性を数学的に分析しました。すると、種の数が増えるほど、系は不安定になりやすいという驚くべき結果が得られました5

生態系に多くの種がいる場合を考えましょう。n種の生物がいて、それぞれが他の種と相互作用(食べる、食べられる、競争する)している状況です。

各種iの個体数x_iの変化は、次の一般式で表せます。

dx_i/dt = x_i(r_i + Σ a_ij × x_j)

ここでa_ijは種jが種iに与える影響の強さです。負なら競争や捕食、正なら協力関係を表します。

この式を分析した以下の値は、不安定さを表します。

√(n × C × σ²)

nは種の数、Cは結合度(相互作用している種の割合)、σ²は相互作用の強さのばらつきです。

つまり、種が多いほど、相互作用が密なほど、影響の強さにばらつきがあるほど、不安定になります。

なぜでしょうか。種が増えると、影響が伝わる経路が指数関数的に増えます。Aという種の変化がBに影響し、BがCに影響し、CがDに影響し、といった連鎖が複雑に絡み合います。小さな変動が予期しない形で増幅されることがあるのです。

パラドックスの解決:構造が鍵

しかし、メイの理論と現実の生態系では異なります。その理由はなんなのでしょうか。その答えは「構造」にあります。

メイの理論は、相互作用がランダムな場合の話でした。しかし、現実の生態系は、特殊な構造を持っています。

  • 第一に、階層構造です。
    植物→草食動物→肉食動物→頂点捕食者という段階があり、影響は主に一方向に流れます。これを数学的には「非対称性」といいます。a_ij ≠ a_jiです。
  • 第二に、弱い相互作用が多数を占めます。
    ほとんどの種同士の影響は弱く、強い影響を与え合う種は少数です。相互作用の強さの分布は、べき分布や指数分布に従います。
  • 第三に、モジュール構造です。
    生態系は小さなグループに分かれていて、グループ内は密に相互作用しますが、グループ間は疎な相互作用です。森林、草原、水辺といった環境ごとにまとまりがあります。一部で問題が起きても、他のグループに波及しにくいのです。
  • 第四に、機能的冗長性があります。
    同じような役割を持つ種が複数いれば、1種が減っても他が補えます。

ランダムな相互作用なら、確かに種が増えると不安定化します。しかし、現実の生態系は階層性や弱結合といった構造を持ちます。この構造が、実効的な結合度や強さのばらつきを小さくし、モジュール性Mを大きくします。これらの構造的特徴により、実効的な結合度Cや強さのばらつきσ²が小さくなります。その結果、メイの不安定性条件を満たさなくなり、多くの種がいても安定を保てるのです。

その結果、構造化された系の持続性は、ランダム系よりはるかに高くなります。適切な構造があれば、多様性は安定化に貢献するのです。

空間とテリトリー:留まる力と広がる力

生物は動きます。この空間的な広がりも、生態系の安定性に重要な役割を果たしています。

空間とテリトリー 留まる力 環境収容力 競争コスト テリトリー 広がる力 移動能力 増加率 資源探索 最適分散率 = f(密度, リスク, 資源)

拡散と密度の数理

生物の密度をu(x,t)(位置xでの時刻tにおける個体数)とすると、その変化は反応拡散方程式で表せます。

∂u/∂t = D∂²u/∂x² + ru(1 - u/K)

右辺の第一項は拡散を表します。密度の高いところから低いところへ個体が移動する効果です。Dは移動率です。
第二項は、その場での増殖を表します。

この方程式は、一定速度で進む波の解を持ちます。その速度cは次のようになります。

c = 2√(Dr)

移動率Dと増加率rの両方が関わります。これは生物が新しい環境に広がっていく速度を表します。

テリトリーの自発的形成

さらに興味深いのは、捕食者と被食者が両方とも拡散する場合です。拡散率が異なると、均一な分布が不安定になり、自発的にパターンが形成されます。

これはアラン(チューリング)機構と呼ばれます。数学的条件は複雑ですが、本質は「拡散率の違いが相互作用と組み合わさると、均一状態が不安定化する」ということです。

その結果、縞模様や斑点模様が自然に現れます。これが縄張りに対応します。数学から導かれる安定なパターンの波長(縄張りの間隔)は、次の式で近似できます。

λ ≈ 2π√(D/(2au* - r))

