- ふだんAIで調べ物をしてGoogle検索に戻ると、広告だらけで情報にたどり着くのが苦痛に感じますね。
- 若い世代がGoogle検索を離れ、InstagramやTikTokで情報収集していたのも納得です。
- 今後はAI検索が主流になりそうですが、いずれは広告モデル化する可能性も。
- 月並みですが、複数の情報源を使い分けることが大切だと感じました。
1. AIを使うと見えてくる検索の現実
ChatGPTやClaudeなどのAIを使い始めた人の多くが、同じような体験をしています。「なぜ今までインターネット検索で苦労していたのだろう」という感覚です。
AIに質問すると、すぐに整理された答えが返ってきます。一方、Google検索では広告だらけのページを何度も開いて、やっと求める情報にたどり着く。検索エンジンの見せる情報が、いつの間にか「治安の悪いスラム街」のようになっていることに気づくのです。
実際、最近の検索結果は広告が画面の半分以上を占めることも珍しくありません。「アドブロッカー(広告をブロックするソフト)なしでは、まともに情報を読むことすら困難」という声もあります。
2. 検索エンジンの「スラム化」
2.1. 広告収益モデルの局所的な「最適化」
検索エンジンの収益の大部分は広告から生まれます。Googleの親会社Alphabetの場合、収益の8割以上が広告事業です。この仕組み自体は悪いものではありませんが、競争が激しくなるにつれて広告の量と質に問題が生じました。
表示できる画面は限られているのに、広告主の数は増え続けます。結果として、1ピクセルあたりの価値を最大化するため、広告の面積はどんどん大きくなりました。
2.2. 情報の民主化とSEO汚染
インターネットの普及により、誰でも情報を発信できるようになりました。この「情報の民主化」によって、同時に質の低い情報や意図的に誤解を招く情報も大量に生まれることになりました。
特に問題なのは、検索上位を狙うためだけに作られた中身の薄いサイトの存在です。SEO(検索エンジン最適化)とは、検索結果の上位に表示されるようにウェブサイトを調整する技術です。本来は良質なコンテンツを見つけやすくするための仕組みでしたが、悪用されるケースが増えています。たとえば、「いかがでしたかブログ」と呼ばれるパターンがあります。これは、質問への答えを引き延ばすだけの記事です。読者に価値を提供するのではなく、検索エンジンを騙すことを目的としたサイトが増えてしまったのです。
検索エンジンはこれらの情報を区別するのに不完全で、良質な情報と粗悪な情報が混在した状態になっています。
活版印刷技術を発明したグーテンベルクから始まり、情報の民主化は長い歴史を持っています。新聞、ラジオ、テレビ、そしてインターネットと、新しい技術が登場するたびに、より多くの人が情報を発信できるようになりました。
しかし、参入者が増えると必ず質の問題が生じます。参入障壁が低くなると、利益を最優先に考える事業者が増えるからです。検索エンジンの現状も、この歴史的パターンの一例といえます。
3. 情報収集の方法は世代によって移り変わる
- 検索世代の体験
- SNS検索世代の登場
- AIネイティブ世代の特徴
2000年代から2010年代にかけてインターネットに慣れ親しんだ世代は、検索エンジンを情報収集の主要な手段として使ってきました。当時の検索結果は今ほど広告に汚染されておらず、比較的質の高い情報にアクセスできました。しかし、この世代は今でも「検索すれば答えが見つかる」という前提で行動しがちです。検索環境の悪化に気づいていても、他に方法を知らないため、仕方なく使い続けています。
若い世代の多くは、GoogleやYahoo!で検索する代わりに、InstagramやTikTokで情報を探します。SNSの方が視覚的で分かりやすく、リアルタイムの情報が手に入るからです。「ググる」という言葉が死語になりつつあるのは、この変化を象徴しています。検索エンジンよりもSNSの方が、欲しい情報に早くたどり着けると感じる人が増えているのです。
AIを当たり前のように使う世代は、これから本格的に登場します。彼らにとって検索エンジンは「広告だらけの危険な場所」に見えるでしょう。AIは質問に対して直接的な答えを返すため、広告や無関係な情報に惑わされる心配がありません。また、特定の画像や単語を避けたい場合も、AIに依頼すれば配慮した回答をしてくれます。
3.1. AIの利便性と将来への懸念
AIを使った情報収集には明確な利点があります。求める答えが直接得られ、関連する情報も整理されて提示されます。検索エンジンのように複数のサイトを行き来することなしに、AIとの会話であっさり解決することも珍しくありません。
3.2. 商業化の圧力
しかし、AIサービスも例外ではありません。運営には膨大なコストがかかるため、いずれは収益を上げる必要があります。企業向けサービスなら有料化でも問題ありませんが、一般消費者向けサービスは広告モデルに頼らざるを得ないでしょう。継続的に月額料金を支払い続ける一般消費者は限定的だからです。
そうなると、AIの回答にも広告が混じるようになる可能性が高いです。「クレジットカードの金利について説明します。by 〜〜カード」のような回答が出てくる日も遠くないかもしれません。
4. 情報リテラシーと体験の価値
従来の情報リテラシーは「情報を見極める力」として語られることが多くありました。しかし、現実には完璧に見極めることは困難です。真のリテラシーとは、複数の情報源に依存することです。一つの情報源だけに頼らず、常に複数の視点から物事を見る習慣を身につけることが重要です。
AIに全面的に依存するのも危険ですし、検索エンジンを完全に避けるのも現実的ではありません。それぞれの特徴を理解し、使い分けることが求められています。
4.1. 経験に基づく違和感を大切にする
基本的な流れは次のようになります。
- まず、日常的な読書や人との会話から基礎知識を蓄えます。
- 疑問が生じたらAIに質問し、概要を把握します。
- その後、必要に応じて検索エンジンや専門書で詳細を確認します。
AIの回答に違和感を覚えたら、それを無視してはいけません。この違和感こそが、真の情報リテラシーの出発点です。自分の経験や知識と照らし合わせて、おかしいと感じる部分があれば追加で調べることが重要です。疑問を持つ能力は、情報があふれる時代において最も重要なスキルといえます。
また、本や論文をじっくり読んだり、実際に専門家と話すことの価値は変わりません。むしろ、AIや検索では得られない、現場の生の知識や最新の動向は強みになります。AIは、「データ化済みの情報」しか利用できません。世界をそのまま全体として経験できるのは、人間だからこそです。
時代の変化は避けられません。しかし、変化に振り回されるのではなく、新しい技術を上手に活用しながら、情報との健全な関係を保つことが可能です。AIの登場によって検索エンジンの問題が浮き彫りになった今こそ、情報収集の方法を見直す良い機会といえるでしょう。
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