A キースイッチといえばCherryがGateronや
Kailhに主役が移っていた、その裏側

よく自作キーボードの商品を調べるのですが、なんとなく眺めていたとき、「あれ、Cherry製スイッチじゃないものをよく見かけるな」と思うようになりました。
以前は「メカニカルキーボード=Cherry MX」というイメージが強く、その中で何色の軸を選ぶか、というのが、キースイッチ選びだったように思います。

ところが、いつの頃からか、Gateron や Kailh をはじめ、聞き慣れないブランドのスイッチを目にするようになっていました。最初は「新興の欧米メーカーかな?」くらいに思っていたのですが、このニュース記事を読んで、自分が長らく抱えていた“当たり前”が、実はすでに崩れていたことに気づきました。

関連記事

1. Cherry の「Made in Germany」が終わった

記事によると、Cherry は 2025年11月に「ドイツ国内でのスイッチ生産を完全に終了し、中国とスロバキアの提携工場へ移管する」と発表しました。
つまり、これまで「Cherry=ドイツの職人技」と捉えていたイメージは、物理的に終わったのです。

記事には、2025年1〜9月期で大きな赤字を出し、純資産が大きく毀損したとも書かれています。「ドイツ国内生産では、もはや市場競争に勝てない」という厳しい現実の表れだと思います。

2. “なんとなく見かけるブランド”の裏にあった激しい競争と進化

Gateron や Kailh といったスイッチが、自分が “最近よく目にするもの” になっていた理由が、ようやく理解できた気がします。

実は、Cherry の特許切れをきっかけに、多くのメーカーが “互換スイッチ” を出し始めていました。
でもそれだけじゃない。
互換スイッチを作るだけではなく、
潤滑をはじめ材料や打鍵感、音、耐久性、さらには新技術スイッチの導入──と、ものすごいスピードで進化させてきた。

この記事でも「クローンからプレミアムへの逆転」が起きたと指摘されています。
よく「Gateron のスイッチは滑らか」というレビューを見かけますが、どうやらこれは偶然ではなかったようです。

3. ブランドの“安心”より、実力と進化が重視される世界へ

Cherry は長年、自作キーボード界の定番でした。
「迷ったら Cherry」という常識は、多くの人が共有していたと思います。

でもこのニュースが示すのは、単にブランド名に頼る時代の終わり。
使う側が “本当に好きな打鍵感” を追求できるようになった一方、選択肢が増え、作り手の工夫も多様化していく。