HEIC iPhoneで撮った写真がWindowsで
見られない?
(HEICとHECVビデオ拡張)

  • iPhoneはデフォルトでHEIC形式で写真を保存しますが、WindowsはそのままではHEICを表示できません。
  • 対応するにはMicrosoft StoreからHEIF画像拡張機能とHEVCビデオ拡張機能をインストールする必要があり、後者は120円の有料購入です。
  • HEVCビデオ拡張機能の購入はMicrosoftアカウントに紐づくため、同じアカウントで複数のPCに再インストールして使えます。
  • VLCなどのOSSソフトはHEICを独自に処理できますが、その仕組みをエクスプローラーに流用することはできません。

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1. iPhoneの写真がWindowsで見られない?

iPhoneで写真を撮り、Windowsのパソコンで整理する。
この流れはごく普通のことのはずですが、実際にやってみると引っかかる点が多くあります。

iPhoneの写真がWindowsで見られない? iPhone(高効率モード) HEIC 容量が小さく高画質 表示できない Windows(標準) HEIC非対応(初期状態) 解決策:Microsoft Storeから2つの拡張機能を追加 HEIF 画像拡張機能 無料 HEVC ビデオ拡張機能 有料(120円)

HEIC形式の写真は、Windowsのエクスプローラーで管理しようとしても、通常はサムネイル表示されないのです。

1.1. iPhoneのカメラ設定と互換性・高効率

iPhoneのカメラ設定には「高効率」と「互換性」という選択肢があります。

「互換性」を選ぶと、写真はJPEG形式で保存されます。
JPEGは長年使われてきた形式で、WindowsでもmacOSでも、追加設定なしで扱えます。

ただし、初期状態では「高効率」が選ばれています。
この場合、写真はHEIC形式で保存されます。
HEIC」は、画質を保ったままファイルサイズを小さくできる、というのが一番の特徴です。

1.2. WindowsでHEIC写真が扱いづらい

iPhoneやiCloudだけで写真を管理するなら問題ないのですが、パソコンで管理しようとすると困ります。

HEIC写真をWindowsにコピーすると、サムネイルが表示されないのです。
ダブルクリックしても開けない。

HEIC写真には、二つの技術が関係しています。

  • HEIF(High Efficiency Image File Format/高効率画像ファイル形式)は、
    画像ファイルの「形式」、つまり入れ物です。
  • HEVC(High Efficiency Video Coding/高効率動画圧縮方式、H.265)は、
    その中身を圧縮・展開する方法です。

段ボール箱(HEIF)の中に、圧縮された荷物(HEVC)が入っている、と考えると理解しやすいです。

WindowsでHEICを正しく扱うには、この両方に対応する必要があります。
そのため、Windows 11で表示するなら、「HEIF画像拡張機能」と「HEVCビデオ拡張機能」をMicrosoft Storeから追加でインストールする必要があります。
この「HEVCビデオ拡張機能」は、有料で120円かかります。

HEVC拡張機能は、フォトアプリ専用ではありません。
OS全体のメディア基盤に組み込まれ、エクスプローラーのサムネイル表示などにも影響します。

1.3. ライセンスと営利企業

VLCなどのOSSビューアを使えばHEVCでも普通に表示できますが、Windowsのエクスプローラーに組み込むためには有料アプリが必要なのはどうしてなのでしょう。

それは、HEVC技術は特許で保護されていて、Microsoftは営利企業として、OSに組み込む機能についてライセンスを正式に処理する必要があります。
その結果、「必要な人が必要な分だけ支払う」形になっているのです。

ちなみに、HEVCビデオ拡張機能はMicrosoftアカウントに紐づく購入です。

同じMicrosoftアカウントでサインインしていれば、別のWindowsパソコンでも再購入せずに利用できます。

新しいPCをセットアップした場合でも、Microsoft Storeの「ライブラリ」や「購入済み」から再インストールできます。

個人利用であれば、台数制限を強く意識する必要はありません。
「1台限りの課金」ではなく、「アカウント単位のライセンス」だと考えると、納得しやすいと感じています。

2. OSSビューアで見える理由

反対に、qView vVLCなどのOSSビューアでは、HEIC写真やHEVCビデオが問題なく表示できます。
追加の課金もありません。
ライセンス料はどうなっているのでしょう。

OSSビューアで見える理由 VLC などの OSSビューア FFmpeg内蔵 HEVCを自前で処理 HEIC を直接表示できる 追加費用なし アプリ内で完結 VS Windowsエクスプローラー 公式メディア基盤のみ 外部コーデック流用不可 HEVCビデオ拡張機能が必要 (120円・有料) 特許ライセンス処理のため Microsoftが有料で提供 ※ HEVCビデオ拡張機能はMicrosoftアカウントに紐づき、複数PCで再インストール可能

多くのOSSソフトは、HEVCを自前で実装しています。
FFmpegなどのOSSライブラリを内部に持ち、アプリの中で完結します。

2.1. OSSコーデックをエクスプローラーに組み込めない理由

OSSビューアをインストールすれば、画像は表示できます。
エクスプローラーでもサムネイルが表示されてもよさそうですが、それはできません。

しかし、エクスプローラーは、Windowsの公式メディア基盤のみを使います。
外部アプリの内部コーデックを流用する仕組みはありません。

これは、セキュリティや保守性のための設計です。
したがって、Windowsのエクスプローラーで快適にHEIC画像を扱うには、HEVCビデオ拡張機能の購入が必要になるわけです。