Dは拡散率、aは縄張り争いのコスト係数、u*は平衡密度、rは増加率です。

例えばオオカミの場合、移動率D=50km²/年、その他のパラメータを実測値から入れると、λ≈31kmとなります。これは実際の縄張り直径とほぼ一致します。

分散の最適戦略

個体レベルで見ると、「親のいる場所に留まるか、新天地を探すか」という選択があります。地元が混雑していれば分散したほうがよいですが、移動中に死ぬリスクもあります。

最適な分散率p*は、次の式で表せます。

p* = (K - N_ave - mK) / (N_local - N_ave)

Kは環境収容力、N_localは地元の個体数、N_aveは平均的な個体数、mは移動中の死亡率です。

例えば、環境収容力が100、地元が80個体で混雑、平均は50個体、移動死亡率が30%なら、p*≈0.67となります。約67%は留まり、33%は分散するのが最適です。

このように、空間的な要素も数学的に最適化されています。

制約が効かなくなるとき:大量発生の数理

ここまで見てきた制約があれば、個体数は安定するはずです。しかし、イナゴのように大量発生する生物がいます。なぜでしょうか。

制約が効かなくなるとき ①時間遅れ τ > τc ②飽和 r > a/h ③離散性 r > 2 大量発生の例 イナゴ 相変異+正フィードバック レミング 3-4年周期振動

イナゴはなぜ爆発的に増えるのか

イナゴ(特にサバクトビバッタ)には特殊な性質があります。密度が低いときは「孤独相」と呼ばれる形態で、緑色でおとなしく単独行動します。密度が高くなると「群生相」に変わり、黒っぽくなり活発に動き、群れで移動します。群生相になると1日に100km以上も飛び6、途中で小さい群れ同士が合流し、群れはますます巨大になっていきます。

孤独相(こどくそう):

  • 密度が低いとき
  • 緑色、おとなしい
  • 単独行動

群生相(ぐんせいそう):

  • 密度が高いとき
  • 黒・黄色、活発
  • 群れで移動7

この相変異は、密度に依存して起きます。群生相の割合をS(0から1)とすると、その変化は次の式で表せます。

dS/dt = α(N)(1 - S) - βS

α(N)は密度Nに依存する相変異率です。具体的には次のような形をとります。

α(N) = α_max × N^h / (N_0^h + N^h)

N_0は臨界密度で、これを超えると急激に群生相に変わります。hは4から6程度の値で、変化の急激さを表します。これはシグモイド関数(S字カーブ)と呼ばれる形です。

重要なのは、群生相になると増加率rが上がり、死亡率mが下がり、移動能力が飛躍的に高まることです。つまり、密度が上がると、さらに増えやすくなる「正のフィードバック」が働くのです。

通常の生物は密度が上がると増えにくくなる「負のフィードバック」でしたが、イナゴは逆です。これが大量発生の原因です。

時間遅れ、飽和、離散性

大量発生を引き起こす他の要因もあります。それは負のフィードバックの「欠陥」です。

第一に、時間遅れがあります。捕食者が被食者の変化に反応するには時間がかかります。特に繁殖に時間がかかる場合、遅れτが大きくなります。

遅れがある場合の方程式は次のようになります。

dP/dt = baP(t)H(t - τ) - mP(t)

時刻tの捕食者の増加率が、τ時間前の被食者の量に依存します。

遅れが大きすぎると、系は不安定化します。臨界値τ_cは次のように表せます。

τ_c ≈ π/(2√(bd))

実際の繁殖期間がこれを超えると、振動が持続したり増幅したりします。

第二に、飽和があります。先述のように捕食者は満腹になります。被食者の数が非常に多いと、捕食圧が追いつきません

第三に、離散性があります。多くの生物は季節ごとに繁殖します。連続的ではなく、離散的な世代交代です。これを差分方程式で表すと次のようになります。

N_{t+1} = N_t(1 + r - rN_t/K)

