Instagramの「地図」機能について知っておきたいこと

  • Instagramの新しい地図機能は、リアルタイムで位置情報を共有したり投稿に場所情報を付けたりできますが、適切な設定をしないとプライバシーリスクがあります。
  • 設定を変更するには、プロフィール画面の三本線メニューから「設定とプライバシー」→「お知らせ」→「地図」へ進み、すべての項目をオフにするほか、スマートフォン本体の位置情報設定も確認しましょう。
  • 地図機能を安全に使うには共有相手を確認し、自宅など頻繁に訪れる場所の共有は避け、子どものアカウントは保護者が設定を確認することが大切です。

2025年4月にInstagramに導入された新しい「地図」機能は、使い方によってはプライバシーに関わる問題が起きる可能性もあります。

Instagramに追加された「地図」機能

Instagramの地図機能は、あなたの居場所をリアルタイムで友達と共有したり、投稿やノートに場所の情報を付け加えたりできる新しい機能です。例えば、友達との待ち合わせ中に「今ここにいるよ」と地図で正確に伝えられます。また、24時間で消える「ノート」という投稿にも場所の情報を追加できます。

周りの人気スポットも地図上で確認できるので、「この近くにおいしいカフェはないかな?」というときにも役立ちます。SNSの投稿を見るだけでなく、実際の場所とつながるような体験ができるのです。

Instagramのノート機能

Instagramの「ノート」は、プロフィール画像の下に表示される短いテキストメッセージのことです。最大60文字の短い文章を投稿でき、Instagramのダイレクトメッセージ(DM)画面で友達と共有できる機能です。2022年の終わり頃に導入された、比較的新しいInstagramの機能です。2025年4月の新機能では、このノートに位置情報を追加できるようになりました。

Instagramの機能関係図 ストーリー • 写真や動画を共有 • 24時間で消える • フィルターやエフェクト • 位置情報タグ追加可能 • 公開範囲: – フォロワー全員 – 親しい友達 – 特定ユーザー ノート • 60文字以内の短文 • 24時間で消える • DMに表示される • 2022年末に導入 • 2025年4月:位置情報追加 • 公開範囲: – フォロワー全員 – 親しい友達 地図 • 2025年4月に導入 • リアルタイム位置共有 • 近隣スポット表示 • 初期設定では「共通の フォロワー」に共有 • 公開範囲: – 共通のフォロワー – 親しい友達/特定ユーザー すべて24時間で消える

ノートの特徴は:

  • 投稿してから24時間で自動的に消える一時的なコンテンツです
  • 普通の投稿やストーリーよりも気軽に近況を共有できます
  • フォロワー全員か「親しい友達」のどちらかに共有を選べます
  • 友達はノートに返信できますが、その返信はDMに送られます

例えば「今日暇な人いる?」「新しいカフェ見つけた!」などの短い一言を共有するのに便利です。ストーリーほど手の込んだものではなく、もっと気軽に状況を伝えられる機能といえます。

位置情報の設定と管理

Instagramの新しい地図機能では、以下のような場合に位置情報が共有される可能性があります:

  1. リアルタイム位置情報共有:ノートとは関係なく、地図機能を通じてフォロワーや特定のアカウントにあなたの現在地をリアルタイムで共有できます。初期設定では「共通のフォロワー」に設定されていることが多いため、意識せずに有効にすると、フォロワー全員に現在地が見えてしまう可能性があります。
  2. 通常の投稿やストーリーの位置情報タグ:写真や動画の投稿、ストーリーに位置情報を付けると、その場所がマップ上で表示される場合があります。
  3. アプリの権限設定:スマートフォンの設定でInstagramに位置情報へのアクセスを「常に許可」にしていると、アプリがバックグラウンドでも位置情報を取得できる状態になっています。

知らないうちに自分の居場所が公開されてしまうリスクもあるため、正しい設定をすることが大切です。もし小さな兄弟や子どもがInstagramを使っている場合は、保護者がこれらの設定を一緒に確認するとよいでしょう。

Instagramアプリでの設定(お知らせの設定)

Instagramでの設定は、自分のプロフィール画面を開いて、右上にある三本線(≡)のメニューボタンをタップします。次に「設定とプライバシー」を選び、「お知らせ」から「地図」の項目へ進みます。ここですべての項目をオフにすれば、勝手に位置情報が共有されることはありません。

これは、スマホで友達に「今どこにいるの?」と聞かれたときだけ、自分で地図を送る形にするようなものです。常に居場所を知らせる状態ではなく、自分で決めたときだけ伝えられるようになります。

スマートフォン本体での設定(アクセス許可)

さらに安心したい場合は、スマートフォン自体の設定も変更できます。

iPhoneの場合、「設定」アプリから「アプリ」の「Instagram」を開きます。「位置情報」のアクセス許可を「しない」に設定しましょう。

Androidの場合は、「設定」から「アプリ」→「Instagram」→「権限」の順に進み、「位置情報」をオフにします。

これは、Instagramに「あなたがどこにいるか教えないでね」と指示するようなものです。もし、地図機能を使いたいときは、また許可に変更すれば大丈夫です。

初期設定のままでも位置情報が共有されるかも?

