最近、家のインターネット接続が急に重くなることがあります。
とくに夜になると動画も止まるし、ゲームの通信がエラーになることが何度かありました。
スピードテストをしてみると、1Mbpsを下回ることもあるという状態でした。


「家庭内インターネットの回線遅延」の原因と、IPv6(v6プラス)接続に変えたことでどう変わったかを、体験としてまとめてみます。
1. 【試したこと】Wi-Fiルーターの再起動
まずは、Wi-Fiルーターを再起動してみましたが、なかなか改善しませんでした。
使っているルーター(NEC Aterm WG1200HS4)は、2020年販売で Wi-Fi 5 に対応1。
最新モデルではないですが、まだそこまでは古くないので腑に落ちません。
1.1. 家庭内の通信混雑?
次に考えたのは、「家の中で誰かが大量に通信しているのでは?」という点です。
ルーターの管理画面(192.168.10.1)を開いて、「Wi-Fi情報」や「接続端末一覧」を確認してみると、10台以上の端末がネットにつながっています。いまの家庭は、スマホ、PC、テレビ、ゲーム機、スマートスピーカーなど、たくさんの機器がインターネット接続しています。
ただ、通信量までは確認できず、「どの機器が帯域を使っているのか」特定できませんでした。
また、その時間帯に急に家族でインターネット利用が増えていたわけでもありませんでした。
2. PPPoE接続とIPv4の壁?
管理画面の「装置情報」を見て気になったのが、IPv6接続が「未接続」ということ。
簡単に言うと、
- IPv4(PPPoE)接続は、インターネット網に出る前にプロバイダの認証装置を通る2。
特に夜間はこの装置にアクセスが集中して、いわゆる“輻輳”が起きやすい。 - IPv6(IPoE)接続では、認証装置を通らず、より広い帯域で通信できる3。
つまり、IPv6を使えば混雑を避けられる可能性があるのです。
2.1. プロバイダーの通信契約を確認した
「IPv6が未接続」なのは、ルーター設定ではありませんでした。
プロバイダーのサービス契約が理由でした。
通信契約は「So-net光 with フレッツS」で、2014年ごろに利用開始していました。
最近の契約なら最初からIPv6で接続されますが、サービス契約が古いと有効になっていないことがあるのです。
So-netでは IPv6 にするのに追加費用はかかりませんが、「v6プラス(IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6)」というサービス申し込みを自分で手続きする必要があります4。
