印刷ボタンを押したのに何も出てこない。そんな経験はありませんか。Windows 11では印刷関連の設定画面が大きく変わったため、従来の方法では対処できないケースが増えています。
印刷エラーの多くは、印刷待ちのデータが詰まっているか、印刷を管理するサービスに問題があることが原因です。今回は実際に効果的だった2つの対処法を図解で紹介します。
印刷エラーの主な原因
印刷がうまくいかない理由はいくつかありますが、最も多いのは次の2つです。
まず、印刷キュー(プリントキュー)にデータが残っている場合です。印刷キューとは、印刷待ちのデータを一時的に保存する場所のことです。レストランの注文票のようなもので、順番に処理されていきます。ここに古いデータが残っていると、新しい印刷が始まりません。
もう一つは、Print Spooler(プリントスプーラー)というサービスが停止している場合です。Print Spoolerは印刷の順番や処理を管理するWindowsの機能です。これが止まってしまうと、プリンター自体が認識されなくなることもあります。
- まずはプリンターキューの確認から始めるのが効率的です。
キューに古いデータが残っているケースが多く、これを削除するだけで解決することがよくあります。 - キューの削除で解決しない場合に、Print Spoolerサービスの再起動を試します。
この手順で大部分の印刷エラーは解決できます。
プリンターキューを確認する方法
Windows 11では設定画面の構成が変わったため、従来とは違う手順でキューを確認します。
設定画面からのアクセス
スタートボタンをクリックして「設定」を開きます。左側のメニューから「Bluetoothとデバイス」を選択し、続いて「プリンターとスキャナー」をクリックします。
接続されているプリンターの一覧が表示されるので、問題のあるプリンターを選択します。プリンターの詳細画面が開いたら、「プリンターキューを開く」ボタンをクリックします。
キューの状態を確認
印刷キューのウィンドウが開くと、現在印刷待ちになっているファイルが一覧で表示されます。ここにファイルが残っている場合は、それらを削除してから新しい印刷を試します。
特定のファイルだけ削除したい場合は、そのファイルを右クリックして「キャンセル」を選択します。すべての印刷データを削除したい場合は、プリンター名の横にある「…」をクリックして「すべてキャンセル」を選択します。
Print Spoolerサービスを再起動する方法
キューを確認しても問題が解決しない場合は、Print Spoolerサービス自体に問題がある可能性があります。
サービス画面へのアクセス
スタートボタンをクリックして、検索ボックスに「サービス」と入力します。検索結果に「サービス」アプリが表示されるので、これをクリックして開きます。
サービスの一覧画面が表示されたら、下にスクロールして「Print Spooler」を探します。一覧は名前順に並んでいるため、「P」の項目を見つけてください。
サービスの再起動
「Print Spooler」を見つけたら、その行を右クリックします。表示されるメニューから「再起動」を選択します。もしサービスが停止している場合は、「開始」を選択してください。
再起動にはけっこう時間がかかりますか、完了すると状態が「実行中」に変わります。これでPrint Spoolerサービスが正常に動作している状態になりました。
両方の対処を行っても印刷できない場合は、プリンタードライバーの問題やハードウェアの不具合が考えられます。その場合は、プリンターの電源を一度切って入れ直したり、ドライバーの再インストールを検討してください。
まとめ
Windows 11での印刷エラー対処法として、プリンターキューの確認とPrint Spoolerサービスの再起動を説明しました。設定画面の変更により従来とは手順が異なりますが、基本的な仕組みは同じです。印刷キューでデータの詰まりを解消し、Print Spoolerサービスで印刷管理機能を正常化することで、多くの印刷問題を解決できます。