地図機能を使うときに、特に気をつけるべきことがいくつかあります。

Instagramの地図機能は、あなたが一度も地図画面を開いたり確認したりしていなくても、初期設定によっては位置情報が公開される可能性があります。特に、2025年4月のアップデート後では、以下のような状況が考えられます:

  1. アプリの更新時に自動的に有効化:新機能が導入されるときに、初期設定で位置情報共有が「オン」になっている場合があります。
  2. 初期設定の確認不足:メニューを開いて設定を確認していなければ、デフォルトの公開範囲(多くの場合は「共通のフォロワー」)で情報が共有される可能性があります。

公開範囲には注意が必要です。知らない人にまで見せたくない場合は、親しい友達だけに公開するよう設定しましょう。

フォローしていない人にも知られる(共通のフォロワー)

最初に設定するとき、「共通のフォロワー」という選択肢が最初から選ばれています。そのまま進めると、あなたをフォローしている人に現在地が見えてしまう可能性があります。必ず「誰に見せるか」を確認してから使いましょう。

位置情報共有の注意点 初期設定の注意点 「共通のフォロワー」が最初から選択されています 設定を確認せずに使うとフォロワーに現在地が見える可能性があります 「共通のフォロワー」とは? あなたとあなたがフォローしている人の両方をフォローしている人たち 具体例 あなた Aさん Bさん(共通のフォロワー) フォロー フォロー 両方をフォロー 現在地が見える!

「共通のフォロワー」とは、あなたあなたがフォローしている人の両方をフォローしている人たちのことを指します。

例えば具体的に説明すると:

  • あなたがAさんをフォローしている
  • BさんがあなたとAさんの両方をフォローしている

この場合、あなたはBさんをフォローしていなくても、Bさんは「共通のフォロワー」になります。

Instagramに地図機能は必要?

Instagramの「地図」機能は、プライバシー保護のリスクに対して、ベネフィットが少ないようにも感じられます。個人的な使い方や価値観によって、このバランスの感じ方は大きく変わると思います。

例えば、以下のような用途は、わざわざスマートフォンの位置情報を常に反映させずとも、投稿などのタイミングで場所の住所を追加するだけでもよさそうだからです。

  • お店や会社のアカウントでは、プロフィールに店舗の住所を登録して、お客さんが見つけやすくする
  • 旅行先や観光地に行ったときの投稿に位置情報を追加して、「ここに行ったよ!」と友達に共有する

地図を見続けさせることの「経済効果」(Snap Map)

Instagramがリアルタイム位置情報共有機能を追加した理由としては、主に以下のようなものが考えられます:

  1. 競合サービスとの機能競争:Snapchatの「Snap Map」やLINEの位置情報共有など、競合SNSですでに人気の機能を取り入れたという側面があります。
  2. エンゲージメント向上:ユーザーがアプリを開く頻度と滞在時間を増やす効果があります。友達の現在地が見えると、つい確認したくなりますよね。
  3. リアルタイムのユースケース:待ち合わせや旅行中の友人との合流など、「今すぐここにいる」という情報を共有するニーズに応えています。手動で位置を入力するより正確で手軽です。

プライバシーを重視する人には不要なリスクに感じられる一方、頻繁に友人と外出する若い世代には便利に感じられる面もあるようです。
特に、「Snap Map」は、親しい友人同士で「常につながっている」利用の仕方を想定しているようです。
友達の現在地を確認するだけでなく、友達が今何をしているかがわかったり(例:運転中、音楽を聴いている、など)、世界中で起きているイベントや出来事、あるいは人気のある場所や店をマップ上で見ることができます。これが、店舗の広告・オススメにも活用できるため、経済効果があります。

Instagramの使い方は、幅広く趣味の交流に使う人々と、身近な友だちだけとの交流に使う若い世代に二極化しているのかもしれませんね。

まとめ

Instagramの地図機能は、友達との待ち合わせや思い出の場所の共有など、日常生活をより便利で楽しいものにしてくれます。しかし、プライバシーのリスクもあるため、適切な設定が不可欠です。

スマホの地図アプリと同じように、必要なときだけ開いて使うという意識を持つことが大切です。正しい知識を身につけて、安全に楽しくInstagramを使いましょう。