増加率rが大きいと、この系はカオス(予測不能な変動)を示すことがあります。具体的には、r>2.57程度でカオスになります。

レミングの周期変動

北極圏のレミング(小型の齧歯類)は、3から4年周期で個体数が100倍も変動します。これは時間遅れが原因です。

ピーク時:100匹/ha → 谷:1匹/ha8

レミングの増加率は高く、捕食者(キツネやフクロウ)の繁殖には約1年かかります。遅れτ=12ヶ月が臨界値τ_c≈6ヶ月を超えるため、振動が持続します。

振動の周期Tは次の式で近似できます。

T ≈ 2π/√(rba - m²/4)

実測値を代入すると、T≈3.8年となり、観測される3から4年周期とよく一致します。

周期ゼミ(素数ゼミ)について

北米に生息する周期ゼミ(素数ゼミ)は、13年周期または17年周期で大量発生します。

周期が素数であることの利点は、異なる周期のセミとの交雑機会を最小化できることです。例えば、13年ゼミと17年ゼミは221年(13×17)に1度しか同時発生せず、15年ゼミと18年ゼミの90年に比べて交雑頻度が低くなります。この数学的特性により、素数周期のセミが生存競争で有利となり、現在まで生き残ったと考えられています9

クラゲ大量発生:レジームシフト

クラゲの大量発生は、さらに深刻です。一度クラゲ優占状態になると、元に戻りません。

これは「代替安定状態」と呼ばれる現象です。魚優占とクラゲ優占という2つの安定な平衡点があり、どちらに落ち着くかは初期条件とパラメータ次第です。

乱獲によって魚が減ると、ある臨界点を超えた時点で、魚優占平衡が消滅します10。すると系はクラゲ優占平衡に移行します。その後、漁獲を減らしても、別の臨界点まで戻さない限り、魚優占には戻りません。

これをヒステリシス(履歴依存性)といいます。行きと帰りで異なる臨界点があるため、容易には元に戻らないのです。

統合的理解:生態系の持続性を決めるもの

複数要素の相互作用

ここまでの議論を統合すると、生態系の持続性は複数の要素が絡み合って決まることがわかります。

  • まず、エネルギー制約が絶対的な上限を設定します。太陽光から始まる効率の積み重ねが、各栄養段階の生物量を決めます。
  • 次に、種の数と相互作用の構造が安定性を左右します。適度な種数に加えて、階層性、弱い結合、モジュール構造、機能的冗長性といった特徴が必要です。
  • さらに、複数の負のフィードバック機構が不可欠です。餌依存だけでなく、飽和効果、密度依存死亡、空間的制約が組み合わさって、真の安定が実現します。
  • 最後に、制約の質も重要です。時間遅れが小さく、飽和が適度で、離散性が過度でないことが求められます。

おわりに:自然の設計原理

生態系は誰かが設計したわけではありません。しかし、進化の結果として、驚くほど洗練された構造を持っています。

エネルギー保存則を満たし、熱力学第二法則に従い、制御理論の最適化に近い振る舞いをします。ネットワーク理論で効率的とされる構造を自然に形成しています。

完璧ではありません。時間遅れは生理学的に避けられず、飽和は熱力学的必然です。離散的な繁殖も、環境の季節変動に適応した結果です。

興味深いのは、これらの「欠陥」が、実は多様性の源泉でもあることです。大量発生も、周期変動も、カオスも、すべて数学的必然性の現れです。完璧すぎる制御は、変化への適応力を失わせるかもしれません。

