「クラウドのストレージがいつの間にかいっぱいになって、毎月数百円がかかっているんだけど、スッキリさせたい」という質問があります。
とくに、パソコンとスマートフォンを両方使っていると、クラウドストレージとの付き合いは途端に複雑になります。
一つは、iPhoneとiCloudストレージ。
写真や動画を撮っていたら、だいじな思い出も撮り損じも一緒くたになってしまいます。
iCloudへの同期をやめるには、iPhone内にちゃんと写真が保存されていることを確認してから操作する必要があります。
もう一つは、OneDrive。
バックアップ機能を有効にすると、パソコンのデスクトップ・ピクチャやスマートフォンのカメラロールの全内容をクラウドに送り続けます。
すると、無料枠の5GBはあっという間に使い切ってしまいます。
自分では特に設定をした覚えがなくても、「自然」とそうなりがちなのです。
1. OneDriveが「勝手に」バックアップしていたのはなぜか
OneDriveはWindows 11に標準搭載されています。
初回セットアップ時や、Windowsのアップデート後に表示されるダイアログで「バックアップした」「はい」を押すと、PCの主要なフォルダをOneDriveに自動同期する設定が有効になります。
問題は、このダイアログの文面が「大切なデータを守るためにバックアップを有効にしましょう」という推奨口調であることです。
Microsoftとしては自社サービスを使ってほしいので積極的に勧めてきます。
悪意はないのですが、よく読まずに進めると意図しないフォルダが丸ごとクラウドに送られます。
今回のケースでは、ピクチャにある画像ファイルが原因で、5GBの無料枠(OneDriveの無料で使える上限容量)に達していました。
1.1. OneDriveの設定を確認する
タスクトレイ(画面右下の通知領域)にある雲のアイコンを右クリックし、「設定」を開くと状況を把握できます。
「同期とバックアップ」タブに「バックアップを管理」というボタンがあります。
ここを開くと、どのフォルダが同期対象になっているかが一覧表示されます。
標準的な状態では以下の3か所が対象になっていることが多いです。
- デスクトップ(Desktop)
- ドキュメント(Documents)
- ピクチャー(Pictures)
これら全部を同期するとあっという間に5GBを超えます。
1.2. バックアップを停止して、ファイルをPCに戻す
「バックアップを管理」の画面で、各フォルダのスイッチをオフにします。
このとき「バックアップを停止しますか?」という確認ダイアログが表示されます。
Microsoftはここでも強めにバックアップ継続を勧めてきますが、今回の目的は「不要な同期をやめること」なので、迷わず停止します。
停止後、「このフォルダのファイルをどこに置きますか?」という選択肢が出ます。
ここで「このPCのみ」を選ぶことが重要です。
「OneDrive」を選んだままにすると、ファイルはクラウドに残り続けてローカル(自分のPC内)に戻ってきません。
「このPCのみ」を選ぶことで、フォルダは元の場所(C:\Users\ユーザー名\Documents など)に戻ります。
ストレージの空き容量は増え、赤いアイコンの警告はなくなりました。
ただし、OneDriveの「ファイルオンデマンド」が有効な環境では、クラウドにのみ実体があるファイルはローカルに戻りません。
OneDriveフォルダ内にプレースホルダー(場所取りの参照データ)が残るだけになります。
バックアップを停止する前に、対象フォルダを右クリックして「このデバイス上に常に保持する」を実行しておくと、全ファイルをローカルにダウンロードしてから移動できます1。
1.3. 【補足】Windows通知の余計なおすすめを止める
今回のような「知らないうちにオンになっていた」状況の遠因は、Windowsの余計なおすすめです。
Windowsの設定 → システム → 通知 → 追加の設定、に「Windowsを使用する際のヒントや提案を表示する」というチェックボックスがあります。
これがオンになっていると、OneDriveのバックアップ有効化を含むさまざまな「おすすめ」が定期的に表示されます。
オフにしておくと余計な誘導が減り、設定が勝手に変わるリスクも下がります。
2. iPhoneの「カメラのバックアップ」を止める
iPhoneにも、OneDriveアプリがあります。
パソコンで作った文書を見るためにインストールすることが多いですが、写真を保存する機能があります。
しかし、今回はこの「カメラのバックアップ」機能も止めることにしました。
iPhoneの場合は、iCloud写真によるバックアップがあるからです。
クラウドストレージには、大きく分けて2つの使い方があります。
倉庫として使う——データをクラウドに預けたまま、どのデバイスからでも参照できる状態にしておく方法です。
iCloud写真(iCloud Photos)やGoogle フォト(Google Photos)はこの方法です。
中継点として使う——データをスマートフォンからPCに移すための一時的な経由地として使う方法です。
OneDriveにいったんアップロードした写真を、パソコン内に移動し、その後クラウドから削除することでクラウドストレージ容量を使わない方法です。
「カメラのバックアップ」は、iPhoneで撮った写真をパソコンでも見られるようにすることができるのが便利です。
しかし、今回は、まずは基本の使い方に立ち返り、OneDriveにはパソコンで作った資料を選んで入れて、iPhoneから見る。
まずは、用途を絞ることにしました。
3. iCloudストレージの負担を減らす
次の問題は、iCloudストレージ。
iCloudには、写真や動画を合わせて80GB近く蓄積されていて、有料プランに加入する状況になっていました。
データはパソコンに保管して、有料プランはオフにしたいところですが、かんたんにはiCloud写真を無効にできません。
多くの写真・動画を撮ったまま整理していなかったので、iPhoneの容量より多く、iCloudに預けた写真を本体に取り戻せなかったからです。
そこで、iCloud写真を整理する必要があります。
動画を中心に不要なデータをiCloudストレージから削除すれば、容量を空けることができ、安いプランに変更できます。
iPhoneの「写真」アプリは、本体とiCloudの保管場所の区別が難しいので、整理するときは、パソコンのブラウザからアクセスするのがおすすめです。
そうすれば、必要な写真はパソコンにダウンロードすることもできます。
ただし、iCloud写真で削除した写真は、iPhoneでも見られなくなります。
「iPhoneでは、過去の写真をいつでも見たい」という便利さは、iCloudをオフにするとできなくなることには留意する必要があります。
4. まとめ
このトラブルはスマートフォンを使っている人と誰でも遅かれ早かれ直面します。
写真や動画のデータは増え続けるのに、クラウドの無料枠は限られているからです。
「iPhoneを使うには課金するしかない」と思い込んで、そのまま契約する場合も多いですが、これは工夫によっては節約できます。
なにより「自分のデータがどこにあるか」を一度整理しておくと、すっきりします。
- 「このPCのみ」で移動されるのは、ローカルに実体があるファイルだけです。 – 「OneDrive」のバックアップ機能を切ったらファイルがなくなった……を防止する改善(窓の杜)