3. v6プラスを申し込んでみる
保管してある「入会証」を確認して、So-netのマイページにログインします。
「オプションサービス」からv6プラスを申し込みました。
月額0円で、手続き自体も数分で終わります。
光回線側での手続き「NTTのフレッツ・v6オプション」は、So-netが自動で申し込んでくれるので、自分でする必要はありません5。
あとは数日待ち、開通のメールが届いたタイミングでルーターを再起動します6。
3.1. ルーター設定をIPv6対応にした
ルーターの管理画面を再度開き、
「詳細設定」→「IPv6設定」→「IPv6ブリッジ機能」を確認。
デフォルトで有効になっていました。
動作モードを「自動判別」だと、「PPPoEルータ」から「IPoE(v6プラス)」に切り替わり、
IPv6接続状態が「インターネット利用可能」になります。
「IPv6への移行は難しそう」と思っていたけれど、やってみると実際はとてもシンプルでした。
ルーターと契約の両方が対応していれば、数クリックで通信環境を変えることができます。
3.2. IPoEモードでないとつながらなくなる
ちなみに、v6プラスを有効化したあとにルーターの接続モードが「PPPoE」のままだと、原則としてインターネットにつながらなくなります。
理由は、プロバイダー側で「PPPoE認証を使う接続」を停止し、IPoE(v6プラス)専用ルートに切り替えるためです。
ただし、v6プラスが開通してから数時間〜数日間は、So-net側で旧経路(PPPoE)を並行稼働している場合があります。
v6プラスを申し込むと、So-netはNTT側で「IPoE接続用の契約情報(フレッツ・v6オプション)」を有効化します。
PPPoEが「ユーザーIDとパスワードを送ってログインする方式」だったのに対し、
IPoEでは回線契約情報そのもの(ONU・回線ID)で認証されるため、
ルーター設定にユーザー名やパスワードを入力する必要がなくなります。
この時点で、その回線IDに紐づくPPPoE認証装置の経路が使えなくなる、または「接続は通るけれど通信が一切進まない状態」になるのです。
そのため、v6プラス開通後は、以下のようなルーター設定をします。
| 設定項目 | 状態 |
|---|---|
| 動作モード | IPoE(v6プラス)または「自動判別」 |
| 接続先ID/パスワード | 空欄または未使用 |
| IPv6ブリッジ機能 | 有効 |
| PPPoE設定 | 削除または無効化 |
4. IPv6への移行とは何をしたことになるの?
ただし、「v6プラスを申し込んでルーター設定を変える」とは、単に設定を少しいじっただけではなく、通信の仕組みそのものを切り替えたということです。
技術的に言えば、インターネットに出る“通り道”を別ルートにしたのが本質的な変化です。
最初に使っていたのは、PPPoE方式のIPv4接続です。
PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)は、20年以上前から使われている仕組みで、プロバイダ(So-net)の認証サーバーに「IDとパスワード」を送ってログインするタイプです。
ただし、この方式には、各地域の「PPPoE収容装置」にアクセスが集中するという弱点がありました。
v6プラスを申し込むと、So-netがNTTの設備を使って、
PPPoEではなくIPoE(IP over Ethernet)方式で通信するようになります。
IPoEは、認証装置を通らずに、NTT網から直接インターネットに接続します。
この「認証装置を通らない」という点が決定的です。
そのため、ルーター側でも接続モードを変更する必要があります。
接続モードを「PPPoE」から「IPoE」に切り替えると、認証情報(ユーザーIDとパスワード)を使わない新しい通信ルートに変更されます。
また、IPv6のデータが正しく通るようにIPv6ブリッジ機能を有効化されていることも確認しておきます(デフォルトで有効)。
4.1. IPv4 over IPv6
ちなみに、v6プラスでは、
- IPv6の広い帯域を使いながら
- IPv4サイトも「IPv6網の中をトンネルで通す」(=IPv4 over IPv6)
という仕組みになっており、
古いIPv4のサイトも、IPv6経路で速く通信できるようになります。
- NEC Aterm WG1200HS4はIPv6ブリッジ機能を標準搭載しており、v6プラスなどのIPv4 over IPv6サービスに対応している。 – v6プラスモードでインターネットに接続する|Aterm®WX5400HP ユーザーズマニュアル
- PPPoE方式では網終端装置を経由する必要があり、特に夜間など利用者が集中する時間帯にこの装置で混雑が発生しやすい。 – PPPoEとIPoE接続の違いとは?仕組みを理解し速度を改善
- IPoE方式は網終端装置を経由せずに直接プロバイダのネットワークに接続するため、輻輳が発生しにくく通信速度が安定する。 – IPoEとは?PPPoEとの違いや導入するメリット、注意点などを解説
- v6プラスは、IPv6 IPoEによる高速接続を維持しながら、IPv4対応サイトにもアクセスできるIPv4 over IPv6技術を採用したサービス。So-netでは月額無料で提供されている。 – 次世代通信 v6プラス | So-net
- So-netでv6プラスを申し込むと、NTT東西のフレッツ・v6オプションの申し込みはプロバイダが代行するため、ユーザー側での手続きは不要。 – v6プラス | So-net 光 | サービス別ご利用ガイド
- v6プラスの申し込み後、開通までは最大3日程度かかる。開通完了のメールが届いた後、ルーターを再起動することでサービスが利用可能になる。 – フレッツ光からSo-net光S/M/Lプランへの乗り換え手順