種の数と生態系の持続性の関係は、単純な比例関係ではありません。種数、構造、エネルギー、制約の質、これらすべてが絡み合って、複雑で動的な平衡を作り出しています。

  1. 植物の光合成における太陽エネルギー変換効率は一般的に0.1〜2.5%程度とされており、多くの文献で「約1%」と表現されています。この効率の低さは、波長の不適合、反射・透過損失、呼吸での消費、光合成の化学効率の限界などによるものです。 – 光合成の効率 – Wikipedia光合成の知見を積極的に活用する植物の光合成のエネルギー変換効率
  2. 生態系における栄養段階間のエネルギー伝達効率は一般的に約10%とされ、「10%則」として知られています。これは、ある栄養段階から次の段階に移行するエネルギーが平均して10%程度であり、生態系によっては5〜20%の範囲で変動することを示しています。 – Trophic Efficiency and the 10 Percent Law – JoVE生物群集と生態系 – 定期テスト対策サイト生態系内の物質とエネルギーの動き – ねこでもわかる生物学
  3. この数値は記事中で計算された理論値と実測値の比較です。ただし、セレンゲティ国立公園の具体的なバイオマスデータについては、直接的な確認が必要です。一般的な生態系における10%則と栄養段階ごとのバイオマス比は、多くの生態系研究で確認されているパターンです。 – 生態学的効率 – コトバンク
  4. ロトカ・ヴォルテラ方程式の基本形では、平衡点における固有値が純虚数(実部がゼロ)となり、これは「中立安定」を意味します。この場合、系は周期的に振動し続け、振幅は初期条件に依存します。外部からの乱れに対して脆弱であり、真の安定性を持ちません。 – ロトカ・ヴォルテラの方程式 – Wikipediaロトカ・ヴォルテラ方程式食う-食われるの数学:捕食者-被食者モデル
  5. 1972年、ロバート・メイはNature誌に「Will a large complex system be stable?」という論文を発表し、種の数が増えるほど、相互作用が密になるほど、生態系は不安定になりやすいという理論的予測を示しました。これは「多様性-安定性パラドックス」として知られ、現実の複雑な生態系が安定している事実と矛盾するため、長年の研究テーマとなっています。 – Diversity increases the stability of ecosystems – PMC種間関係の多様性が生態系をささえる複雑な生態系を維持するシンプルな仕組み – 東北大学
  6. サバクトビバッタの群生相は、風に乗って1日あたり100〜200キロメートル移動することができます。成虫は非常に高い飛翔能力を持ち、世代交代を繰り返しながら移動するため、通常の分布域(西アフリカから中東、インド)を超えて広範囲に達することがあります。 – サバクトビバッタ – Wikipediaバッタはどうして大量発生するの?
  7. サバクトビバッタは環境の密度に応じて「孤独相」と「群生相」という2つの形態を示す「相変異」を持ちます。密度が低い環境では緑色でおとなしい孤独相となり、密度が高い環境では黒と黄色が混じった体色で活発な群生相となります。この変化は物理的接触(特に触覚部分への刺激)が主な引き金となり、正のフィードバックによって大量発生につながります。 – サバクトビバッタの大発生 – 理科年表相変異 (動物) – Wikipedia混み合うと黒くなるトビバッタ
  8. レミングは3〜4年(一部文献では3〜5年)の周期で個体数が急激に増減することが知られています。この周期的変動は、捕食者(キツネ、フクロウ、オコジョなど)との相互作用や餌の利用可能性によるものです。なお、「集団自殺」は誤解であり、1958年のディズニー映画『白い荒野』による演出(ヤラセ)が原因で広まった都市伝説です。 – レミング – Wikipediaレミングを脅かす温暖化 – ナショナルジオグラフィックレミングの自殺 – ざつがく・どっと・こむ
  9. 周期ゼミ – Wikipedia17年周期、13年周期で大発生!! 「素数ゼミ」の謎を日本の研究者が解明した – tenki.jp13年か17年で大発生するセミ – WIRED.jp
  10. クラゲの大量発生は、魚の乱獲による生態系バランスの崩壊が主な原因とされています。クラゲを捕食する魚やウミガメが減少すると、クラゲが大量発生し、さらに魚卵や稚魚を大量に捕食することで魚がさらに減少するという悪循環が生じます。この状態が続くと「クラゲ優占の生態系」へと移行し、自然回復が困難になる可能性があります。これは生態学における「レジームシフト」の一例とされています。 – Jellyfish Explosion – Jelly Laboクラゲの大量発生、魚の乱獲やプラごみなど人間が原因 – AFPクラゲと環境問題